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産業保健師インタビュー③

アポプラスキャリア経由で、転職された保健師の働き方をご紹介します。

ご協力いただいた企業

大東コーポレートサービス株式会社

ご参加いただいた方

  • 健康推進室 保健師:A様
  • 現 健康推進室 室長:B様
  • 前 健康推進室 室長:C様

保健師の経歴

病院勤務を経験後に保健師資格を取得。行政保健師を経て、産業保健師として11年間企業に勤務。転勤をきっかけにアポプラスキャリアへ登録。障がい者雇用にも積極的な大東コーポレートサービス株式会社で健康推進室を立ち上げることを伺い、キャリアを活かせると思い転職。現在に至る。

転職活動と入社理由について

転職活動する中で、大東コーポレートサービスへの入社を決めた理由は何でしょうか?

保健師

前職場に勤め7年経った頃に、自分の働き方に迷いが生じました。従業員の健康に対する意識も変化し、健康診断や過重労働対策等、法律で定められたことは滞りなく対応できている状況となっていて、会社内における保健師の役割について改めて考えるようになりました。ある程度管理職の理解も得られ、従業員のヘルスリテラシーも高まっていて、産業保健師として、この会社でこれから何が必要なのかという迷いがありました。
そのような思いを看護師時代からの恩師に相談したところ、「いったん看護から離れ、違う分野から現在の課題に向き合ってみるのも良いのではないか」とアドバイスを受けました。そこで、大学院進学を決意しました。しかし会社を辞めてまでも進学する勇気はなくて、どうしたものかと悩んでいた時にアドバイスをくださった恩師から働きながら通うことのできる心理学研究科の紹介を受け、受験し、進学することとなりました。
大学院では、臨床心理学や犯罪心理学、社会心理学、産業・組織心理学、発達心理学など幅広い心理学の専門知識と方法論を学びました。学ぶ中で、『自分がやりたいのはここかも!』と障がい者分野への想いが強くなりました。
当時、ちょうど社内異動が重なり、転勤してまでも勤め続けたい思いもなく、さらに現場が好きで、マネジメントを主にやりたいわけではないなど色々な思いもあり、ほかの企業を見てみようと、アポプラスキャリアに登録しました。
すると、早々に、私のキャリアには「大東コーポレートサービスが合っているのではないか」とコンサルタントの方にすすめられたのです。
登録、書類選考通過、決定までとてもスムーズで、通常決まるまでに1~3か月だそうですが、私は1か月以内に内定をいただきました。

会社として、保健師を採用しようと思った理由は何でしょうか?

前健康推進室長

私は親会社の大東建託で人事部の課長だった時、社内に保健師等の専門職がおらず、産業医と私の二人三脚で従業員の健康管理を行なっていました。当時は、資格も知識もない中で、メンタルヘルスの相談など対応しなければならない状況でしたが、従業員の健康管理を組織としてできるようにと会社を説得し、専門職である保健師の採用に繋げ、安全衛生課を設立、健康管理体制を構築しました。
大東コーポレートサービスに出向となってからも専門部署はもちろん専門職がいなかったので、私が従業員個々のメンタルヘルスの相談にのってきました。しかし、従業員と言ってもさまざまな方がいて、自分の対応に限界を感じました。とくに女性従業員の声として、「女性特有の体調変化を(男性である)私に相談しにくい」「どう相談すべきか困っている」という声が何人かから寄せられ、『これでは会社としてだめだ!』と思いました。保健師を採用しようと思った大きなきっかけはこれでした。
ただ、当社の求める保健師は、女性の従業員が全従業員の半数以上おりますので、女性の心身の相談対応が可能で、また特例子会社ですので障がい者のことも理解でき、メンタルヘルス不調者の対応も、もちろん基本的な健康管理もできる、そんなマルチな保健師が必要でした。最初は、保健師は1名体制と思っていましたので、「即戦力で主体的に健康管理全体を考えられる人、『組織としてこういう会社作らなくちゃ』と意見も言ってくれるような保健師じゃないとうちでは無理」と、さらに、企業での保健師経験があり、組織の立ち上げ経験もあり、将来、社内に保健師が増えたときに指導できる人を採用したいとお願いしていました。何人かご紹介いただいた方の経歴を見て、『この方なら一緒にやっていける!』と思い面接させていただきました。

健康推進室の立ち上げについて

健康推進室の開室にあたり工夫した点について教えてください。

保健師

健康推進室の立ち上げは、2社目でした。
1社目は立ち上げといっても、支社の健康推進室の立ち上げでしたので、今回のような保健師の採用も初めてという0からの立ち上げは初めてでした。ですので、最初に健康推進室メンバー3人で『健康推進室のあるべき姿』とは何かを考え、全従業員が参加する総合会議を活用して、前健康推進室長から、全従業員に向けて、「健康推進室はこういう目的を持って皆さんを支援し動いていきますよ」と最初にきちっと仕切ってもらったことがすごくよかったと思っています。
さらに、入社してすぐに健康推進室を開室したのではなく、最初は人事総務課に身を置かせてもらい、そこで会社のこと、従業員のことを学ばせてもらいましたし、従業員に私のことも知ってもらいました。その期間のあったことが、健康推進室の開室がスムーズにいった勝因の一つだと思っています。
そして健康推進室を開室して1年間は、健康推進室メンバー3人で月に2回から3回、1回につき約2時間程度打ち合わせをして、と言っても私が一方的に言いたいことを言わせてもらっていた感じですが、課題の共有と問題解決に向けて検討しました。最初に、ディスカッションできる場、機会を作ったのも大きかったです。

『健康推進室のあるべき姿』とは具体的にどんなことですか?

保健師

『全従業員が気軽に相談でき、健康の観点から従業員の健康の維持・増進をはかり、生産性の向上につなげることができる』です。

入社されてからの立ち上げ期に苦労されたことについて教えてください。

保健師

どこの会社でも、その会社のルールがあると思うのですが、前職とは組織としての話の通し方や、決定権の部分等にかなり違いがありましたので、前健康推進室長や当時人事総務課の次長を兼務していた現健康推進室長が間に入ってくれて、本当に助かりました。

前健康推進室長

最初は、健康推進室メンバーそれぞれの想いにズレも壁もあったと思います。会社として保健師を採用したものの、現状は計画もなく、『こういうのやりたい』という思いしかなくて。誰が何をやるのかとか、どういう基準で考えるのか等、具体的には何も決まっていませんでした。
現在保健師を採用して約3年経ちますが、保健師から『こういうことが必要だ』というのを聞きながら一からすべて作った感じです。
専門職ならではの考えがあり、参考になりました。

業務内容について

今の業務内容について教えてください。

保健師

産業保健師は一人しかいないのですべてやってます。
健康推進室の開室から今まで、どのような取り組みをしてきたか紹介しますね。
当社での健康推進室開室にあたり、あるべき姿を決め、まずは全従業員に周知しました。そして1年目は何か新しいことを積極的に実施するというよりも、法の遵守に努めました。
まずは衛生委員会の体制を整備するところからはじめました。保健師がどのような形で介入できるのが良いのか検討し、結果事務局としての参加とすることによって業務を整理しました。最初は事務局である程度業務を巻き取って「本来こういう形ですよ」というのを衛生委員会メンバーに見せてきましたが、現在は衛生管理者を中心に、メンバーがそれぞれ役割分担をして進めていける形となっております。このような形となるまでに、社長自らが衛生管理者の役割を評価し、衛生管理者は管理職から選任すること、さらに衛生管理者選任手当の創設など会社ごととして考えてくれたことがとても大きかったと思います。
現在は衛生管理者の皆さんには、産業保健スタッフのメンバーとして活躍してもらっています。
次に休職者の復職フローに関しては、もっと具体的に決めておく必要があるだろうと思う部分もあったので、整備をさせていただきました。復職、職場復帰のためのフロー、待遇面の整備などをして、私傷病によってお休みするときに、「こんなフローだよ」という話ができるように。
健康推進室が開室され2年目に入り、健康推進室長が交代しました。そこで、前健康推進室長が部長として着任した事業所をモデル事業所とさせていただき、健康支援体制の構築に向け介入しました。管理職・チーフ会議や職場会議などに参加させてもらい、健康課題を抽出しました。その結果、前健康推進室長を中心として「健康管理チェック表」の作成や「BLSの研修」の実施につながりました。
また、「健康情報取扱規程」の策定が事業者に義務付けられた時期でもありましたので、特例子会社という障がい者が多く働く当社だからこその視点も盛り込み、時間はかかりましたが、健康推進室メンバーで何度も話し合い、策定しました。
今年度は健康推進室が開室され3年目。健康推進室を開室して2年目に健康経営優良法人の認定を取得することができましたので、今年度の衛生管理計画の基本方針として、「健康経営優良法人の認証を継続して取得できる健康職場づくり」という目標を掲げて健康推進室として取り組んでいます。その目標達成に向け、SDGsに関する取り組みの1つではありますが、会社の意識の高まりもあり、『健康経営推進チーム』が発足、稼働しております。そして、離職率の低減という課題に対しても、新入社員全員との面談を今年度から開始しました。

グループ会社や健康保険組合との連携はありますか?

保健師

新型コロナウイルス感染症対策がどこの企業でも苦慮している点だと思いますが、親会社である大東建託の総務部が主管部となってグループを取りまとめ、情報の発信や感染者の取りまとめなどしてくださっております。当社はその情報を活用し、従業員に必要な情報を発信しています。
健康管理に関しては、グループ間をまたぐ人事異動の際のスムーズな健康情報の移行ができ、グループスケールで費用も安価となるということで、親会社が代表で健康管理支援システムを契約し、グループ会社間で費用を按分して使用しています。
特に親会社には保健師が数名おりますので、何か困ったことがあれば相談にのってもらえる関係を築いております。それも私が入社した際に、前健康推進室長が親会社の保健師に私を直接紹介し、顔つなぎしてくださったおかげです。
昨年度からは、特に障がい者領域を専門としている産業・組織心理学の大学院の恩師が、「障がい者ダイバーシティの推進による従業員、組織への影響における組織風土の調整効果」を検討すべく、親会社をはじめグループ会社でフィールドを提供し、アカデミックな視点から視座を受けています。
また、健康保険組合が「グループ会社の健康に携わっている関係者が意見交換できる場」として、「健康管理事業推進委員会」を開催してくださっています。

コロナ禍で従業員の健康管理について工夫していることはありますか?

保健師

特にコロナ禍だからという訳ではないのですが、例えば在宅勤務メインの方、特に障がい者採用の方には、オンラインで朝・夕のミーティングを行う際に、顔出しで参加してもらうようにしてもらっています。
表情を見てもらうことが大切。
私は「気になる」という気付きが大切だと思っていて、気になることができるには、『いつもと違う』という変化に気づくことができるということです。でも普段を知らないと気になることができないので、その人に普段から関心がもてるかが大切だと思ってます。
そして、いつもと違うと気付いた際に声を上げてもらえたならば、健康上の問題なのか、労務上の問題なのか、それともプライベートの問題なのか、保健師が介入し、専門職として見極め、しかるべき支援をすればよいのです。
特に前健康推進室長は、部長という立ち位置で、「これって専門職としてどう思う?」と悩ましい案件があると相談してくださるので、一緒に対応策を考え、役割分担をして早期に対応できていると思います。

前健康推進室長

コロナ禍だからという訳ではなく、普段から障がい者の中には、自身の体調変化になかなか気づけない人もいます。
きちんと「今の状態がわかるのが大事だよね」というので「健康管理チェック表」を作って活用しています。「健康管理チェック表」には今の体調や、食事の状態から睡眠時間、体温、などを紙に書くことによってなかなか自分からは気付けない・伝えにくい不調を書いてもらい、管理者が毎日チェックできるようにしてます。
本人に書いてもらうことが負担にならない様に、簡単なチェックシートにして「知ってもらいたい事などを書いて」と言ってます。そうすることによって、ちょっとした変化が書かれていたりします。例えば、「昨日の夜こういうことがあり、今日は気分が重いです」って書いてあれば、「これどういうこと?」って声をかけたりしています。
「健康管理チェック表」は最終的には部長の私のところに集約されます。まず現場のリーダーがチェックするのですが、気になる事が書かれていたならば自分も「これってどういうこと」とリーダーに確認して、分からないのなら本人に直接確認してもらって、気になる感度を上げてもらうように指導をしています

コロナ禍特有の取り組みや成果はありますか。

保健師

もともと当社は在宅勤務をコロナ禍前から進めていました。特にコロナ禍特有の取り組みとして意識しているわけではありませんが、在宅勤務に伴うコミュニケーション不足などに関して管理職の方々が対応してくださっています。ストレスチェックの結果も、昨年度の集団分析結果では、在宅勤務の方の高ストレス者は少なかったですし、今年度の結果では、高ストレス者の割合が昨年度に比べて3ポイント程減っていました。『コロナ禍だから』と特別視していることは無く、その時々の健康課題に向き合い対応している感じです。
また、現健康推進室長が、新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた際に「正しく恐れる」ことによって正しい行動をとることができる、ということを教えてくださったことで、どのようなタイミングでどのレベルの知識を提供したらよいのかを考え、社内報や衛生委員会などで情報提供を行なっています。同居家族に新型コロナウイルス陽性と判定された従業員は数名おりますが、まだ当社従業員から陽性者が発生していないのは、日々の取り組みの成果でしょうか。(取材時時点)。

今後について

今後の目指す方向性について教えてください。

保健師

『せっかく縁があって一緒に働くことができたのだから、健康の側面から支援することで、最高のパフォーマンスを発揮してもらい、達成感を共有し一緒に前に進みたい』という思いだけです。

現健康推進室長

究極は『健康推進室という部署の役割がなくなるのが一番いい』と思っています。会社制度や仕組みで社員に強制的に健康を維持させるのではなく、みんなが自分の心身の健康を自然と保ち、健康を意識せずとも健康を維持するようにしている、いきいきと働き続けられる職場をつくっていきたいと思っています。

アポプラスキャリアを利用してみての感想を教えてください。

保健師

派遣で、ここまでフォローしてもらえるとは思っていませんでした。
面接のときも「(一人で)行ってきて」ということではなくて、きちんと一緒に会社を訪問し、先方にあいさつをして、顔つなぎしてくださいました。
また、派遣期間が終わり正社員として雇用されて手が離れても、何かあったときに相談できる関係を築いてくれて、実際に相談したこともあり、心強い存在です。

前健康推進室長

立ち上げに向けて、『こういうことをやりたい』という要望も多かったと思うのですが、親身になって一緒に考えてもらえ、そして対応がはやかったです。
私の想いや、いろんな条件をとりこんで人選いただけたと思っております。
急ぎのお願いに的確に対応いただきありがたかったです。

インタビューは以上となります。ご協力いただき、ありがとうございました。

会社名 大東コーポレートサービス株式会社
設立 2005年5月6日
本社 東京都品川区東品川二丁目2番8号
事業所展開 5事業所
従業員数 404名(うち障がい者94名)2021年4月1日現在
事業内容 大東建託及びグループ会社からの事務作業の受託、 シェアードサービス、名刺作製、看板製作、チラシ・パンフレット等の印刷、図面製本、メールセンターの運営管理 他

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