【保健師】業界情報保健師の地域の取り組みも今注目上昇中！佐渡で始まった「EXADON」とは？
2016年02月05日
こんにちは、保健師転職のアポプラス保健師ライターチームです。
新潟県佐渡市で始まった「EXADON（エクサドン）」をご存じでしょうか？
テレビの健康番組でも取り上げられ、今注目を浴びています。
現在日本の高齢化は進んでおり、お年寄りが元気に長生きできるよう「介護予防」について考えようという気運が高まっています。
そんな中、健康増進、介護予防を目的とした、太鼓によるフィットネス・プログラム「EXADON」が生まれました。
エクササイズと佐渡、太鼓のドンという音を合わせた造語です。
「EXADON」により、「心地よい運動習慣」「楽しく社会参加する習慣」「バランスのとれた食事習慣」を身に着けてもらおうという想いで始められました。
EXADONの始まり
2016年はさらに飛躍の年に
EXADONの発祥は2014年。
佐渡市、汐彩クリニック院長の森本芳典氏、鼓童文化財団の３者が協力・連携しスタートしました。
スタートとほぼ同時に「EXADONサポーター育成講座」も開始し、普及に努めました。
2015年は65歳以上の佐渡市民を対象に「EXADON太鼓教室」を何度も開きました。
認知能力や体力の向上につながるプログラムとして、参加者からも好評だったようです。
2016年はさらに普及が進むような取り組みを期待したいものです。
保健師の地域の取り組みは重要
「介護予防」について
EXADONは地域で行う介護予防の取り組みとして、新しいモデルとなっています。
ではなぜ、介護予防は地域の取り組みとするべきなのでしょうか。
高齢者のだれもが介護予防に取り組むには、「高齢者自身が介護予防の効果を実感」できることが必要です。
そのためには自分の住んでいるところから通える、身近な場所で「介護予防」の取り組みが行われる必要があるのです。
また取り組みは１回で終わらせず、何度も繰り返し行える体制を作ることも重要です。
そのためには行政の力だけではなく、住民の力も必要なのではないでしょうか。
株式会社三菱総合研究所が作成した「地域づくりによる介護予防を推進するための手引き」には、「住民運営の通いの場のコンセプト」は以下の５項目であると書かれています。
- （１）
市町村の全域で、高齢者が容易に通える範囲に「通いの場」を住民全体で展開する
- （２）
前期高齢者のみならず、後期高齢者や閉じこもり等何らかの支援を要する者の参加を促す
- （３）
住民自身の積極的な参加と運営による自立的な拡大を目指す
- （４）
後期高齢者・要支援者でも行えるレベルの体操などを実施
- （５）
体操などは週1回以上の実施を原則とする
「地域づくりによる介護予防を推進するための手引き」参照 PDF
地域づくりには保健師の役割も重要
地域で働く保健師は、「介護予防」についてのプロです。
地域全体で介護予防を推進するための、先頭を切るべき存在ともいえます。
そのためには「高齢者の家庭訪問」「民生委員や社会福祉委員の方からのヒアリング」などを積極的に行い、高齢者の実態をつかむことが必要。
また、困っている高齢者一人ひとりと向き合うことも大切ですが、高齢者が積極的に地域に関われるような体制づくりを整えることも大事です。
もちろん保健師だけの力では限りがありますから、地域住民に協力を求めることも必要なのではないでしょうか。
そういった意味では、佐渡市の「EXADON」の取り組みは、たいへん注目すべき事例です。
厚生労働省でも「地域づくりによる介護予防推進支援モデル事業」の取り組みを行っています。
現在、北海道から沖縄まで13の市町村でモデル事業が行われています。奈良県生駒市のケースでは、要支援１の夫（84歳）と要介護１の妻（83歳）という高齢者夫婦に対して、第一段階として夫婦で「パワーアップ教室」へ通所してもらい、
第二段階として夫が見守る中妻が料理をするよう取り組み、6ヶ月後には夫は畑仕事を再開、妻はパワーアップ教室でのボランティア活動を行うまでになりました。
このように地域で「介護予防」に取り組むことが大きな成果を生み出すことにつながっています。
保健師のみなさんも「EXADON」などの好事例を参考に、地域による介護予防推進に取り組んでみられてはいかがでしょうか。
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