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【保健師】業界情報保健師では当たり前の育児相談。実際はどんな相談が多い?これから転職希望の方は要チェック!

公開日:2016年02月15日

こんにちは、保健師転職のアポプラス保健師編集部です。

初めて母子保健を担当する保健師さんにとっては、どんな育児相談をされるのか?気になるところかもしれません。
初めて育児をするお母さんは、みんな不安がいっぱい。思いもつかないお悩みをもたれているものです。
また、出産後間もないお母さんは精神的に不安定になっていることもありますから、「共感」したり「大丈夫だよ」と言ったりすることも大切です。
母子保健の現場ではどんな相談事が多いのか?どう答えていくべきなのか?お話ししたいと思います。

保健師の求人・転職特集はこちら

目次

保健師に「相談できること」とは?まずは全体像を知ろう

保健指導(健康指導)とは

「育児のことだけ?」と思われがちですが、保健師に相談できる内容は、妊娠前から子どもの思春期、さらには保護者自身の心と体まで幅広くカバーしています。ここでは、主な相談テーマの全体像と、具体的な場面・アクションのイメージが持てるように整理します。「どこまで聞いていいの?」という迷いも解消できるよう、相談の考え方もあわせて紹介します。

保健師に相談できる主なテーマ一覧

「こんなこと聞いていいのかな」と迷いやすいテーマを、代表的なカテゴリに整理しました。自分の悩みがどこに当てはまりそうか、まずはざっくりイメージしてみてください。

  • 妊娠・出産・育児(授乳、発達、離乳食、事故予防など)
  • 保護者自身の心身の不調や生活習慣、家族関係
  • 仕事と育児の両立、地域の支援制度・相談先の紹介

厚生労働省の「母子保健事業」や「精神保健福祉」「健康日本21」などの制度上、保健師は母子保健・こころの健康・生活習慣病予防・地域の社会資源とのつなぎ役を担っています。

そのため、「子どものこと」だけでなく、産後の体調や睡眠不足、夫婦関係、上の子の対応、保育園入園や復職の不安なども相談範囲です。たとえば「離乳食をあまり食べない」「予防接種のスケジュールが不安」といった具体的な悩みから、「なんとなく毎日つらい」「誰にも本音を話せない」といったモヤモヤまで、まずは保健師に話してみることで、必要に応じて医療機関や専門職にもつないでもらえます。

(参考:厚生労働省「母子保健事業の推進」「地域保健総合支援事業」)

育児だけじゃない?妊娠期・思春期・こころの悩みまで

保健師は、妊娠期から思春期まで「子どもの成長ライン全体」と、保護者のメンタルヘルスも見ています。ライフステージごとの相談例を知ると、相談の一歩が踏み出しやすくなります。

  • 妊娠期:つわり、体重管理、出産への不安、里帰り・育児環境の相談
  • 乳幼児〜学童期:発達やことば、集団生活・友だち関係の悩み
  • 思春期:性のこと、心の不調、不登校やゲーム・SNS依存など

妊娠期には、妊婦健康診査や両親学級の場で保健師が相談を受けます。

「つわりがつらくて仕事を続けられるか不安」「里帰りせずに夫婦2人で育てられるか心配」といった声には、医師や助産師の情報を踏まえつつ、職場との調整や地域のサポート体制も含めて一緒に考えます。乳幼児期では、「ほかの子と比べて発達がゆっくり」「ことばが遅い気がする」といった発達相談や、事故予防、食事・睡眠リズムの相談が多く寄せられます。

さらに、学校保健や地域の保健活動では、「生理の相談」「ネット・ゲームの使い方」「いじめ・不登校」など思春期特有のテーマも重要です。保健師は必要に応じて小児科、精神科、学校・児童相談所などと連携し、家族を長期的に支える役割を担っています。

(参考:厚生労働省「母子保健の主な事業」「思春期保健対策」)

「どこまで聞いていいの?」と迷ったときの考え方

「これ以上は迷惑かも」「専門外かもしれない」と遠慮してしまう方は少なくありません。迷ったときに思い出してほしい"相談の目安"と、行動に移すための具体的な一歩をお伝えします。

  • 「日常の困りごと」「将来への不安」「誰にも言えない悩み」はすべて相談範囲
  • 医療・福祉・教育など、必要に応じて他職種につなぐのも保健師の役割
  • 相談前に「気になっていることを3つだけメモする」と話しやすくなる

保健師は「何でも屋」ではありませんが、「どこに相談すべきか分からない悩みの入口」になる専門職です。

たとえば、育児疲れからパートナーへのイライラが強くなり「こんな気持ちを話していいのかわからない」とため込んでいたお母さんが、「最近、怒りっぽくて自分でもつらい」という一言から相談を始め、保健師と一緒に睡眠・負担の見直しを行い、必要に応じて精神科・カウンセリングにつながったケースもあります。

どこまで聞いていいか迷ったら「自分と家族の健康や生活に関わることは、まず保健師に聞いてみてよい」と考えてください。相談前には、気になっていること・困っている場面を3つほどメモしておくと、限られた時間でもポイントを押さえて話しやすくなります。

(参考:厚生労働省「保健師の活動と役割」「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」)

保健師に相談するメリット【友人・ネット検索との違い】

「検索すれば何でも出てくる時代」に、あえて保健師に相談する意味はどこにあるのか。
ここでは、科学的根拠に基づいた助言、家庭ごとに違う事情へのきめ細かな対応、公的サービスとして安心して使える窓口という3つの視点から、友人やネット情報にはない価値と、今日から取れる具体的な一歩を整理します。

科学的な根拠と最新のガイドラインに基づいたアドバイス

ネット情報は玉石混交です。保健師は、公的なガイドラインやエビデンスに基づいて「安心して実行できる」アドバイスを組み立てます。

  • 厚生労働省など公的機関のガイドラインを日常的に参照
  • 医学的リスクと生活上の工夫をセットで説明してもらえる
  • 情報が古い/不正確だった場合の修正ポイントも教えてもらえる

保健師は、厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」「乳幼児身体発育調査」「健やか親子21」など、公的なエビデンス・指針をベースに支援を行います。

たとえば「離乳食を全然食べない」という相談に対して、ネットでは「とにかく食べさせて」「母乳をやめれば食べる」など極端な情報もありますが、保健師は成長曲線・発達段階・生活リズムを確認したうえで、「体重・身長は問題ないか」「どの時期にどの食品をどのくらい試せば安全か」を整理して提案します。

また、「その情報は〇年前の古い基準なので、今はこう考えるのが一般的です」といった"情報のアップデート"も一緒に行ってくれるのが特徴です。

(参考:厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」「健やか親子21(第2次)」)

個別の家庭状況に合わせた「現実的な解決策」がもらえる

同じ悩みでも、家庭環境が違えば「最適な答え」も変わります。保健師は、生活全体を見たうえで、実行可能なレベルの提案に落とし込んでくれます。

  • 家族構成・仕事・経済状況・住環境などを含めてアセスメント
  • 「理想論」ではなく、今の生活で無理なくできる工夫を一緒に検討
  • 必要に応じて、地域のサービスや専門職とも連携してくれる

たとえば「夜泣きがつらくて毎日寝不足」という相談。ネット上では「添い乳はやめるべき」「泣かせておいてもよい」など賛否両論が渦巻きますが、保健師は、住まい(集合住宅か戸建てか)、パートナーの勤務形態、日中のサポート(祖父母の有無)、経済的な余裕なども含めて状況を整理します。

そのうえで、「今はまずお母さんが少しでも眠れることを優先しましょう」「週に1回、一時預かりやファミサポを利用して休む時間を」といった、"その家庭で実際に続けられる"対策に落とし込んでいきます。理想的な育児法に合わせるのではなく、「その家族が健康に暮らせるライン」を一緒に探すのが保健師の専門性です。

(参考:厚生労働省「地域子育て支援拠点事業」「子ども・子育て支援新制度」)

匿名・無料で相談できる公的な窓口がある場合も

「お金がかかりそう」「身バレが心配」と相談をためらう方もいます。実は、多くの自治体には匿名・無料で利用できる保健師相談窓口があります。

  • 市区町村の保健センター・子育て世代包括支援センターなどで相談可能
  • 電話・オンライン・来所など、複数の相談方法が用意されていることも
  • 相談先の探し方と、問い合わせ時に伝えるポイントを押さえる

自治体には、妊娠届出時から子育て中までを支える「子育て世代包括支援センター」や保健センターが設置され、保健師が電話・面接相談を担当しています。

名称は自治体によって異なりますが、「お住まいの市区町村名+保健センター」「子育て世代包括支援センター」で検索すると窓口情報を確認できます。中には、匿名での電話相談や、ニックネームで使えるオンライン相談フォームを設けている自治体もあります。

問い合わせの際には、「お子さんの月齢・年齢」「困っている場面」「相談したいことを一言で」をメモしておくとスムーズです。「こんなこと相談していいのかな」と迷う内容ほど、まずは一度、公的な窓口に聞いてみることをおすすめします。

(参考:厚生労働省「子育て世代包括支援センターについて」「市町村保健センターの活動」)

育児相談のお悩みその①「子どもの成長について」

妊娠中に本を読んだり、先輩ママに話を聞いたりして、首がすわる時期やハイハイを始める時期など、一般的な成長をご存じのお母さんも多いようです。

そのためか、「3カ月を過ぎたのに首がすわらない」「6カ月を過ぎたのにハイハイをしない」などのお悩みを打ち明ける方は多いです。もちろん一般的な成長の流れはありますが、あくまでも個人差があるもの。

もし、このような悩みを相談するお母さんがいれば、まずは「大丈夫ですよ」と言ってあげるとよいでしょう。それから個人差があること、ハイハイをせずに歩いてしまう子もいることなど、事例を紹介してあげるのもお母さんを安心させる材料になります。

またお母さん本人は大丈夫だと思っていても、周りから「大丈夫?」と言われることで不安になる方もいらっしゃいます。
そんなときには、「○○だから大丈夫」と、きちんと理由を説明してあげることも大切です。

そうすることで、お母さん本人が心配されている周りの方にも説明できるので、結果みなさんを安心させることができるでしょう。

育児相談のお悩みその②「子どもの叱り方について」

育児では「怒ってはダメ、叱ってもいい」などといわれますが、その叱り方で悩むお母さんも多いもの。

「きつく言い過ぎているのでは?」「感情的になりすぎているのでは?」など、
お母さんと子どもが2人きりでいるときに行われることが多いので、客観的にみられず心配になるようです。

そんなときには「叱る」のが躾(しつけ)のためであれば、間違った行為ではないこと、
ただあまりにも感情的になるのはよくないことなど、落ち着いた状況でお話ししてあげてください。

叱り方自体に不安を覚えている方なら、「その場で叱ってあげる」「子どもにわかるように叱る理由を説明する」など、具体的なアドバイスも添えてあげるとよいでしょう。

幼児虐待なども問題になっている昨今ですから、その点も踏まえたうえで専門家としてアドバイスしてあげられるとよいですね。

実際にあった保健師への相談例(育児・仕事・メンタル)

「こんなことで相談していいの?」と迷いやすい代表的なケースを、育児・仕事・メンタルの3つの観点から具体的に紹介します。実際の相談プロセスと保健師の関わり方をイメージできるようにすることで、「自分の場合はどう動けばいいか」が分かるよう整理します。

例1:離乳食が進まない・体重が増えない不安

離乳食と成長曲線の不安は、乳幼児健診で最も多い相談のひとつです。保健師は「食べない」背景を多面的に整理していきます。

  • 成長曲線と母子手帳の記録から、医学的なリスクの有無を確認
  • 食べ方・量・時間帯など「食事のパターン」を一緒に整理
  • 今日から試せる少しずつの工夫と、再相談のタイミングを明確化

9か月の男児を育てる保護者から「離乳食を数口しか食べず、体重も増えない」と相談がありました。

保健師は母子健康手帳の成長曲線を確認し、出生時からの体重推移・発達状況を評価。医学的リスクが高い場合は小児科受診を勧めつつ、そうでなければ「体重はカーブに沿っているか」「母乳やミルクの量とのバランス」「食事環境(テレビ、姿勢、椅子)」を丁寧に聞き取ります。

そのうえで、1)食事時間を20〜30分で切り上げる、2)完食より「楽しい経験」を増やす、3)2週間後に体重と様子を再確認、など具体的な行動プランを一緒に設定します。こうした対応は、厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」に基づいて行われます。

(参考:厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版)」)

例2:きょうだいへの関わり方・上の子の赤ちゃん返り

下の子が生まれた後の「上の子の赤ちゃん返り」は多くの家庭で起こります。保健師は発達理解と親の負担軽減の両面からサポートします。

  • 上の子の行動を「問題」ではなく「不安のサイン」として理解
  • 日常の中でできる「特別な時間」「役割づくり」の工夫を提案
  • 親の「イライラ」をケアし、完璧を求めない視点を共有

3歳と0歳のきょうだいを育てる保護者から、「下の子の世話をすると、上の子がわざとぐずり、叩く。怒ってばかりで自己嫌悪」と相談がありました。

保健師は、上の子の発達段階から「親の愛情を確かめるための行動」であることを説明し、行動を頭ごなしに否定しない関わり方を一緒に考えます。具体的には、1日5〜10分でも「上の子だけを見る時間」を意識的につくる、できたことを大げさにほめる、「赤ちゃんのお世話係」として簡単な役割をお願いする、などを提案。

また、親自身が休める時間の確保(家事の簡略化、家族・一時預かりの活用)もセットで検討します。こうした家族全体への支援は、母子保健と家庭支援の実務で重視されているアプローチです。

(参考:厚生労働省「健やか親子21(第2次)」家庭・地域における子育て支援)

例3:職場復帰と保育園、仕事との両立の悩み

育休からの復帰時期や保育園選び、働き方の調整は、多くの保護者にとって大きな不安材料です。保健師は健康・生活・制度の視点から一緒に整理します。

  • 復帰時期・勤務形態・通勤時間など、生活全体のスケジュールを可視化
  • 保育園の選び方と、病気時の対応(病児保育・家族支援)の確認
  • 産業保健スタッフや上司との情報共有のポイントをアドバイス

1歳児の母親から「フルタイムで復帰したいが、子どもの体調不良や残業が心配」と相談がありました。

保健師は、現在の生活リズム、通勤時間、職場の制度(時短勤務・在宅勤務の有無)、サポートしてくれる家族の範囲などを一緒に書き出し、「平日1日のタイムスケジュール」を具体的にシミュレーションします。

そのうえで、近隣の保育園の保育時間・延長保育・病児保育、自治体の一時預かり情報を提供し、「どの条件なら現実的に回せそうか」を検討。企業内に産業保健師や人事担当がいる場合は、「育児と仕事の両立について相談したい」旨を早めに共有することも勧めます。こうした復職支援は、母性健康管理指導事項連絡カード制度や両立支援制度とあわせて行われます。

(参考:厚生労働省「両立支援等助成金」「子ども・子育て支援新制度」)

例4:イライラ・気分の落ち込みなど、こころの不調

「涙もろくなった」「子どもに当たってしまう」など、こころのサインは自分では軽く見がちです。保健師は早期発見と専門機関へのつなぎ役を担います。

  • 産後うつや不安症状のサインをチェックリスト形式で確認
  • 日常生活(睡眠・食事・休息)の整え方を一緒に検討
  • 必要に応じて精神科・心療内科・相談機関へスムーズにつなぐ

生後3か月の子どもを育てる保護者から「些細なことで涙が出る、子どもが泣くと胸が苦しくなる」と健診時に打ち明けられました。

保健師は、エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)などを用いて状態をアセスメントしつつ、睡眠時間・食事・家事負担・サポート体制を具体的に聞き取ります。そのうえで、「産後はホルモンや生活の変化で心が不安定になりやすいこと」「一人で抱え込まないことの大切さ」を伝え、1)家事のハードルを下げる、2)1日1回「自分だけの時間」を5〜10分確保する、3)数日〜1週間以内に再度連絡をもらう、など短期的な行動目標を設定。

必要に応じて、精神科・心療内科や地域の精神保健福祉センターと連携します。産後うつへの早期介入は、厚生労働省も母子保健施策として重点化している領域です。

(参考:厚生労働省「産後うつ病対策の推進」「母子保健医療対策等総合支援事業」)

保健師は育児相談のプロ|お母さんを応援する姿勢で臨んでください

育児相談で多いお悩みについて、またその答え方についてお話ししました。

今回は0歳児~3歳児までをもつお母さんに多いお悩みをご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
もちろん保健師は、それ以上の年齢のお子さんの育児相談にのることもありますし、もっと思いもよらないお悩みを聞くこともあるでしょう。

しかし一番大切なのは、保健師が「育児相談のプロ」であるという自覚をもって、お母さんの話を聞いてあげることです。
保健師に相談するお母さんの多くは、育児に関して孤独さを感じているようです。
そんなお母さんは、話を聞いて自分を応援してくれる、そんな保健師の存在を頼りにしています。

子育て経験がないから、出産経験がない男性だから、といっても「お母さんの話を親身になって聞く」ことはできます。
まず「話を聞く」ことでお母さんは心を開いてくれますし、信頼関係も結ばれます。

逆に子育て経験があるからと、お母さんの話を聞かず自分の子育て感ばかりを話すのも、あまりよくありません。
保健師のみなさんは、「お母さんの一番の応援者」そんな気持ちで、育児相談をしていただければと思います。

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