【保健師】業界情報冬場に流行するノロウイルス...集団感染防止のために産業保健師が取り組むべき3項目とは!?
2016年03月02日
こんにちは、保健師転職のアポプラス保健師ライターチームです。
ノロウイルスは1年中発生する可能性のある食中毒ですが、特に冬場12月~3月にかけて発症しやすくなっています。
ここ数年でもっとも発症が多かったのは平成24年12月で、発生件数119件、患者数7,658人でした。
その後感染が広がらないよう注意を促しており、多少減少傾向にあるものの、今後も集団感染防止に努める必要があります。
ノロウイルスの集団感染防止は、保健師が取り組むべき課題です。
特に産業保健師が改めて気をつけたい点について、まとめてみました。
取り組むべき項目その1
「予防」食品には必ず火を通し清潔を心がける
会社などでノロウイルスが発症する場所として、社員食堂の厨房などが考えられます。
発生しやすい時期は特に「食品には必ず火を通す」ことを徹底してもらう必要があります。
また生の食品から感染するだけではなく、まな板や包丁などの調理器具からノロウイルスに感染することもあります。
調理器具は清潔に、また使用した後は洗浄し加熱殺菌処理を行うことも大切です。
ただし加熱処理すればすべての問題が解決するわけではありません。
加熱処理することで「ウイルスの活性を失わせる」ことができるだけです。
その点についても、関係者に徹底して指導することが必要になります。
取り組むべき項目その2
「二次感染の予防」ノロウイルス感染者の把握
ノロウイルスの二次感染とは、感染者の便や吐物から感染することをいいます。
会社などでは「ノロウイルスの疑い」がある人は会社を休んでもらうなどルールを作ってもらうことも必要です。
社員食堂の厨房で働く人には、特に徹底しなくてはいけません。
ノロウイルスに感染すると、1~2日後に下痢、おう吐、発熱などの症状がでるのが一般的です。
流行しやすい冬場は、上記のような症状がでた人はいち早く病院を受診してもらうなどの処置をとることも大切です。
またインフルエンザ同様、家族が感染したら自分も感染していないか疑うなど、本人に意識してもらうことも必要かもしれません。
「風邪くらいでは休めない」という会社員なども多いと思いますが、ただの風邪かノロウイルスかを自己判断しないよう意識させることも、保健師として感染拡大を防ぐために必要なのではないでしょうか。
取り組むべき項目その3
「二次感染の予防」下痢や吐物の扱い
ノロウイルスが流行っている時期の下痢や吐物の取り扱いにも注意が必要です。
- 片付けるときにはビニール手袋やマスク、エプロンなどを身に着け、直接触れないようにする。
- 汚れた衣類やタオルは他の物と一緒に洗わない。
- 汚れた床は塩素系漂白剤を含ませたキッチンペーパーなどで覆いラップで密封し、殺菌する。
- 片付けに使用した用具は塩素系漂白剤で漬け置き洗いし、殺菌する。
- 片づけをした後は、手洗いうがいを徹底的に行う。
産業保健師は、これらの知識も会社内で徹底することが大事です。
また社内だけではなく、各家庭でも実践してもらい、社外から持ち込まないようにすることも必要です。
「ノロウイルスの感染拡大を防ぐ」
産業保健師にとって重要な使命です
会社、そして会社員の健康を預かる産業保健師。
ノロウイルスに限らず、インフルエンザや風邪などを「予防」し「感染させない」ことは重要な任務のひとつです。
予防も、拡大を防ぐことも、一部の人ががんばるだけでは問題の解決にはなりません。
保健師が中心となり、会社全体で意識させることがもっとも重要になります。
「風邪くらいで休めない」という風潮をなくし、「感染拡大を防ぐためには休むことも必要」だと認識してもらうことも大切です。
会社全体で取り組んでもらえるよう、産業保健師の方が働きかけていただければと思います。
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