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【保健師】業界情報【保健師注目情報】フィンランドで児童虐待死を激減させた「ネウボラ」とは?

2016年01月26日

こんにちは、保健師転職のアポプラス保健師ライターチームです。

「ネウボラ」とは、ネウボ(neuvo)=アドバイスと、ラ(la)=場所を合わせた言葉で、直訳すると「アドバイスしてもらえる場所」という意味になります。
実際は生まれる前から生んだ後まで、家庭と子どもに対して「切れ目のない支援」ができる、そんな制度のことです。
フィンランドで根づいたこのネウボラは児童虐待死を激減させ、出生率が1.71と高い水準を保つことに成功しています。(ちなみに、2014年時点で日本の出生率は1.42といわれています。)

とにかくすばらしい制度といえるネウボラですが、日本でもこの取り組みを始めようと取り組んでいる団体もあります。
ネウボラについて、日本の活動について、お話しします。

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妊娠から子育てまで、日本とフィンランドの違いをご紹介!

日本では妊娠が発覚したら、まず産婦人科へ行きますね。
その後、母子手帳をもらうのは市役所、出産後は保健所や保健センターで健診を受け、子どもが病気になれば小児科に行きます。
自然なことだと思っていますが、考えてみるとさまざまな機関に通っていることがわかります。

一方フィンランドでは、妊娠がわかると「ネウボラ」へ行き、生まれるまでの健診なども「ネウボラ」で行います。
出産は病院で行いますが、出産後の健診なども含めすべて「ネウボラ」におまかせ。
また「ネウボラ」でできるのは、単純に健診やいわゆる「母親教室」や「父親教室」だけではありません。
母親と赤ちゃん、そしてその父親や兄弟姉妹などすべてに関わってくるのです。
次に具体的に「ネウボラ」が行う支援についてご説明します。

ネウボラで活躍するのは「ネウボラおばさん」といわれる保健師

妊娠が発覚し訪れたネウボラで、まずは何をするのでしょうか?
それは30分~1時間程度の個別面談です。
話を聞いてくれるのは「ネウボラおばさん」と呼ばれる保健師。
そこでは産婦人科で行う健診だけではなく、夫婦の関係や経済状況、子どもを迎えることへの不安な気持ちなどあらゆる話をします。
もちろん1回では足りませんから、妊娠中に6~11回程度は通うことになります。
また母親だけではなく、ときには父親も一緒に通います。
しかも基本的にそのネウボラおばさんは、ひとりのお母さんに対してずっと同じ人が対応してくれるので、その点でも安心感があるのでしょう。
もちろん「ネウボラおばさん」は話を聞くだけではありません。
その家庭に対して必要に応じて、医療機関や自治体、児童施設などにつなぐなどして、個人個人にあった対応をしてくれます。

出産後の健診も同じです。
基本的にネウボラでの健診は、医師が3回、保健師が10回行うことになっています。
必要に応じて歯科検診なども行えますし、何か不安があったときは不定期に通うことも可能です。
さらに乳幼児が遊べるスペースもあり、親子で散歩がてら立ち寄り、他の親子と交流する場にもなるそう。
日本でいう「公園デビュー」も、ネウボラ内で行えるというわけです。

ネウボラが児童虐待死を防げる理由

ネウボラの制度について、ご理解いただけたでしょうか。
ここまで読めば「児童虐待死がなぜ防げるか」も、おわかりかもしれません。

児童虐待は残念ながら、「自分も子どもの頃に虐待を受けていた」「孤独な育児で疲れたしまった」などの理由で起こるといわれています。
しかしネウボラは、そのような父親や母親と出産前から関わり、話を聞き、支援を続けているわけですから、「母親が世間と孤立する」リスクを軽減してくれます。
だからこそ、フィンランドでは児童虐待死という悲しい現実を防ぐことができたのです。

すばらしい制度「ネウボラ」そのスタートは民間の活動だった!?

子どもを大切に育て、父親や母親も支援してくれる「ネウボラ」は現在だれもが無料で受けられるサービスとなっています。
そんなすばらしい支援制度があるなんてうらやましい!そう思われるかもしれませんが、実はスタートは民間の有志による活動だったのです。
1920年代、新生児の死亡率が高かった頃、小児科医や看護師などが乳幼児の健康を守るために活動をスタートさせました。
それが徐々に広がり国の制度として認められたのは20年後のことだったそうです。

日経DUAL「フィンランドの切れ目ない家庭支援 ネウボラ」参照新しいウィンドウで開きます

日本も見習いたい「ネウボラ」、日本での取り組みとは?

日本でも「妊娠・出産包括支援」として、ネウボラを見習った取り組みが各地で行われています。
青森県鰺ヶ沢町の例
産科医療機関がなく安心して産み育てるという環境が整っていなかった鰺ヶ沢町。
妊娠・出産から子育てまでをトータルでサポートする助産師を配置し、必要に応じて医療機関や保健師と連携する制度を作りました。
ほかにも「ママサポート事業」として育児経験のある母子支援ヘルパーが在宅支援を行ったり、母親が孤立しないようママ同士が集まれる場所を提供し「ママ友を作ろう事業」を展開したりしています。

厚生労働省「妊娠・出産包括支援モデル事業の取組事例集」参照PDF

母子健康に取り組みたいと考えていらっしゃる保健師のみなさんにとって注目の「ネウボラ」。
日本でも同様の取り組みが行われ、安心して子どもを産み育てられる環境が整うことを願いたいものです。

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