【保健師】業界情報最近話題のジカ熱...日本でも最早対岸の火事ではない!?企業保健師ができるジカ熱対策!
2016年03月28日
こんにちは、保健師転職のアポプラス保健師ライターチームです。
ジカ熱は、2016年に入り日本でも報道が増えてきました。
厚生労働省のホームページでも、2016年1月21日以降「報道発表資料」や「検疫所向けの情報」などを随時掲載しています。
厚生労働省「ジカウイルス感染症について」参照
中南米方面に会社があったり、出張が多かったりする企業に勤める企業保健師さんにとっては、
「ジカ熱」対策は重要事項のひとつかと思います。
あらためて「ジカ熱」について、企業保健師が行える対策について、考えていきます。
蚊を媒介にして感染が広がる「ジカウイルス感染症」
ジカウイルス感染症とは、ヤブカ属の蚊によって媒介される感染症のことをいいます。
また稀なケースといわれていますが、輸血や性行為による感染も指摘されています。
感染して全員が発症するわけではなく「症状がない」もしくは「症状が軽い」ことで感染に気付かない場合もあります。
特有の薬はありませんので対処療法になりますが、2~7日続いた後に治り、予後は比較的良好だといわれています。
病気自体重いものではないようですが、妊婦が感染した場合は胎児に影響を与えることがあります。
まだ科学的に証明されたわけではありませんが、ブラジルでは感染した母親から「小頭症」の子どもが生まれていることが判明しています。
脳の発達が遅れる病気で、2015年11月以降、ブラジルでは疑い例も含め4,000人以上の報告があるといわれています。
日本でもジカウイルス感染症が広がる中南米地域へは、妊婦が渡航を控えるよう注意喚起を行っています。
また日本国内で感染した症例はありませんが、海外の流行地で感染し発症した症例は2013年以降3例見つかっています。
ヤブカ属の蚊は日本にも!
現在必要な水際対策
ジカウイルス感染症はヤブカ属の蚊によって媒介されるとお話ししました。
ヤブカ属の蚊には、「ヒトスジシマカ」と「ネッタイシマカ」がいます。
このうち「ヒトスジシマカ」は日本にも生息しており、秋田県及び岩手県以南に広く分布しているということです。
幸い蚊は今の時期は少ないですから、感染しにくい状況であるといえます。
だからこそ、今の間に行える次の3つの水際対策が重要となります。
- ウイルスを国内に入れない
- 蚊を増やさない
- 蚊に刺されない
ウイルスを国内に入れないため、空港の検疫所などでは確認を強化しています。
蚊を増やさないためには、蚊の発生を防ぐよう水たまりを作らないことなども必要です。
個人で行えることもありますし、自治体などが主導し公園や側溝などに水が滞留している場所がないかをチェックすることも大切です。
さらに蚊に刺されないようにするには、「虫よけスプレー」を使う、「長袖長ズボンを着用する」など、個人的な対策も必要になるでしょう。
企業保健師ができるジカ熱対策は?
ジカウイルス感染症について、水際対策について、お話ししてきました。
これらを踏まえたうえで、企業保健師ができるジカ熱対策についてまとめてみました。
- 中南米地区への渡航を控えるよう注意喚起
- 中南米地区への渡航歴がある人を把握し保健指導を行う
- ジカウイルス感染症に関する正しい知識の普及
- 蚊を増やさない、蚊に刺されない対策の指導
などでしょうか。
特に中南米方面に会社があったり、出張が多かったりする企業に勤める企業保健師さんにとって、「ジカ熱対策」は人ごとではありません。
今後も厚生労働省などが発表する情報をいち早くキャッチし、「ジカウイルス感染症対策」に積極的に取り組んでいただければと思います。
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