【保健師】業界情報保健師はフルリモート勤務できる?求人の実情と応募条件・働き方を解説
公開日:2025年11月17日

こんにちは、保健師転職のアポプラス保健師ライターチームです。
「産業保健師として働いた経験がないけれど、リモート勤務は可能?」
「子育てと両立しながら、キャリアも積みたい」
「リモートワークも取り入れながら柔軟に働きたい」
「そもそも保健師はフルリモート勤務が可能?」
こうした不安や希望を持つ保健師の方に向けて、本記事では産業保健師のリモート求人の現状や応募条件、必要なスキル、効率的に働くポイントまで詳しく解説します。また、保健師のリモート勤務に関するよくある質問と回答も紹介します。
リモートワークは、通勤時間やストレスを削減、場所を選ばず働けること、そして仕事とプライベートの両立を実現しやすい点から、多くの保健師が希望しています。
この記事を読むことで、「自分がリモートで働ける条件を満たしているのかどうか」や「リモート求人はどのような求人にあるのか」が具体的にイメージできるようになります。リモートでの勤務をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。
【この記事で得られること】
- 産業保健師の「リモート勤務(ハイブリッド)」の実情や業務内容がわかる
- 保健師の在宅ワークの1日の流れがわかる
- リモート勤務するための必要なスキルが理解できる
- リモート求人の探し方や応募時の注意点がイメージできる
目次
- 保健師がリモート勤務できる可能性と主な業務内容
- 産業保健師がリモート勤務しやすい理由と条件
- リモートで働く保健師の仕事内容とキャリアパターン
- 保健師の在宅ワークの1日の流れ
- 保健師リモート求人の最新動向と市場の実態
- 保健師のリモート求人に求められる応募条件とスキル
- リモート勤務を目指すなら「産業保健師」がおすすめ
- 保健師がリモート勤務を実現する2つのアプローチ
- 保健師のリモート勤務でよくある質問
- 保健師が理想の働き方に近づくための次のステップ
保健師がリモート勤務できる可能性と主な業務内容
保健師の業務は、健康相談や面談、職場巡視、健診フォローなど、人と直接関わる業務が多く含まれます。さらに、体調不良者が出た際の初期対応や感染症の発生など、緊急対応への備えも重要です。こうした特性から、完全なフルリモート勤務は現実的に難しいとされています。
しかし新型コロナウイルスの影響により、リモートワークが普及し、保健師もオンラインで行える業務が増加しました。
とはいえ、保健師が「リモート」で働ける求人は非常に限られています。その中でも、産業保健師を中心に、リモートワークを取り入れた働き方が徐々に広がっています。特に、オンライン面談やデスクワーク業務はリモート対応が可能であり、今後もハイブリッド型勤務を導入する企業が増えていくことが予想されます。
一般企業ではリモートを活用した柔軟な勤務形態の導入が進んでおり、産業保健師が担当する多くの業務も、従業員との面談やデスクワークなど、リモートで対応できる内容が増えています。
そのため、産業保健師のリモート求人は今後増加していくことが予想されます。
こうした背景を踏まえ、保健師の勤務先ごとに、どのような業務があり、リモート勤務とどの程度、相性が良いのかを見ていきましょう。
・行政保健師
保健所・保健センター・地域包括支援センターなどで、乳幼児から高齢者まで幅広い地域住民の健康維持・増進に携わります。
・産業保健師
企業内で従業員の健康を守る役割を担い、健康診断やストレスチェック、職場環境改善などを行います。オンライン面談や書類作成など、リモートで対応できる業務が多いのが特徴です。
・学校保健師
生徒や教職員を対象に、体調不良や怪我の応急処置、健康管理、メンタルヘルスケアを担当します。
・病院保健師
病院やクリニックで、患者や健診受診者に対して健康相談や保健指導を行います。これらの業務には、デスクワークや面談など、一部リモート対応が可能なものもあります。
産業保健師がリモート勤務しやすい理由と条件
産業保健師の業務は、リモート化しやすい内容と、リモート化が難しい内容があります。
リモート化がしやすい業務
産業保健師が担当する業務のうち、リモート化しやすいものは以下の通りです。
- ストレスチェック後のフォロー面談
- 健康相談、メンタルヘルス支援
- データ集計・分析、報告書作成
フォロー面談や健康相談、メンタルヘルス支援などは、オンライン面談で対応が可能です。また、データ集計や報告書作成などのデスクワークも、パソコンとデータを取り扱う環境が整えばリモートで実施できるため、リモート化しやすい業務といえます。
ただし、リモート勤務を導入する際にはいくつかの注意点があります。
まず、個人情報を取り扱うため、セキュリティ環境の整備は欠かせません。さらに、オンライン面談では対面に比べて微妙な表情や雰囲気を把握しにくいため、コミュニケーションの工夫が求められます。また、緊急時の対応や職場巡視といった現場でしか行えない業務も残るため、完全なリモート勤務は難しい点を理解しておく必要があります。
リモート化が難しい業務
産業保健師が担当する業務のうち、リモート化が難しいものは以下の通りです。
- 現場巡視
- 衛生委員会への出席
- 職場環境改善の実施
実際の現場に出向いたり、他職種と細かく連携したりする必要がある業務は、リモート化が難しい内容といえます。産業保健師が担当する業務には、こうしたリモート化が難しい業務も含まれるため、フルリモートではなく「週のうち数日出社+在宅」のハイブリッド型勤務が現実的な選択肢として考えられるでしょう。
リモートで働く保健師の仕事内容とキャリアパターン
リモートで働く保健師が担当する主な業務内容は、以下のようなものです。
- 保健指導(オンライン面談)
- 健康相談の対応(電話・チャットなど)
- 産業医連携の補助や従業員フォロー
- Webライター、企業向け健康コンテンツの監修
- 研修会の開催
リモートで働く保健師の多くは、一般企業で産業保健師として勤務していますが、フリーランスや副業として活動する人もいます。
一般企業で働く産業保健師は、正社員やパート、アルバイトなどで企業に直接雇用されて勤務する形態です。
保健指導や健康相談、産業医連携の補助や従業員フォローとして健康診断やストレスチェックに関する業務、健康やメンタルヘルスに関する研修などを担当しています。これらは従来、対面で行っていた業務ですが、現在はオンラインや電話を活用して実施されるケースもあります。
一方、フリーランスや副業として活動する保健師は、企業と業務委託契約を結び、その企業の従業員に対する健康相談やメンタルヘルス支援を担当するケースが一般的です。そのほか、保健師資格を活かして、Webライターやオンラインセミナーの講師として活動する人もいます。
このように、リモートで働く保健師は、さまざまな雇用形態のもとで在宅で対応できる業務に従事しています。
保健師の在宅ワークの1日の流れ
在宅ワークで働く保健師の1日のスケジュールについて、下記の表で一例を紹介します。
| 時間 | 主な業務内容 |
|---|---|
| 9:00 | 始業 メールチェック |
| 9:30 | 保健指導 健康相談 |
| 10:30 | 健康診断・ストレスチェックの結果集計 健康リスクが高い従業員のフォロー計画の検討 面談の日程調整 |
| 12:00 | 昼休憩 |
| 13:00 | 資料作成 |
| 14:30 | 従業員向け研修会の実施 |
| 16:00 | ミーティング |
| 18:00 | 終業 |
保健師の在宅勤務には、保健指導や健康相談、研修会などのさまざまな業務をオンライン会議ツール等で実施するという特徴があります。また、移動時間がないため、面談や研修の合間に、資料作成や帳簿の管理などといった事務作業を効率的に進めることができる点も魅力です。
保健師リモート求人の最新動向と市場の実態
ここでは、保健師のリモート求人の最新動向と市場の実態について紹介します。
求人数は非常に限られる
新型コロナウイルスの影響により、保健師の業務にもリモートが導入され、リモート求人は増加傾向にあります。特に、一般企業での産業保健業務や、健診センターでの特定保健指導業務といった、オンラインで対応可能な領域を担当する保健師の需要が見られます。
全国保健師長会の調査報告では「行政保健師におけるICT活用・デジタル化」が進んでいる実態が示されており、また独立行政法人労働者健康安全機構(JOHAS)の資料でも「リモートワーク時代における産業保健活動の重要性」が指摘されています。こうした流れを背景に、今後もリモート勤務を取り入れた柔軟な求人は徐々に広がっていくと考えられます。
さらに、パート・アルバイト・業務委託を除き、正社員に限定すると、求人数は一層限られるため、希望条件に合う求人を見つけるには情報収集やタイミングが重要になります。
特に地方の企業では、都市部と比べて「出社を前提とする」求人が多い傾向にあるため、勤務地の柔軟性を重視する方は注意が必要です。
出典:全国保健師長会 厚生労働科学研究費補助金事業「行政保健師におけるICT活用・デジタル化の実態に関する全国調査」報告書(概要版)
出典:独立行政法人 労働者健康安全機構 JOHAS「リモートワーク時代の産業保健活動」
「一部リモート」や「在宅可」の表記に注目
「一部リモート」や「在宅可」と記載されている場合は、フルリモートが可能とは限らないため、注意が必要です。多くの場合、勤務の一部をリモートで行い、それ以外は出社が必要となる「ハイブリッド型勤務」を指します。例えば、「週2日在宅勤務」といったように、週〇日は在宅、それ以外はオフィス勤務といった条件が明記されている場合もあります。
また、在宅可と記載されている場合は、勤務の一部もしくはすべてをリモートで行えることを示しています。そのため、完全フルリモートが可能な場合と、在宅と出社を組み合わせたハイブリッド型の勤務形態を示している場合があるのです。
求人によってリモート勤務が適用される条件や範囲が大きく異なるため、求人情報の詳細を確認することが重要です。
保健師のリモート求人に求められる応募条件とスキル
ここでは、保健師がリモート求人に応募する際に、求められる条件やスキルについて解説します。
必須資格と実務経験の目安
保健師として応募するためには、保健師免許を保有していることが必須条件です。
実務経験については、求人によって異なります。未経験者を歓迎する求人がある一方で、産業保健師として「1〜3年以上」といった一定期間の実務経験を必須とするケースもあります。
そのため、応募前に求人票を確認し、自分の経験が条件を満たしているかを確認することが重要です。
オンラインで求められるコミュニケーション能力
リモートワークでは、対面とは異なるコミュニケーションスキルも求められます。特に、チャットやメールを用いて、テキストでのコミュニケーションを図る機会が増加します。テキストのコミュニケーションは、感情のニュアンスや意図が正確に伝わりにくいため、簡潔でわかりやすい文章力が必要です。
また、オンライン面談では、タイムラグが生じる場合や、表情や声のトーンが伝わりづらい場合があります。相手の反応に注意を払い、ジェスチャーを活用したり、相槌や表情を意識的に大きく表現したりする配慮が必要です。
このように、オンラインのコミュニケーションでは、正確に伝わりにくく認識の不一致が生じるおそれがあります。積極的にこまめなコミュニケーションを取るよう心がけることが大切です。
PCスキル
フルリモート勤務では、基本的なPCスキルが応募条件として求められる傾向があります。保健師は、一般的な業務でWord、Excel、PowerPointなどを使用しています。
さらに、リモートワークでは関係者との連絡に用いるチャットツールや、オンライン面談に用いるオンライン会議ツールを操作するスキルが必要です。
リモート勤務を目指すなら「産業保健師」がおすすめ
リモート勤務を希望する場合、一般企業で勤務する「産業保健師」という働き方が現実的かつ適しています。ここでは、その理由を解説します。
メンタルヘルス・予防支援・施策立案などの業務は在宅に適している
産業保健師が担当する業務の多くは、自宅でも行いやすい内容です。従業員に対するメンタルヘルスケアや、疾病の予防支援に関する面談は、オンライン対応が可能であり、施策立案のようなデスクワークもパソコンを用いて自宅で行えます。
個人情報の取り扱いには十分な配慮が必要ですが、在宅に適した業務が多い点は、リモートを希望する保健師にとって大きなメリットです。
一部業務のリモート化が進んでいる
新型コロナウイルスの影響により、リモートワークの必要性が高まり、特に一般企業ではリモートワークが普及しました。その流れを受け、産業保健師の業務でも、従業員との健康相談やメンタルヘルス面談、健康施策に関するデスクワークなどがリモートで実施されるケースが増えています。
すでに企業側でリモート対応の体制が整っているため、場所を選ばずに働ける点は大きなメリットです。通勤の負担を減らしながら専門性を発揮できることから、リモート勤務を希望する保健師にとって、産業保健師は特におすすめの働き方といえます。
一方で、国土交通省の調査でも示されているように、テレワークの定着率は新型コロナ禍の最盛期と比べて低下傾向にあります。そのため、リモート環境を整えている企業であっても、実際にフルリモート勤務を認める求人はほぼないと言って過言ではありません。こうした状況は保健師に限らず、他業界にも共通して見られる傾向といえます。
出典:国土交通省 「令和6年度 テレワーク人口実態調査 -調査結果-」
柔軟な働き方ができる企業も増加中
働き方改革への取り組みとして、フレックスタイム制や時短勤務制度などを導入する企業が増加しています。産業保健師も、こうした制度を活用し、リモートワークと組み合わせることで、仕事とプライベートの両立を実現しやすくなっています。
育児や介護など、ライフスタイルの変化にも対応しやすい環境が整っている点も、リモート勤務を希望する保健師に産業保健師をおすすめする理由です。
出典:厚生労働省「仕事と育児の両立等に関する実態把握のための調査研究事業 令和4年度労働省委託事業
キャリアアップ・市場価値も高まる
企業における働き方改革推進や健康経営へ注目が高まっていることにより、産業保健業務の経験を持つ保健師に対するニーズは拡大しています。産業保健師としてリモートで業務に取り組みながら、産業保健に関する専門知識を深めながら実務経験を積むことが可能です。専門知識を深める方法としては、オンライン研修やセミナーへの参加、最新の健康経営・労働安全衛生関連の文献・ガイドラインの学習、社内での事例共有や実務を通じた経験の蓄積などがあります。
さらに、オンラインコミュニケーションスキルやITリテラシーの向上にもつながります。実務を通じて専門知識やITスキルなどの向上を図ることで、担当できる業務や転職の幅が広がったり、フリーランスや副業につながったりする可能性もあります。
このように、キャリアアップや市場価値向上につながりやすく、キャリア形成を見据えて働ける点も、リモート勤務を希望する保健師にとって魅力といえるでしょう。
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保健師がリモート勤務を実現する2つのアプローチ
保健師がリモートで働くためには、現在勤務している職場で交渉する方法と、転職する方法の2つが考えられます。
現職でリモート勤務を交渉する場合
現在勤務している職場で交渉する場合は、初めから全面的にリモート化を求めるよりも、まずは一部の業務をリモート化することから始めるのが現実的です。実際にリモートワークへ移行するには、通信環境やセキュリティ対策、業務フローなどを整えることが必要になります。
転職でリモート勤務を目指す場合
転職を検討する場合は、求人サイトやハローワークなどでリモート勤務が可能な求人を探します。ただし、リモートの求人数は多くなく、現実的には出社と在宅を組み合わせたハイブリッド型勤務の方が選択肢は多くなります。
また、転職エージェントを活用すれば、求人サイトやハローワークに掲載されていない非公開求人を紹介してもらえるだけでなく、応募書類の添削や面接対策などのサポートも受けられるため、転職の選択肢を広げやすくなります。
保健師のリモート勤務でよくある質問
ここでは、保健師のリモート勤務に関するよくある質問と回答を紹介します。
Q1:産業保健師としてリモート勤務は本当に可能ですか?
リモートの求人も存在はしますが、その数は多くありません。産業保健師が担当する多くの業務は、リモート対応が可能である一方、現場巡視などリモート化が難しい業務もあるためです。
そのため、「週のうち数日出社+在宅」のハイブリッド型勤務が現実的な選択肢であるケースが多いでしょう。
Q2:未経験でもリモート求人に応募できますか?
求人によって、求められる実務経験は異なります。未経験者を歓迎する求人もありますが、産業保健師として一定期間(1〜3年程度)の実務経験を必須とする求人もあります。
応募の際は、自分の経歴が条件を満たしているかどうか、求人票を確認することが大切です。
Q3:リモート業務で必要なスキルは?
リモートワークを実施するには、保健師としての専門知識に加えて、ITスキルや、オンラインコミュニケーション能力が求められます。一般的な業務で使用するWord、Excel、PowerPointなどに加え、チャットツールや、オンライン会議ツールを操作するスキルが必要です。
また、オンラインコミュニケーションは、感情や意図が伝わりにくく、誤解が生じやすい点が特徴です。そのため、対応方法を理解したうえで、積極的かつこまめにコミュニケーションを取ることが重要です。
保健師が理想の働き方に近づくための次のステップ
新型コロナウイルスの影響で、リモートワークの必要性が高まり、保健師もオンラインで対応できる業務が増加しました。とくに、産業保健師においてリモートで行える業務が拡大しています。
在宅と出社を組み合わせた、ハイブリッド型勤務が現実的な選択肢であるケースが多いでしょう。
転職活動を進める際は、転職エージェントを活用するのがおすすめです。求人サイトやハローワークに掲載されていない非公開求人も紹介してもらえるだけでなく、転職活動のサポートも受けられます。
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