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【保健師】業界情報メンタルヘルス不調者との向き合い方

2024年03月27日

こんにちは、保健師転職のアポプラス保健師ライターチームです。

産業保健師として働いていると、企業で働く人の様々な健康課題に向き合うことが多いと思います。身体的な体調不良は比較的自覚しやすいですが、「精神的な不調」はなかなか気づきにくいもの。ストレスチェックが義務化になったとはいえ、「チェックはしたもののその先が......」と対策や取り組みについてはまだまだ困惑することも多いのではないでしょうか?

今回は「メンタルヘルス不調者との向き合い方」と題して、産業保健師ができることを考えていこうと思います。

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労働者の8割以上は仕事で強いストレスを感じている

厚生労働省「令和4年労働安全衛生調査」の結果を見てみると、「仕事や職業生活における不安やストレスを感じている」労働者は82.2%となり、前年度の調査結果である53.3%から約1.5倍以上増えていることをご存知でしょうか。ストレス内容としては、全体で見ると上から順に「仕事の量:36.3%」「仕事の失敗・責任の発生等:35.9%」「仕事の質:27.1%」となっています(主なもの3つ以内を選択)。

また、前年度・今年度ともに「対人関係(セクハラ・パワハラ含む)」が4位ですが、割合を見ると「令和3年度:25.7%」に対して「令和4年度:26.2%」と若干ですが上昇していることから、必ずしも対策が功を奏しているというわけではないようです。

さらに「自分の仕事や職業生活でのストレスについて相談できる人がいる」と答えた労働者は91.4%で、その内訳(複数回答あり)は「家族・友人:68.4%」「同僚:68.0%」となっていました。相談相手の選び方は男女比で見ると、男性は「上司」に相談することが最も多く(次いで同僚)、女性は「同僚」が最も多い(次いで家族・友人)ようでした。

企業においても、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は63.4%となっており、前年から4.2%増加しています。取り組み内容として、「ストレスチェックの実施:63.1%」「メンタルヘルス不調の労働者に対する必要な配慮の実施:53.6%」「職場環境等の評価及び改善:51.4%」(複数回答)などがありました。また、ストレスチェックの結果を分析(72.2%)し、その分析結果を活用した割合は80.2%になります。ストレスチェックの分析結果の活用内容で最も多いものは、「残業時間の削減・休暇取得に向けた取り組み:50.4%」でしたが、次いで「相談窓口の設置:47.8%」「上司や同僚に支援を求めやすい環境整備:42.4%」(複数回答)となっていました。

参考:令和4年 労働安全衛生調査(実態調査)結果の概要
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/r04-46-50b.html

メンタルヘルス不調者に対して産業保健師としてできること

仕事でストレスを抱えている人は大半いるという状況ではあるものの、その中で「精神疾患」として診断されているかどうかでさらに対応は変わってくるでしょう。特に昨今は「大人の発達障害」が着目され、今まではっきりわかっていなかったことがどんどん明るみに出ています。こうした中で、普段職場で働いている人がメンタル不調になる理由が、健常者の状態から精神疾患を患ってしまうのか、もともと発達障害が隠れていたことによってメンタルの状態が悪化していったのかでは、解決に向けた対策へのアプローチが変わってくるのではないかと考えます。

「産業保健と看護 2023年6号」(メディカ出版)では、「その人にあった支援を提供したい!」というキャッチコピーのもと、メンタルヘルス面談に関して、精神科医・公認心理師・メンタルヘルスの専門家による面談時のコツについていくつか紹介されていました。

精神科医の先生からは「丁寧な対応」「情報の吟味」「精神症状の見分け方」などが挙げられており、公認心理師の方からは「問題解決の技法」「問題の定義」「目標設定のSMARTルール」などが挙げられていました。さらにメンタルヘルスの専門家からは、認知行動療法の主要な行動技法である「行動活性化技法」がうつ病患者の症状改善に効果的であると紹介しており、前提としての「認知行動療法」の特徴にも細かく触れていました。

丁寧に話を聞くだけではなく、そこからしっかり情報収集し、一緒になって問題解決のためにできること模索していくこと。そのためにも、まず目の前の方の精神症状や精神疾患、発達障害の種類・特徴などをしっかり把握し、行動や思考の特性を観察することも重要ではないかと考えます。

精神症状や精神疾患は同じものでも個人差があります。同じ症状・病名だからといってできることが同等とは限りません。多様性の時代でもあるので、統計的な考え方を持ちつつも、個人の特性を尊重するような視点に立ってできることを模索していくことが大事ではないでしょうか。

参考:産業保健と看護(メディカ出版)
https://store.medica.co.jp/journal/24.html

【まとめ】メンタルヘルス不調者との向き合い方

精神症状・疾患は他の病気と違い治癒という言い方はせず、「寛解」という言い方をすることが多いです。完全に治るという表現を使わないのも特徴です。一旦罹患すれば再発する可能性は高いものですので、保健師としても丁寧な対応を心がけながら心身の調子を見極めつつ、ゆっくり行動変容を促していき、「見守る・支える」スタンスが重要だと考えます。

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