【保健師】業界情報保健師国家試験の効率的な勉強方法5ステップ|合格率・出題範囲・スケジュール例付き
更新日:2026年05月15日

こんにちは、保健師転職のアポプラス保健師編集部です。
保健師は、社会で暮らす人々が健康を維持できるよう、保健活動にて予防をサポートし、未病対策をおこなう役割を担っています。病気や疾患を治療・手当てする医師や看護師とは異なり、病気や疾患が発症する前に健康に関する指導やアドバイスをおこなう仕事です。
病院だけではなく、市区町村の保健センターや保健所、一般企業、学校などでも活躍する保健師ですが、働くためにはどのような資格が必要か知らない方も多いでしょう。
本記事では、保健師になるために必要な国家資格の種類や試験の概要を紹介するとともに、合格に向けた勉強方法をアドバイスします。保健師として働きたい、看護師から保健師に転職したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
※本記事は令和7年4月現在の情報をもとに作成しております。
【この記事からわかること】
- 看護師免許と保健師免許の関係や必要な試験の違いがわかり、自分がどのルートで受験を目指すべきか整理できる
- 試験日程、合格基準、出題範囲、勉強方法がわかり、限られた時間でも優先順位をつけて合格対策を進められる
- 行政保健師や産業保健師まで見据えた進路がわかり、合格後の働き方を具体的にイメージしながら学習できる
目次
- 保健師国家試験に合格するには?必要な資格と全体の流れを整理
- 保健師国家試験・看護師国家試験の違いと試験概要
- 保健師国家試験の勉強方法【基本の進め方5ステップ】
- 保健師国家試験の勉強方法で陥りやすい失敗パターンと対策
- 先輩保健師の合格体験談|勉強方法の工夫と就職までの道のり
- 保健師国家試験の勉強・受験に関するよくある質問
- まとめ|保健師国家試験の勉強方法を早めに固めて、合格とキャリアを見据えよう
保健師国家試験に合格するには?必要な資格と全体の流れを整理
保健師として働くためには、看護師免許と保健師免許の2つの国家資格が必要です。保健師は、健康相談や生活指導を行うだけでなく、地域住民や従業員の健康課題を把握し、必要に応じて受診勧奨や医療・福祉・行政との連携につなげる役割も担います。そのため、予防や公衆衛生の視点に加えて、看護職としての基礎知識と判断力も欠かせません。
「保健師を目指すには、まず何の資格が必要なのか」「看護師免許を取ったあとに保健師を目指すのか、それとも在学中に同時に受験資格を得るのか」など、進路の考え方に迷う方も多いでしょう。保健師を目指すルートはいくつかあり、学ぶ期間や学習負担、進み方に違いがあります。
ここでは、保健師になるために必要な資格の種類と、それぞれの取得ルートを整理します。自分にはどの資格が必要なのか、どの進学ルートが合っているのかを考えながら確認していきましょう。
看護師免許
看護師免許は、大学や短期大学、看護師養成所などの専門教育機関に3年以上通学し、国家試験受験資格を取得して、国家試験に合格すると取得できます。看護師になるための中学校を卒業してからの進学方法は、いくつかのパターンにわけられます。
- 中学校卒業後、高等学校・高等学校専攻科一貫教育校に5年通学し、看護師国家試験を受ける
- 高等学校卒業後、3年制の看護師養成所に通学し、看護師国家試験を受ける
- 高等学校卒業後、3年制の看護短期大学に通学し、看護師国家試験を受ける
- 高等学校卒業後、4年制の看護大学に通学し、看護師国家試験を受ける
- 中学校卒業後、高等学校衛生看護科に3年通学し、准看護師試験を受けた後、看護師学校養成所に2年通学し、看護師国家試験を受ける
- 中学校卒業後、准看護師養成所に2年通学し、准看護師試験を受けた後、看護師学校養成所に2年通学し、看護師国家試験を受ける
看護師国家試験の受験資格を得るためには、厚生労働省と文部科学省が指定する教育カリキュラムを修了しなければなりません。なお、2年制の看護学科やコースで目指せるのは准看護師のみのため注意しましょう。
どのルートが適しているかは、人によって異なります。できるだけ早く看護師資格の取得を目指したいのか、大学で幅広く学びたいのか、将来的に保健師などほかの資格取得も視野に入れるのかによって、選ぶべき進路は変わります。学習期間や学費、生活スタイル、卒業後の進路まで含めて、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
保健師免許
保健師免許は、看護師免許を取得した後に保健師養成学校に通学し、国家試験を受けて取得する方法が一般的でした。しかし最近では、看護師免許と保健師免許の受験資格を同時に取得できる4年制の大学や専門学校が増えてきています。
保健師免許を取得するまでの流れは以下の通りです。
- 看護師養成課程に通い看護師免許を取得した後、1年制の保健師養成学校に通学し、保健師国家試験を受ける
- 看護師養成課程に通い看護師免許を取得した後、看護系大学保健師養成課程に3年次から編入し、保健師国家試験を受ける
- 保健師・看護師統合カリキュラムのある大学や4年制専門学校に通学し、看護師国家試験と保健師国家試験をダブル受験する
最短ルートは、看護師国家試験と保健師国家試験を同時に受けられる統合カリキュラムのある学校に進む方法です。ただし、看護師国家試験の広い出題範囲を押さえながら、保健師国家試験で問われる範囲を並行して対策しなければならず、学習の負担は軽くありません。
また、保健師国家試験に合格しても、看護師国家試験に不合格であれば保健師免許は取得できません。合格率だけを見ると受かりやすい印象を持つかもしれませんが、実際には2つの国家試験をバランスよく仕上げる必要があるため、計画的な学習が必要です。
最短で資格取得を目指したい方にはダブル受験が向いていますが、1つずつ着実に試験対策を進めたい方や、看護師国家試験の基礎を固めてから保健師を目指したい方には、看護師免許取得後に保健師養成課程へ進むルートがおすすめです。
保健師になるための資格がわかったところで、次は実際に受ける試験の内容や違いを確認していきましょう。
保健師国家試験・看護師国家試験の違いと試験概要
看護師国家試験と保健師国家試験は、どちらも厚生労働省が所管する国家試験ですが、受験資格や出題内容、免許取得後に担う役割には違いがあります。2つの違いは、単に試験の説明として知っておくだけでなく、どの科目にどれだけ時間をかけるべきか、看護師国家試験と保健師国家試験をどう両立して対策するかを考えるうえでも重要です。
たとえば、看護師国家試験は出題範囲が広いため、まずは必修問題を落とさず、頻出分野を広く押さえる勉強が求められます。一方、保健師国家試験は公衆衛生看護学、疫学、保健統計学、法規・行政などに範囲が絞られる分、知識を関連づけながら深く理解し、優先順位を判断する力まで仕上げる必要があります。さらに、行政保健師を目指す場合は、国家試験に加えて地方公務員試験の対策も必要になります。
ここでは、こうした違いを踏まえて、看護師国家試験と保健師国家試験の概要を整理します。それぞれの試験で何が問われるのかを把握しながら、自分がどの試験にどのように時間を配分すべきかを考える土台にしていきましょう。
| 看護師国家試験 | 保健師国家試験 | 共通点 | |
|---|---|---|---|
| 目的 | 看護師免許を取得するための試験 | 保健師免許を取得するための試験 | どちらも国家資格を取得するための試験です |
| 受験資格 | 看護師養成課程を修了し、受験資格を満たす必要があります | 看護師免許の取得見込みまたは取得済みで、保健師養成課程を修了する必要があります | 指定された教育課程の修了が必要です |
| 試験内容 | 基礎看護学、成人看護学、小児看護学、母性看護学、精神看護学など幅広い看護分野が出題されます | 公衆衛生看護学、疫学、保健統計学、保健医療福祉行政論などが中心です | どちらも専門知識と実践力を問う内容です |
| 出題数 | 必修問題50問 一般問題130問 状況設定問題60問 |
一般問題75問 状況設定問題35問 |
いずれも選択式を中心に出題されます |
| 試験時間 | 午前・午後に分かれて実施され、試験時間は長めです | 午前・午後に分かれますが、看護師国家試験より短めです | どちらも毎年2月ごろに実施されます |
| 合格基準 | 必修問題で80%以上の正答が必要で、一般・状況設定問題は毎年基準が変動します | 総得点で合格基準を満たす必要があり、採点除外問題によって変動します | 毎年の出題難易度に応じて合格基準が調整されることがあります |
| 合格後にできること | 看護師として病院や施設などで療養上の世話や診療補助を行えます | 保健師として保健所、自治体、企業、学校などで保健指導や健康支援を行えます | どちらも人々の健康を支える専門職として働けます |
| 関係性 | 看護師として働くための基本資格です | 保健師として働くには、保健師免許に加えて看護師免許も必要です | 保健師を目指す場合は、両方の試験対策が重要です |
看護師国家試験は、看護の基礎から各領域まで幅広く問われるため、まずは必修問題で確実に得点できる土台づくりと、頻出分野を広く押さえる学習が欠かせません。一方、保健師国家試験は出題範囲が公衆衛生や地域保健、疫学、保健統計、法規・行政に絞られる分、それぞれの論点を関連づけて理解し、最新の制度改正や統計データまで含めて精度高く押さえることが重要です。
そのため、保健師を目指す方は、看護師国家試験では「広く落とさない」勉強、保健師国家試験では「狭く深く仕上げる」勉強を意識すると、学習の優先順位が立てやすくなります。特にダブル受験の場合は、まず看護師国家試験の必修問題や主要科目を固めたうえで、保健師国家試験で差がつきやすい疫学・保健統計・公衆衛生看護学を計画的に積み上げることが、効率よく合格を目指すポイントです。
なお、どちらも合格率だけを見ると高く見える試験ですが、受験者の多くは指定課程で学んできたうえで受験しており、十分な対策なしで合格できる試験というわけではありません。特に、看護師国家試験は出題範囲が広く、保健師国家試験は公衆衛生や統計、法規・行政などの理解が求められるため、計画的な学習が必要です。
このあとでは、まず看護師国家試験と保健師国家試験について、それぞれの出題科目や日程、合格率、つまずきやすいポイントを整理します。あわせて、行政保健師を目指す場合に必要な地方公務員試験、産業保健師を目指す場合に求められやすい経験や視点も確認していきます。自分がどの進路を目指すのかを意識しながら読み進めることで、今後どの試験対策に力を入れるべきか、より具体的にイメージしやすくなるでしょう。
看護師国家試験の出題科目・日程・合格率
看護師国家試験は、看護師の免許を取得するために受ける必要がある試験で、毎年2月中旬ごろに実施されています。国家試験は、受験資格をもつ人たちが看護師として働くために必要な最低限の知識を備えているかチェックするのが目的です。
受験科目は11科目あり、厚生労働省の看護国家試験出題基準に基づいて問題が作成されています。
- 人体の構造と機能
- 疾病の成り立ちと回復の促進
- 健康支援と社会保障制度
- 基礎看護学
- 成人看護学
- 老年看護学
- 小児看護学
- 母性看護学
- 精神看護学
- 在宅看護論
- 看護の統合と実践
なかでもつまずきやすいのは、出題範囲が広い成人看護学や、在宅看護論および看護の統合と実践、さらに複数の情報を整理して判断する状況設定問題です。疾患ごとの特徴や看護の流れを整理しきれていないと、選択肢を絞りきれず失点しやすくなります。また、必修問題は基礎的な内容が中心である一方、取りこぼしがそのまま合否に影響しやすいため、軽視できません。
合格を目指すうえで重視したいのは、必修問題で安定して点を取り、そのうえで頻出分野を繰り返し復習することです。特に、正解の選択肢だけを覚えるのではなく、「なぜ他の選択肢は誤りなのか」まで確認しながら学ぶと、状況設定問題にも対応しやすくなります。広い範囲を一度で完璧にしようとするよりも、過去問や模試で間違えた分野を絞って反復するほうが、得点につながりやすいでしょう。
出題数は、必修問題が50問、一般問題が130問、状況設定問題が60問です。合計240問が出題され、すべて選択問題や数字で回答する問題となっています。一般問題と状況設定問題は毎年ボーダーラインが変わりますが、必修問題は必ず80%以上の正答率を取らなければいけないため、注意しましょう。
看護師国家試験の受験資格
看護師国家試験の受験資格は以下の通りです。
- 文部科学大臣が指定する大学にて看護師になるために必要な学科を履修し卒業する
- 文部科学大臣が指定する学校で3年間以上看護師になるために必要な学科を履修し卒業する
- 都道府県知事が指定する看護師養成所を卒業する
- 准看護師免許を取得してから3年以上業務に従事する
- 准看護師免許を取得してから指定大学や指定学校もしくは養成所で2年以上修業する
試験を受けるための手続きでは、指定学校を卒業していることがわかる証明書を提出する必要があります。
看護師国家試験の概要
ここでは、看護師国家試験の概要を紹介します。
| 試験日程 | 毎年2月中旬ごろ |
|---|---|
| 合格発表 | 毎年3月ごろ |
| 試験時間 | 午前:9:50~12:30(2時間40分) 午後:14:20~17:00(2時間40分) |
また試験の問題数と配点は以下の通りです。
| 設問数 | 配点/1問 | ボーダーライン | |
|---|---|---|---|
| 必修問題 | 50問 | 1点 | 80%以上の正答率 |
| 一般問題 | 130問 | 1点 | 毎年変動 およそ65~70%の正答率 |
| 状況設定問題 | 60問 | 2点 |
合格率は、例年90%前後を推移しています。10人中9人ほどが受かる試験で、合格率は高いといえるでしょう。
保健師国家試験の出題科目・日程・合格率
保健師国家試験は、保健師の免許を取得するために受ける必要がある試験で、毎年2月中旬ごろに実施されています。国家試験は、受験者が保健師として働くために必要な知識を十分に備えているかを確認するためにおこなわれる試験です。受験科目は4つあり、出題は一般問題75問・状況設定問題35問にわかれています。保健師国家試験の受験科目は以下の通りです。
- 公衆衛生看護学
- 疫学
- 保健統計学
- 保健医療福祉行政論
なかでもつまずきやすいのは、疫学・保健統計学・保健医療福祉行政論です。疫学や保健統計学は、指標や計算の意味を理解せずに用語だけを暗記すると、少し問われ方が変わっただけで対応しにくくなります。また、保健医療福祉行政論は、制度や法律、保健事業の目的と対象を整理して覚えていないと、似た内容を混同しやすい科目です。
合格を目指すうえで重視したいのは、科目ごとに知識を切り離して覚えるのではなく、公衆衛生看護学を軸にしながら、疫学・統計・法規を関連づけて理解することです。特に状況設定問題では、単なる知識の暗記ではなく、対象者の状況を踏まえて何を優先するかを判断する力が求められます。
過去問を解く際も、正解だけを覚えるのではなく、「なぜその対応が適切なのか」「ほかの選択肢はなぜ違うのか」まで確認しながら学習を進めることが大切です。
保健師国家試験の受験資格
保健師国家試験の受験資格は以下の通りです。
- 看護師免許を取得しており、保健師養成コースで1年以上学び卒業もしくは卒業見込みである
- 4年制の学校で保健師養成課程を修了している
保健師養成課程と看護師養成課程の統合カリキュラムを採用している学校を卒業すれば、保健師と看護師の国家試験を同時に受験できます。
保健師国家試験の概要
ここでは、保健師国家試験の概要を紹介します。
| 試験日程 | 毎年2月中旬ごろ |
|---|---|
| 合格発表 | 毎年3月ごろ |
| 試験時間 | 午前:10:45~12:00(1時間15分) 午後:13:55~15:15(1時間20分) |
また試験の問題数と配点は以下の通りです。
| 設問数 | 配点/1問 | ボーダーライン | |
|---|---|---|---|
| 一般問題 | 75問 | 1点 | 145点満点中87点以上で合格 ※採点除外問題の数によって変動あり |
| 状況設定問題 | 35問 | 2点 |
合格率は、例年80~95%前後を推移しています。10人中8~9人ほどが受かる試験で、合格率は高いといえるでしょう。
行政保健師を目指す人が受ける地方公務員試験
行政保健師として働きたい場合、看護師国家試験・保健師国家試験に加えて、保健師の公務員試験を受験する必要があります。行政保健師とは、保健センターや保健所、地域包括支援センターなどの公的機関で公務員として働く保健師です。行政保健師は、地域住民が病気やけがをしないよう予防治療の専門家として、健康検診や病気に対する知識を広める役割があります。
保健師の公務員試験には、筆記試験がおこなわれる1次試験と面接・小論文が課せられる2次試験があります。地方公務員試験は、毎年5月ごろに実施されますが、詳細な日程は希望する自治体の公務員試験によって異なるため、事前に各自治体のWebサイトで確認しましょう。
また公務員試験では、市町村・都道府県問わず必ず教養試験があります。学校で学ぶ国語や数学、社会、物理などの一般知識が問われる問題です。国語や英語は文章問題、社会は法律や政治経済、数学はパズル要素をもつ問題など、幅広い分野から出題されるため、看護師や保健師の試験勉強とあわせて教養試験の対策もおこなう必要があります。
近年の行政保健師の試験では、一般的な公務員知識だけでなく、保健師ならではの視点で地域課題を捉えられるかが問われやすい傾向があります。特に押さえておきたいのは、次のような論点です。
- 母子保健
- 児童虐待予防
- 感染症対策
- 認知症施策
- 精神保健
- 自殺対策
- 生活習慣病予防
- 地域包括ケア
- 多職種連携
単に制度名や法律を暗記するだけではなく、「地域でどのような課題が起きやすいか」「どの関係機関と連携し、どう支援につなげるか」まで説明できるようにしておくことが大切です。
また、最近の出題では、予防接種や健康増進、虐待対応、特定妊婦支援、認知症、感染症、自殺対策など、公衆衛生上の課題を自治体保健師の立場でどう考え、どう行動するかを問う内容が目立ちます。そのため、小論文や面接の対策では、時事的なテーマを知るだけでなく、地域課題の把握、対象者への支援、多職種との連携、事業化や継続支援まで含めて、自分の言葉で整理しておくと対応しやすくなるでしょう。
また、小論文では保健師と関連性の高い時事問題がテーマになるケースが多く、過去には食育や虐待についてのテーマが出題されています。面接でも時事問題について質問される場合が多いため、保健師がかかわる分野のニュースをチェックしておくようにしましょう。
特に、地域包括ケア、虐待対応、多職種連携といった論点は、小論文や面接で「知っているか」だけでなく、「行政保健師としてどう動くか」まで問われます。たとえば小論文では、地域課題をどう把握するか、どの対象を優先して支援するか、医療機関・福祉職・学校・児童相談所・地域包括支援センターなどとどう連携するか、といった流れで考えを整理する力が見られます。
面接では「虐待が疑われる家庭にどう対応するか」「高齢者支援で多職種連携が必要な場面をどう考えるか」など、現場を想定した質問につながることがあります。そのため、制度名や施策名を覚えるだけでなく、地域課題の把握、アセスメント、関係機関との連携、継続支援までを一連の流れで説明できるように準備しておきましょう。
産業保健師を目指す場合に求められやすい経験・資格
産業保健師とは、主に企業に所属し、健康診断や健康相談、保健指導など、従業員の健康管理をサポートする保健師のことを指します。従業員が健康に長く働けるようにすることで、企業の生産性の向上に貢献できます。産業保健師として働きたい場合、看護師国家試験・保健師国家試験のほかに、必ず取得しなければならない資格はありません。
しかし、必須の資格がほかにない一方で、一定年数以上の臨床経験を条件としている企業が多い傾向にあります。たとえば、「看護師として3〜5年以上の臨床経験」を応募条件としている求人は少なくありません。ただし、すべての企業で臨床経験が求められるわけではなく、企業の体制や業務内容によって求められる経験は異なります。
実務の内容は、企業規模によっても違いがあります。大企業では、健康診断後のフォロー、休職・復職支援、ストレスチェック後の対応、産業医との連携など、業務が細かく分かれていることがあり、メンタルヘルス対応の比重が高い職場も少なくありません。
一方で、中小企業では、保健指導や健康相談に加えて、労務担当者や人事担当者との調整、衛生委員会に関する業務、健康経営の施策運用などを幅広く担うこともあります。そのため、産業保健師を目指す際は、資格や経験年数だけでなく、自分がどのような役割を担いたいのかも意識して求人を見ることが大切です。
産業保健師は事務作業も多くおこなうため、ワードやエクセルなどの基本的なパソコンスキルを身につけておくと、仕事に早く慣れることができるでしょう。また、産業保健師は非常に人気が高い職業であるため、「産業カウンセラー」などの資格を取得しておくと、他の志望者と差をつけることができます。
さらに、産業保健師として長く働くうえで重要なのは、医療知識だけではありません。実務では、健康診断後の保健指導、長時間労働者への面談など、相手や場面に応じて役割を切り替える力が求められます。そのため、次のような能力が欠かせません。
- 従業員の話を丁寧に聞きながら健康課題の背景を整理する面談力
- 産業医・人事・労務・管理職と連携しながら支援方針を調整する連携力
- 健康診断結果や面談内容を踏まえて必要な対応を組み立てるアセスメント力
特にメンタルヘルス対応では、本人の訴えを受け止めるだけでなく、就業状況や職場環境、再発防止まで見据えて支援を考える必要があります。また、健康経営や職場全体の予防施策に関わる場面では、個別対応の経験をもとに組織の課題を読み取り、施策として提案する視点も重要です。
試験の概要を把握したら、次は合格に向けてどのように勉強を進めればよいかを見ていきましょう。
保健師国家試験の勉強方法【基本の進め方5ステップ】
保健師国家試験に合格するには、出題傾向に合った方法で進めることが大切です。特に保健師国家試験は、公衆衛生看護学、疫学、保健統計学、保健医療福祉行政論など、単語だけ覚えても得点につながりにくい分野が多く、知識を関連づけながら理解する力が求められます。そのため、勉強量を増やすことだけでなく、「何をどう繰り返すか」を早い段階で決めておくことが合格への近道になります。
勉強を進めるうえで基本になるのは、同じ問題集や過去問を使って、自分が理解できている問題と、理解があいまいな問題を見分けることです。同じ教材を繰り返すと、頻出テーマや出題パターンが見えやすくなるうえ、自分が毎回つまずく分野も把握しやすくなります。正解を覚えることよりも、「なぜその選択肢が正しいのか」「なぜほかは違うのか」を確認しながら解くことで、初見の問題にも対応しやすくなります。
また、保健師国家試験では、疫学や保健統計学、法規・制度のように、短時間でも反復しやすい分野があります。まとまった勉強時間が取りにくい時期でも、アプリや過去問を活用すれば、通勤・通学時間やちょっとした空き時間を使って知識を積み上げることができます。特に実習や就職活動と並行して勉強する方にとっては、机に向かう時間だけに頼らず、日常の中で反復回数を増やす工夫が重要です。
このあとでは、合格から逆算した学習スケジュールの立て方、看護師国家試験との両立方法、過去問題集の使い方、模試やグループ学習の活用法、最新の法改正や統計データの押さえ方を、5つのステップに分けて解説します。自分に足りない勉強の進め方を確認しながら、無理のない形で合格に近づく方法を整理していきましょう。
合格から逆算した学習スケジュールを立てる
保健師国家試験の勉強は、試験本番から逆算して計画的に進めることが大切です。最終学年は、臨地実習や卒業研究、就職活動などが重なり、思うように勉強時間を確保できない時期も少なくありません。行き当たりばったりで進めてしまうと、試験直前に焦りやすくなるため、早い段階で学習スケジュールを立てておきましょう。
まずは、いつまでに過去問を何周するのか、模試の復習にどれくらい時間を使うのかといった目安を決め、月単位・週単位で学習計画に落とし込んでいくのがおすすめです。やるべきことを具体的にしておくことで、今の自分に何が足りていないのかが見えやすくなり、効率よく勉強を進められます。
予定通りに進まない日があることも前提にして、あらかじめ予備日を組み込んでおくことも大切です。実習や学校行事で疲れた日があっても、計画に余白があれば必要以上に焦らず、気持ちにゆとりを持って学習を継続できます。学校の授業や実習と両立しながら無理なく勉強を続けるためにも、自分の生活リズムに合った現実的なスケジュールを立てることが合格への近道です。
看護師国家試験と両立しながら同時対策を進める
保健師を目指す場合は、保健師国家試験だけでなく、看護師国家試験の対策も並行して進める必要があります。保健師国家試験に合格しても、看護師国家試験に合格できなければ保健師免許は取得できないため、まずは土台となる看護師国家試験の必修問題や頻出分野をしっかり固めることが大切です。
また、看護師国家試験と保健師国家試験には、「関係法規」や「社会保障制度」など共通して学ぶ分野があります。こうした内容は別々に覚えるのではなく、関連づけながら横断的に学ぶことで、知識が整理しやすくなり、理解も深まりやすくなります。
勉強を進める際は、1日の中で看護師国家試験と保健師国家試験に取り組む時間を分けたり、時期によって学習の比重を調整したりしながら、自分に合った進め方を見つけることが大切です。無理のないバランスで両方の対策を続けることが、合格への近道といえるでしょう。
過去問題集を繰り返し解いて出題傾向を掴む
保健師国家試験の対策では、過去問題集を繰り返し解いて出題傾向を把握することが大切です。国家試験では、重要なポイントが表現を変えながら繰り返し出題されるため、まずは最低でも過去5年分、できれば10年分の過去問に取り組むとよいでしょう。過去問を重ねて解くことで、よく出るテーマや問われやすい考え方が見えてきます。
学習を進める際は、正解の選択肢だけを覚えるのではなく、間違えた選択肢がなぜ誤りなのかまで確認することが重要です。解説を読み込み、関連する知識まであわせて理解することで、初めて見る問題にも対応しやすくなります。
さらに、何度も間違える分野は苦手領域として整理し、重点的に復習することが大切です。苦手分野をそのままにせず、繰り返し見直していくことで得点の底上げにつながります。得意分野を増やしながら苦手分野を減らしていくことが、合格ラインを安定して超えるための近道です。
模試やグループ学習の活用で理解を深める
保健師国家試験の対策では、模試やグループ学習を上手に活用することも大切です。模試を受けることで、現在の実力や苦手分野を客観的に把握しやすくなり、本番に向けて何を優先して勉強すべきかが見えやすくなります。結果を確認するだけで終わらせず、間違えた問題や迷った問題を丁寧に復習することで、知識の抜けや理解があいまいな部分を補いやすくなります。
また、グループ学習には、自分では気づきにくい視点を得られるというメリットがあります。友人と問題を出し合ったり、わからない部分を説明し合ったりすることで、知識を整理しながら理解を深めることができます。特に、人に説明できるかどうかは理解度を確認するよい目安になります。
ただし、グループ学習は集まること自体が目的にならないよう注意が必要です。周囲の進み具合に振り回されすぎず、自分に必要な復習や演習を軸にしながら取り入れることで、模試やグループ学習をより効果的な試験対策につなげられるでしょう。
最新の「国民衛生の動向」や法改正・統計データを網羅する
保健師国家試験では、法律や制度、統計データに関する最新情報まで押さえておくことが大切です。保健師は保健福祉行政や社会保障制度に関わる職種であるため、法改正や制度の変更点がそのまま試験問題に反映されることも少なくありません。
そのため、毎年発刊される『国民衛生の動向』などを活用し、主要な死因の推移や出生率、高齢化率といった最新の統計データを確認しておきましょう。こうした情報を正しく理解しておくことは、得点力を高めるうえでも役立ちます。
また、過去問だけで勉強を進めると、法改正前の古い知識を覚えてしまう可能性があります。特に関係法規や統計分野は変化があるため、最新版のテキストや予想問題集もあわせて使い、現在の制度や数値に基づいて学習することが重要です。
効率よく勉強を進めることは大切ですが、やり方を間違えると十分に力を伸ばせないこともあります。次は、受験勉強でよくある失敗例と対策を確認しましょう。
保健師国家試験の勉強方法で陥りやすい失敗パターンと対策
保健師国家試験の勉強では、努力しているつもりでも、やり方を間違えると効率よく得点につなげられないことがあります。特に、看護師国家試験との両立が必要な方は、勉強の優先順位や進め方に悩みやすいでしょう。
たとえば、「気づくと看護師国家試験の勉強ばかりしている」「ノートをきれいにまとめて満足してしまう」「模試の結果が悪いとやる気が落ちる」「法改正や統計の更新まで手が回っていない」と感じる方は、すでにどれかの失敗パターンに当てはまっている可能性があります。自分に近いものがないかを確認しながら読むことで、今の勉強法で見直すべきポイントがわかりやすくなるはずです。
そこでここでは、保健師国家試験の勉強方法で陥りやすい失敗例と、その対策を紹介します。
看護師国家試験の対策ばかりを優先してしまう
保健師を目指す方のなかには、看護師国家試験の不合格を不安に感じるあまり、看護師国家試験の対策ばかりに時間を使ってしまう方も少なくありません。看護師国家試験は出題範囲が広いため、どうしてもそちらを優先したくなりますが、その結果、保健師国家試験の対策が後回しになってしまうことがあります。
特に、勉強の優先順位を自分で組み立てるのが苦手な方や、範囲の広い試験を前にすると焦りやすい方は、この状態に陥りやすい傾向があります。看護師国家試験は目の前の課題として見えやすい一方、保健師国家試験は「あとで何とかしよう」と考えやすいため、気づいたときには十分な対策時間が残っていないこともあります。
しかし、保健師国家試験は直前の詰め込みだけで対応できるほど簡単ではありません。特に、法律や制度、統計分野などは早めに繰り返し学んでおかないと、十分に定着しにくい傾向があります。看護師国家試験には合格できても、保健師国家試験は不合格になるというケースもあるため注意が必要です。
こうした事態を防ぐには、早い段階から保健師国家試験の過去問にも触れ、学習計画のなかに保健師国家試験の勉強時間をあらかじめ組み込んでおくことが大切です。両方の試験をバランスよく対策する意識を持つことが、合格への近道になります。
【対策習慣リスト】
- 週に1〜2回は、保健師国家試験の過去問に触れる日を固定する
- 1週間ごとに、看護師国家試験と保健師国家試験の学習時間を見直す
- 看護師国家試験の勉強後に、保健師国家試験の法規や統計を15〜30分だけでも確認する
古い過去問を使って最新の法改正を見落としてしまう
過去問や参考書をそろえる際に、先輩から譲り受けたものや中古で購入したものを使う方もいるでしょう。費用を抑えられるメリットはありますが、発行年が古い教材をそのまま使うと、法改正や制度変更に対応できないおそれがあります。
このような失敗が起こりやすい背景には、「まずは手元にある教材で始めたい」「先輩が使っていたものなら十分だろう」という心理があります。特に、教材費をなるべく抑えたい方や、何を買えばよいかわからず、とりあえず身近にある教材で進めてしまう方は注意が必要です。勉強を始めた実感は得られても、情報の更新が必要な分野では、それがそのまま遠回りになることがあります。
特に保健師国家試験では、公衆衛生行政や関係法規、統計データなど、最新情報が重要になる分野が多くあります。数年前には正しかった知識が、現在では変更されていることもあるため、古い教材だけに頼るのはリスクが高いといえます。
もちろん、基礎医学など大きく変わりにくい分野の学習には古い教材も活用できます。ただし、関係法規や統計データについては、必ず最新版の参考書や問題集を用意し、『国民衛生の動向』なども活用しながら、最新の正確な情報を確認するようにしましょう。
【対策習慣リスト】
- 教材を使い始める前に、発行年と対応年度を確認する
- 法規・制度・統計分野は、月1回は最新版情報で見直す
- 古い過去問で見つけた数値や制度は、そのまま覚えず最新資料で照合する
完璧主義になりすぎて勉強が進まない
勉強を丁寧に進めたい気持ちが強いあまり、ノートをきれいにまとめることに時間をかけすぎてしまう方もいます。特に、保健師国家試験の勉強は実習や就職活動と並行して進めることが多く、「とりあえずきれいに整理しておけば安心できる」と感じやすい傾向があります。知識が増えるほど不安も大きくなりやすいため、問題を解いて実力を確かめるよりも、見た目を整える作業に時間を使ってしまう方も少なくありません。
このようなタイプは、まじめで責任感が強い方ほど陥りやすい傾向があります。雑に進めることに不安を感じる方や、理解が不十分なまま先に進むのが怖い方は、「まずは完璧に整理してから問題を解こう」と考えがちです。しかし、その安心感が強いほど、実際に得点力を高める演習の時間が削られてしまいます。
色ペンを使って見やすく整理すること自体は悪くありませんが、そこに時間をかけすぎると、肝心の問題演習まで手が回らなくなることがあります。国家試験の勉強で大切なのは、知識をきれいに整理することではなく、実際に問題を解けるようになることです。インプットばかりに偏ってしまうと、理解したつもりでも、本番で正答できないという状況に陥りやすくなります。
効率よく学習を進めるには、ゼロからノートを作り込むのではなく、参考書や問題集に必要な情報を書き込んで一元化する方法がおすすめです。また、スマホアプリやオンライン教材を活用すれば、移動時間や短い空き時間にも問題演習を進めやすくなります。完璧にまとめることよりも、反復して解ける状態を作ることを優先しましょう。
【対策習慣リスト】
- 1回の学習で「まとめる時間」より「問題を解く時間」を長く取る
- 新しくノートを作る前に、今ある教材へ書き込みできないか確認する
- 毎日の勉強の最後に、必ず3〜5問でも演習して終える
模試結果に一喜一憂してモチベーションを落とす
模試の結果が思うように伸びないと、自信を失ってしまうことがあります。判定や順位が気になり、落ち込んで勉強の手が止まってしまう方もいるでしょう。しかし、模試は合否を決めるものではなく、苦手分野や今後の課題を見つけるために受けるものです。
このような失敗は、結果に対して真剣に向き合う人ほど起こりやすいものです。特に、周囲と自分を比べやすい方や、数字で評価されるとそのまま自分の実力だと受け取りやすい方は、模試の結果に必要以上に引っ張られやすくなります。実習や就職活動で余裕がない時期ほど、模試の判定が精神的な負担になりやすい点にも注意が必要です。
一度の模試結果だけで、自分の実力を決めつける必要はありません。大切なのは、点数そのものよりも、どの分野で失点したのか、なぜ間違えたのかを確認することです。知識不足なのか、問題文の読み違いなのかを整理すれば、その後の勉強に活かせます。
模試の結果を見たあとは、できなかった問題を優先して復習し、次回までに何を改善するかを明確にしておきましょう。模試は落ち込むためのものではなく、学習の方向性を見直すための材料として活用することが大切です。
【対策習慣リスト】
- 模試の当日か翌日に、間違えた問題だけ先に見直す
- 結果表を見たら、点数より先に失点分野を3つ書き出す
- 次の模試までに直す課題を1〜2個に絞って取り組む
暗記偏重で理解が追いつかない
保健師国家試験では、法律や制度、統計など暗記が必要な内容も多いため、用語や数値をひたすら覚えようとする方もいます。ただし、意味を十分に理解しないまま暗記だけで進めてしまうと、少し問われ方が変わっただけで対応できなくなることがあります。
これは、試験勉強ではまず暗記量を増やすことが大切だと考えやすいからです。特に、勉強時間が限られていて焦っている方や、短期間で成果を出したい方ほど、「まず覚えることを増やそう」としやすくなります。また、制度や統計の用語は一見すると暗記中心に見えるため、背景や使いどころの理解が後回しになりやすい点も原因のひとつです。
特に状況設定問題では、知識をそのまま思い出すだけでなく、状況に応じて判断する力も求められます。そのため、単純な丸暗記だけでは得点が伸びにくく、応用問題でつまずきやすくなります。
暗記が必要な内容ほど、「なぜその制度があるのか」「どのような場面で使われる知識なのか」といった背景まであわせて理解することが大切です。過去問や模試の解説を読み込み、知識同士のつながりを意識しながら学ぶことで、応用のきく理解につながります。
【対策習慣リスト】
- 用語を覚えるときは、「意味」「目的」「使う場面」をセットで確認する
- 統計や制度は、単語単体ではなく関連するテーマごとに整理する
- 過去問では正解だけでなく、ほかの選択肢が誤りの理由まで確認する
失敗しやすいポイントを知っておくことに加えて、実際に合格した先輩たちの体験を参考にすることも、勉強のヒントになります。次は、国家試験合格と就職までの体験談を紹介します。
先輩保健師の合格体験談|勉強方法の工夫と就職までの道のり
保健師国家試験の勉強では、思うように点数が伸びなかったり、実習や就職活動との両立に悩んだりする方も少なくありません。実際に合格した先輩たちも、最初から順調に進められたわけではなく、それぞれ不安やつまずきを経験しながら自分に合った勉強方法を見つけています。ここでは、保健師国家試験の合格と就職につながった体験談をもとに、勉強の工夫や乗り越え方を紹介します。
実習と試験勉強の両立に苦労しながらも合格を掴んだ体験談
Aさんは、最終学年の臨地実習が始まってから、思うように勉強時間を確保できなくなったといいます。実習が終わって帰宅するころには疲れ切っており、机に向かう気力が出ない日も多く、模試の成績も一時的に落ち込んでしまいました。「看護師国家試験と保健師国家試験の両方に本当に受かるのだろうか」と不安を感じる日が続いたそうです。
そこで意識したのが、まとまった勉強時間が取れなくても、1日もまったく勉強しない日を作らないことでした。通学中の電車や実習の休憩時間にスマホアプリで過去問を解き、短い時間でも知識に触れる習慣を続けたことで、少しずつ焦りが減っていったといいます。
また、睡眠時間を削ると実習に支障が出ると感じ、夜遅くまで勉強するのではなく、朝早く起きて1時間だけ集中して過去問を解く生活に切り替えました。頭がすっきりしている時間帯を活用したことで学習効率が上がり、実習と試験勉強を無理なく両立できるようになったそうです。
【ポイント整理】
- まとまった勉強時間が取れなくても、毎日少しずつ続けることが定着につながる
- 疲れている時期ほど、夜に無理をするより朝の集中時間を活用したほうが続けやすい
- 実習期間は勉強量よりも、学習習慣を切らさないことが重要になる
【当てはまりやすい人】
- 実習や就職活動で机に向かう時間を確保しにくい人
- 疲れやすく、夜に勉強が続かない人
- 「まとまった時間が取れないから勉強できない」と感じやすい人
苦手な「疫学・保健統計」を独自のノート作りで克服した体験談
Bさんは、保健師国家試験のなかでも疫学と保健統計が特に苦手だったと振り返っています。専門用語や計算式がなかなか頭に入らず、模試でもこの分野だけ点数が伸びずに、「自分には保健師国家試験は難しいのではないか」と感じるほど苦手意識が強かったそうです。
そこで、教科書や参考書をただ読み進めるやり方をやめ、有病率と罹患率の違い、相対危険度の考え方などを、自分なりに図や言葉で整理したまとめノートを1冊作りました。語呂合わせや図解を取り入れながら、自分が見てすぐ理解できる形にしたことで、苦手だった内容が少しずつ整理されていったといいます。
このノートは試験直前まで繰り返し見返し、試験当日にも持参して最終確認に使ったそうです。結果として、これまで苦手意識の強かった疫学分野でも落ち着いて問題を解けるようになり、合格につながる手応えを得られたと話しています。
【ポイント整理】
- 疫学や保健統計は、用語を丸暗記するより、自分の言葉や図で整理したほうが理解しやすい
- 苦手分野は広く手を出すより、1冊に絞って繰り返し見返せる形を作ることが有効
- 「見れば思い出せる状態」を作ることが、試験直前の得点力につながる
【当てはまりやすい人】
- 疫学や保健統計に苦手意識が強い人
- 数字や指標が並ぶと混乱しやすい人
- 参考書を読んでも頭に入りにくく、自分なりの整理が必要な人
模試の判定が伸び悩むスランプ時期を乗り越えた体験談
夏以降になると、周囲が成績を伸ばしていく一方で、自分だけ模試の判定が思うように上がらず、焦りを感じる方もいます。Cさんも、過去問を何度解いても模試の判定がCから変わらず、「このままで本当に大丈夫なのか」と強い不安を抱えていたそうです。
その時期は、新しい参考書に次々と手を出したくなる気持ちもあったそうですが、あえてそこは我慢し、今使っている過去問と模試の解説を徹底的に見直す方針に切り替えました。なぜ間違えたのか、どの知識が抜けていたのかを一つずつ確認し、基礎に立ち返って復習を重ねたそうです。
すると、冬が近づくころから知識が少しずつつながり始め、問題文の意図も読み取りやすくなってきました。結果が出ない時期でも焦って勉強法を変えすぎず、自分が選んだ教材を信じて続けたことが、最終的に得点アップにつながったといいます。
【ポイント整理】
- 模試の判定が停滞している時期ほど、新しい教材を増やすより復習の質を高めることが大切
- 成績が伸びる前には、知識がつながり始めるまでの停滞期がある
- 不安な時期でも勉強法を頻繁に変えすぎないことが、結果的に安定した得点につながる
【当てはまりやすい人】
- 模試の判定や順位に気持ちが左右されやすい人
- 成績が伸びないと、すぐに別の教材や勉強法に手を出したくなる人
- 「今のやり方で合っているのか」と不安になりやすい人
勉強法選びの工夫や失敗の体験談
勉強法についても、先輩たちは最初から自分に合うやり方を見つけられたわけではありません。Dさんは、周囲が使っている参考書や勉強法が気になり、次々に新しい教材に手を出してしまった結果、どれも中途半端になってしまった経験があると話しています。教材を増やすほど安心感はありましたが、復習が追いつかず、かえって学習が散漫になってしまったそうです。
そこで途中からは、使う教材を絞り込み、過去問、模試、基礎テキストの3つを中心に学習する形へ切り替えました。わからないところが出てきたときだけ補助的に別の教材を見るようにしたことで、勉強の軸がぶれにくくなり、復習もしやすくなったといいます。
また、自分には合わない勉強法を無理に続けないことも大切だと感じたそうです。書いて覚える方法が合う人もいれば、音声やアプリを使ったほうが覚えやすい人もいます。先輩たちの体験からわかるのは、大切なのは「評判のよい勉強法」をそのまままねすることではなく、自分が続けやすく、理解しやすい方法を見つけることだという点です。
【ポイント整理】
- 教材は増やすほど安心感が出る一方、復習が分散して定着しにくくなる
- 合格しやすい勉強法は1つではなく、自分が継続しやすい方法を見つけることが大切
- 勉強法を選ぶときは、見栄えや評判よりも「続くか」「復習しやすいか」を基準にするとぶれにくい
【当てはまりやすい人】
- 周囲の勉強法やおすすめ教材が気になりやすい人
- 教材を増やすことで安心しやすい人
- 自分に合う勉強法がまだ定まっていない人
体験談から見えてくるのは、合格した人ほど特別な勉強法をしていたわけではなく、自分の弱点や生活リズムに合わせて学習方法を調整していたという点です。まとまった時間が取れない人はスキマ時間を活用し、苦手分野がある人は自分なりに整理し、模試で伸び悩んだ人は新しい教材に逃げず復習を重ねています。
つまり、保健師国家試験の勉強では、誰かの成功体験をそのまま真似することよりも、「自分はどこでつまずきやすいのか」「どのやり方なら継続できるのか」を見極めることが大切です。体験談は読むだけで終わらせるのではなく、自分に近いタイプを見つけ、明日からの勉強にどう取り入れるかまで考えることで、初めて実践的なヒントになります。
ここまで勉強方法や体験談を見てきましたが、試験に向けては細かな疑問も出てくるでしょう。次は、保健師国家試験に関するよくある質問をまとめて紹介します。
保健師国家試験の勉強・受験に関するよくある質問
ここでは、保健師になるために国家試験を受ける人が疑問に感じていることをQ&A形式で回答します。
保健師と看護師の国家試験の違いは何ですか?
保健師と看護師の国家試験は、問題数や出題形式に違いがあります。保健師国家試験で出題されるのは一般問題と状況設定問題の2種類で合計110問、看護師国家試験はこれに必修問題が加わり、合計240問です。
ただし、本質的な違いは出題形式だけではありません。看護師国家試験は、基礎看護学から各領域まで幅広い知識を広く押さえ、必要な知識を正確に使えるかが問われる試験です。一方、保健師国家試験は、公衆衛生看護学、疫学、保健統計学、保健医療福祉行政論をもとに、対象者の状況や地域課題を踏まえて、何を優先し、どのように支援につなげるかを判断する力がより重視されます。
そのため、保健師国家試験では、単純に正誤を見分けるだけでなく、個人への支援にとどまらず、家族、集団、地域まで視野を広げて考える視点が必要です。どの選択肢も一見正しく見える中で、「この場面で保健師として最も優先すべき対応は何か」を考えさせる問題も多く、知識量だけでなく、優先順位判断や公衆衛生の視点が求められる点が大きな違いといえるでしょう。
保健師の公務員試験では何を対策すればよいですか?
公務員試験では、教養試験と専門試験の対策が必要です。教養試験では一般的に学校で習うような国語、数学、社会、英語などの幅広い知識が求められるため、保健師・看護師試験とは別に、自治体が公開している過去問や参考書などで勉強を進めましょう。専門試験は保健師の専門知識が問われるため、保健師国家試験に向けて勉強していれば同時に対策ができます。
疫学や保健統計学が苦手です。どう勉強すれば点につながりますか?
疫学や保健統計学は、単語や計算式を丸暗記するだけでは伸びにくい分野です。有病率と罹患率の違い、相対危険度や寄与危険の意味などを、「この指標は何を見たいときに使うのか」まで含めて整理することが大切です。おすすめなのは、過去問や問題集で間違えた指標を、自分の言葉や図でまとめ直す方法です。数字そのものを覚えるより、意味と使いどころをセットで押さえたほうが、少し問われ方が変わっても対応しやすくなります。
保健師国家試験の過去問は、どのように使うのが効果的ですか?
過去問は、正解を覚えるためではなく、出題の型を理解するために使うのが効果的です。保健師国家試験では、重要なテーマが表現を変えながら繰り返し出題されるため、最低でも過去5年分、できれば10年分を繰り返し解くと傾向が見えやすくなります。その際は、正解した問題も含めて「なぜその選択肢が適切なのか」「他の選択肢はなぜ違うのか」を確認しましょう。
特に状況設定問題では、知識の量だけでなく、優先順位の置き方や判断の筋道を言語化しながら復習することが得点力につながります。
保健師の公務員試験では何を対策すればよいですか?
公務員試験では、教養試験と専門試験の対策が必要です。教養試験では、国語、数学、社会、英語など幅広い一般知識が問われるため、保健師・看護師試験とは別に、自治体が公開している過去問や参考書で対策を進める必要があります。
一方、専門試験は保健師の専門知識が問われるため、保健師国家試験の勉強がそのまま土台になります。さらに、小論文や面接では、地域包括ケア、虐待対応、多職種連携、感染症対策などについて「行政保健師としてどう動くか」が問われやすいため、制度名を覚えるだけでなく、地域課題の把握から支援、連携までを自分の言葉で説明できるようにしておくことが大切です。
【まとめ】保健師国家試験の勉強方法を早めに固めて、合格とキャリアを見据えよう
保健師として地域住民や従業員の健康をサポートする仕事に就きたい方は、看護師免許と保健師免許の2つを取得する必要があります。試験の日程や出題範囲を事前に確認し、早い時期から対策を始めましょう。
行政保健師として働くためには公務員試験を受ける必要があるため、あわせて対策が必要です。産業保健師として働きたい場合、追加で必要な資格はありませんが、関連の資格を取得したりパソコンスキルを身につけたりしておくと、選考の際に有利に働くでしょう。
産業保健師への転職を検討している場合は、アポプラス保健師をご活用ください。保健師分野に特化したコンサルタントが求人探しから選考対策まで一貫してサポートいたします。初めての転職で不安を感じている方は、お気軽にご相談ください。
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