【保健師】業界情報保健師になる最短ルートを解説!具体的なスケジュールと実現のポイント
公開日:2024年07月25日

こんにちは、保健師転職のアポプラス保健師ライターチームです。
保健師は子どもから大人まで、さまざまな人が健やかな生活を送れるように、健康相談に乗ったり生活指導をおこなったりする職業です。多くの人の健康に貢献できるためやりがいのある職業ですが、「資格はどのように取るのだろう」と疑問に思う方もいるでしょう。
今回は保健師になるために必要な資格や最短ルートを各学歴ごとに紹介します。これから保健師を目指す方は、流れやかかる費用に見通しを持って行動に移しましょう。
※本記事は、令和6年7月現在の情報を基に作成しております。
目次
- ・保健師になるために必要な資格
- ・保健師になる最短ルート
- ・保健師になるまでの費用の目安(看護師と保健師の合算)
- ・最短で保健師になるための必須ポイント
- ・まとめ|保健師は計画的に最短で資格取得を目指そう
保健師になるために必要な資格

保健師になるには、「看護師免許」と「保健師免許」両方の取得が求められます。いずれも試験は年1回のみおこなわれます。
看護師免許は看護師国家試験に合格することで取得できます。なお、看護師国家試験は中学や高校を卒業したのちに、所定の教育機関で学ぶことで受験可能になります。看護師になるために学ぶことは大きく分けて2つあり、下記のとおりです。
- 人間や環境、社会のしくみを学ぶ基礎分野
- 基礎看護学や臨床において必要な専門分野
なお、看護系の教育機関には2年制のものも見られますが、こちらは准看護師の資格取得になるため注意が必要です。
保健師免許は、保健師や看護師の総合カリキュラムを設けている大学、もしくは看護師養成課程を扱う専門学校や短期大学で学び、保健師国家試験に合格することで取得できます。
なお、保健師になるには看護師国家試験と保健師国家試験いずれも受験し、合格する必要があります。2つまとめて受験する場合、看護師国家試験が不合格の場合は保健師国家試験に受かったとしても保健師の免許を取得できないため注意しましょう。同時受験が難しい場合は看護師の資格を取得してから保健師免許を段階的に取得する方法もあります。
保健師になる最短ルート

ここからは保健師を目指す方向けに、各学歴ごとの最短ルートを紹介します。保健師の資格取得へのステップは最終学歴や現在のステータスによって変わるため、自分がどこからスタートしたらよいかをチェックしてみましょう。
中卒から保健師になる場合
最終学歴が中学卒業である方が保健師を目指す場合は、最短で5年必要になります。流れとしては下記のとおりです。
- 1.高等学校卒業認定試験(高卒認定試験)に受かる
- 2.3年制看護専門学校
- 3.看護師国家試験に合格、1年の保健師養成課程を修了
- 4.保健師国家試験に合格
まずは専門学校の受験資格を獲得するために、高卒認定試験に受かる必要があります。高卒認定を取得したら専門学校に進みます。専門学校で学び、看護師国家試験に合格したのちに、別途1年間保健師養成課程で学びます。そして、保健師国家試験に合格すると保健師として働けるようになります。
なお、高卒認定を取ってから保健師国家試験合格まで5年で進めようとすると「難易度が高い」と感じることもあるでしょう。その場合は、1年余裕を持って6年で取得を目指す方法もあります。具体的には中卒で入学できる5年一貫看護学校に進学したのち看護師国家試験の合格を目指し、1年の保健師養成課程を修了してから保健師国家試験に合格するといった方法です。
高卒or看護師資格がない場合
次に、高卒もしくは看護資格がない状態から保健師になる方法を紹介します。この場合、最短4年で取得を目指すことになり、以下の2つの方法が考えられます。
保健師課程がある大学・専門学校に入学
1つ目の方法は下記の通りです。
- 1.保健師課程がある大学の看護学部、または看護専門学校に入学
- 2.看護師・保健師の両試験に合格
保健師・看護師の総合カリキュラムを扱っている大学入学を目指しましょう。看護師と保健師の両方の国家資格を同じ年に受験することになるため、学習を計画的に進める必要があります。
保健師課程がない短期大学・専門学校に入学
2つ目の方法は下記の通りです。
- 1.看護師養成課程のある短期大学や専門学校に入学
- 2.看護師国家試験に合格
- 3.1年の保健師養成課程を修了
- 4.保健師国家試験に合格
この場合、1年に1度の試験のため1つの資格取得に集中できます。
看護師資格を持っている場合
看護師資格を保有している方が保健師を目指す方法は下記の通りです。
- 1.保健師養成課程で1年間学ぶ
- 2.保健師国家試験に合格
すでに看護師として働いている方が保健師としても活躍したいと考え、選ぶキャリアといえるでしょう。
最終学歴によって保健師になるまでの道のりや期間は異なります。そのため、これから目指す場合は何年かかるか見通しを持って、教育機関の選択をおこないましょう。
保健師になるまでの費用の目安(看護師と保健師の合算)

ここからは保健師になるまでにかかる学費の目安を紹介します。保健師になるには看護師と保健師の両方の資格が必要なため、専門学校や短期大学、4年制大学などで学ぶ必要がありますが、かかる費用はそれぞれ大きく異なります。各教育機関における費用の目安は下記のとおりです。
教育機関 | かかる費用目安 |
---|---|
5年一貫看護師養成課程 | 200〜450万円 |
専門学校 | 250〜450万円 |
短期大学 | 400〜500万円 |
国公立大学 | 350〜450万円 |
私立大学 | 600〜850万円 |
保健師養成課程 | 100〜200万円 |
それぞれの学歴ごとにかかるおよその目安を見ていきましょう。
中卒から保健師を目指す場合
中卒から保健師を目指す場合にかかる費用相場は下記のとおりです。
5年一貫看護師養成課程 | 200〜450万円 |
保健師養成課程 | 100〜200万円 |
合計 | 300〜650万円 |
なお、中卒から保健師を目指す場合は別途、高卒認定試験を受ける必要があります。こちらは受験費用は4,500円〜8,000円程度ですが、教材を購入したり、通信講座や予備校を利用したりする場合は別途費用がかかります。
高卒or看護師資格がない状態から保健師を目指す場合(4年制大学の場合)
次に、4年間大学に通いながら看護師資格と保健師資格を取得する方法の費用相場を紹介します。
国公立大学もしくは私立大学 | 350〜850万円 |
合計 | 350〜850万円 |
高校を卒業し、4年制大学に入学し看護師資格と保健師資格取得を目指す場合は、大学にかかる費用が主です。国公立大学と私立大学では学費が大きく異なるため、選択は慎重におこないましょう。
なお、大学の場合は奨学金を借りながら学ぶ方法もあります。奨学金は日本学生支援機構が運営するものを主に活用することになり、こちらは一般的に「貸与型」「給付型」というものがあります。
貸与型のものは無利子で借りられる第一種奨学金と、利子がある第二種奨学金にわけられます。現在手元にまとまった資金がない場合は奨学金も検討する必要があります。ただし、貸与型の奨学金は大学を卒業したのちに毎月返還しなければなりません。
参照:独立行政法人日本学生支援機構「奨学金制度の種類と概要」
高卒or看護師資格がない状態から保健師を目指す場合(専門学校と保健師養成課程の場合)
次に、専門学校と保健保健師養成課程を利用する場合の費用を紹介します。
専門学校 | 250〜450万円 |
保健師養成課程 | 100〜200万円 |
合計 | 350〜650万円 |
こちらの方法は4年制大学と比較しやや費用を抑えられる傾向にあります。
看護師資格を保有している場合
すでに看護師資格を保有している方の場合、保健師養成課程に通うのみのため、下記の費用相場になります。
保健師養成課程 | 100〜200万円 |
合計 | 100〜200万円 |
保健師養成課程で学ぶのみであるため、費用の見通しは立てやすいです。
最短で保健師になるための必須ポイント

ここからは最短で保健師を目指すために知っておきたい2つのポイントを紹介します。保健師を目指すには、各教育機関で学びを深める必要があるため、費用面と学業面で見通しを持つ必要があります。
費用の準備
看護師と保健師の資格を取得するには、どの方法でも学費がかかります。なお、いずれも学費は高額になるため、場合によっては補助金や助成金、給付金の制度を活用するのもおすすめです。活用できる制度は日本学生支援機構の奨学金のほか、各自治体で実施している奨学金や助成金などもあげられます。
たとえば、各都道府県において「看護師等修学資金貸与制度」というものがあげられます。看護師や准看護師、保健師などを養成する学校に在学する人が、卒業、資格取得後に指定の医療機関で働く場合に借りられる制度です。
奨学金の月額は都道府県によって異なり、また返済免除制度も設けられています。費用面で不安を抱える場合は、お住まいの自治体で活用できるものがないか確認してみるのもよいでしょう。
学業面の準備
看護師と保健師の資格を取得するには、十分な学習時間の確保も欠かせません。高い専門性に加え、人の命に関わる責任も求められる仕事のため学習時間を確保し、教育機関で学びを深めていく必要があるでしょう。
看護師と保健師の資格は、一度取得すると生涯保有し続けられ、資格所有者しか携われない仕事をおこなえる業務独占資格です。資格を取得するまでの数年間は辛抱強く学習する必要がありますが、獲得した知識は半永久的に活かせます。また、資格を保有するとどの都道府県でも活躍できるため、安定した収入を確保できるメリットもあります。
現在、家事や育児などと並行して資格取得を検討している場合は、家族の理解を得ながら学習時間を確保しましょう。また、お子さんが看護師、保健師の資格を取得しようと考えている場合は学習しやすい環境づくりをおこなうのも重要です。
まとめ|保健師は計画的に最短で資格取得を目指そう
保健師になるには、看護師資格と保健師資格いずれも必要になるため、専門機関での学びが必要になります。資格取得には費用と期間を要するため、事前にお金と学習する環境を整える必要があります。
しかし、時間をかけて学んだ知識は保健師として活躍するために欠かせないものです。これからますます進むであろう少子高齢化に伴う予防医療推進の一翼を担うために、保健師資格取得を目指しましょう。
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