【看護師】過去の記事一覧最近ニュースでも話題の「認知症」。今、スコットランドの認知症支援制度が注目を集めています。
2016年04月21日
こんにちは、保健師転職のアポプラス保健師ライターチームです。
認知症は高齢者だけの問題ではありません。
最近では65歳未満で発症する、若年性認知症患者もいます。
厚生労働省からは、18-64歳人口における人口10万人当り、47.6人が若年性認知症患者と発表されました。
厚生労働省「若年性認知症の実態等に関する調査結果の概要及び厚生労働省の若年性認知症対策について」参照
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/03/h0319-2.html
認知症は一般的に「治らない」といわれていて、早期発見・早期治療にあまり意味がないという風潮が日本にはありました。
しかし認知症にもいくつか種類があり、治るものもあること、また早期治療により改善に向かうこともわかっています。
そのうえで、今注目されているのがスコットランドの認知症支援制度「リンクワーカー」です。
「リンクワーカー」について、また認知症について、改めて考えていきたいと思います。
認知症の種類は70種以上!?
まだ謎の多い認知症について
認知症の種類は70種類以上あるといわれているようです。
その中でも最も多いのがアルツハイマー型で50%、次にレビー小体型20%、脳血管性15%、その他15%となっています。
レビー小体型認知症家族を支える会ホームページ参照
http://www.dlbf.jp/about_dlb1.html
もの忘れが始まることから気づく「アルツハイマー型」は、緩やかに進行していきます。
相談e-65.net「アルツハイマー型認知症とは」参照
http://sodan.e-65.net/basic/ninchisho/hayawakari_alzheimer.html
幻想がみえたり、異常言動などが目立ったりするのが「レビー小体型」で、緩やかに進行するが経過が早い場合もあります。
相談e-65.net「レビー小体型認知症とは」参照
http://sodan.e-65.net/basic/ninchisho/hayawakari_lewy.html
脳梗塞や脳出血により発症する認知症が「血管性認知症」です。急激に発症し、階段状に進行していくという特徴があります。
相談e-65.net「血管性認知症とは」参照
http://sodan.e-65.net/basic/ninchisho/hayawakari_noukekkan.html
もっとも多いといわれるアルツハイマー型認知症は、現時点では治すことができないといわれていますが、それ以外の認知症については治る場合もあります。
またアルツハイマー型認知症も治らないとはいえ、薬などで進行を遅らせることはできます。
そのため認知症も「早期発見」「早期治療」が大事になるのです。
早期発見・早期治療
日本の現状とリンクワーカーについて
認知症は早期発見・早期治療が大切だということは、厚生労働省のホームページにも書かれています。
"アルツハイマー病では、薬で進行を遅らせることができ、早く使い始めると健康な時間を長くすることができます。
病気が理解できる時点で受診し、少しずつ理解を深めていけば生活上の障害を軽減でき、その後のトラブルを減らすことも可能です。
障害の軽いうちに障害が重くなったときの後見人を自分で決めておく(任意後見制度)等の準備や手配をしておけば、
認知症であっても自分らしい生き方を全うすることが可能です。"
厚生労働省「認知症の診断・治療」参照
http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/dementia/a03.html
それなのに、たとえ早期発見されたとしても治療が遅れている・・・というのが日本の現状です。
認知症を治す環境がまだ発達しておらず、重度の認知症患者の対応が優先されてしまうなども要因のひとつのようです。
そんな中、今注目されているのがスコットランドで4年前から導入されているという「リンクワーカー制度」なのです。
次のコーナーでは「リンクワーカー制度」について詳しくみていきます。
認知症の早期支援プログラム
「認知症リンクワーカー」とは
イギリスのスコットランドでは、認知症と診断されるとすぐに「リンクワーカー」が訪問します。
リンクワーカーは臨床心理士や看護師などが担い手となっており、まずは認知症の正しい知識を伝えます。
次に認知症の人や家族が家に閉じこもってしまわないよう、交流会や勉強会を紹介したり公的優遇策を伝え手続きしたりします。
こうした支援は1年間無料で行われるそうです。
このプログラムにより、認知症と診断された人が明るく前向きに生きることができるようになるのです。
NHKクローズアップ現代「初期認知症と診断された」参照
http://www9.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3510_all.html
認知症リンクワーカーを日本でも!
認知症の早期支援プログラムとして有効だと考えられる「認知症リンクワーカー」を日本でも育てようという動きがでています。
国際治療研究所では、このプログラムを学ぶためイギリスに行くという企画が誕生しました。
国際治療研究所「2016スコットランドリンクワーカープログラム視察研修」参照
http://iiet.co.jp/sys/tour.cgi?f=10112
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すでに募集は締め切られています。
また、京都では2016年2月から「認知症リンクワーカー」の研修を始め、年度内に90人近くのリンクワーカーを養成しようとしています。
京都新聞「認知症リンクワーカー導入」参照
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20160321000121
これをきっかけに、リンクワーカー制度が各地で導入され、認知症予防また治療が進んでいくことを願います。
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