【保健師】仕事内容・役割企業で働く産業保健師の役割や仕事内容とは?1日のスケジュールやメリットも徹底解説
公開日:2015年10月27日
更新日:2025年04月30日

こんにちは、保健師転職のアポプラス保健師ライターチームです。
「産業保健師って、保健所や病院勤務の保健師とどう違うの?」
「企業で働く保健師の具体的な仕事内容がイメージできない......」
「自分に向いているかどうか、実際の業務を知って判断したい」
このような悩みを持つ人のために、保健師転職のアポプラス保健師ライターチームが疑問を解決する記事を執筆しました。
企業で働く産業保健師に興味があるけれど、仕事内容がはっきり分からず転職に迷っている方もいるかもしれません。そのような方のため、本記事では産業保健師の役割や仕事内容についてまとめました。
産業保健師は、行政保健師などとはまた違ったメリットを感じられる仕事でもあります。ぜひ、転職先の一つとして検討してみてください。
目次
- ・企業で働く産業保健師とは?仕事内容以外も押さえよう
- ・企業で働く産業保健師の主な仕事内容
- ・企業で働く産業保健師の1日のスケジュール
- ・企業で働く産業保健師が得られる3つのメリット
- ・企業で働く産業保健師に向いている人
- ・企業で働く産業保健師の仕事内容は辛い?
- ・産業保健師の自分に合った仕事探しのポイント
- ・まとめ|企業で働く産業保健師の仕事内容を知って目指してみよう
企業で働く産業保健師とは?仕事内容以外も押さえよう

「産業保健師」とは、企業で働き、従業員の健康をサポートする役割を担う保健師です。
ひと口に「保健師」といっても、働く場所によって名称や業務内容が違います。たとえば、市区町村の保健所など行政機関で働き、地域住民に対して健康指導をおこなっているのが「行政保健師」です。学校の保健室などに勤務し、生徒や教員の健康管理をおこなう「学校保健師」もいます。
どの職場の保健師も健康を維持・増進するための健康管理や、保健指導を行うといった基本的な役割は同じですが、仕事内容や雇用形態は大きく異なります。その中でも、産業保健師について詳しく紹介します。
産業保健師の役割や業務内容については、以下の記事も参考にしてください。
本記事では、産業保健師の役割や具体的な仕事内容について、詳しくご紹介します。
主な役割
産業保健師の主な役割は、自社に勤務する従業員の健康を維持・改善・増進するための健康管理や保健指導です。また、職場全体が安全で健全な状態を保てるような活動もしています。従業員に、健康面の悩みや不安を気軽に話してもらう相談窓口ともいえるでしょう。
相談内容によって適宜アドバイスや保健指導をしたりするほか、必要に応じて産業医や産業カウンセラーなどの専門職につなげることもあります。また、産業医と定期的に情報共有し、医学的視点での適切な判断をバックアップします。
従業員が心身ともに健康を維持できるように、産業医や人事担当者と協力して取り組むことが産業保健師の重要な仕事です。
配置基準
法律上は産業保健師の配置義務はありませんが、従業員の健康管理ニーズの高まりから、産業保健師を配置する企業が増えています。その背景には、メンタルヘルスの不調や生活習慣病などの増加といった健康問題が、経営のリスクになっていることがあげられるでしょう。
専門的な知識を持つ産業保健師は、健康問題に対してより柔軟かつ効果的な解決策を提供できる存在として期待されています。
一方で産業医に関しては、従業員数が50人以上の企業で1人以上選任するよう法律で義務付けられています。従業員数が3,000人を超える規模になると、2人以上の産業医の選任が必要です。
産業保健師に法的な配置基準はないものの、企業の状況などを考慮すると、一般的には従業員数700〜1,000人に対して産業保健師を1人程度配置するのがよいでしょう。業種や事業場の特性、必要な業務の量なども加味して検討することが大切です。
産業保健師の配置人数に関しては、以下の記事も参考にしてください。
本記事では、たった1人の産業保健師の職場で、発生しやすい問題とそれを乗り切るポイントについて解説します。
年収
産業保健師の年収は、勤務先の企業によって異なります。業績のよい企業であれば、月収やボーナスも期待できるでしょう。
具体的な調査データはありませんが、一般的に産業保健師の年収の目安は450万円程度といわれます。これは行政保健師の平均年収といわれる500万円を下回りますが、年収は勤続年数やこれまでの経験によっても違ってくるため、一概にどちらが高いとは言えません。
行政保健師の場合、公務員という立場であるため辞める人が少なく、勤続年数が長くなる傾向があります。また産業保健師は、派遣等の雇用形態によってはボーナスがない場合もあります。就職してから給料のことで不安が残らないよう、面接時などにはしっかり確認しておきましょう。
産業保健師の年収について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
本記事では、行政保健師と産業保健師について、年収や仕事内容などの特徴や違いを詳しく解説していきます。
求められるスキル
産業保健師として働くのであれば、保健師として必要な医療や看護に関する専門知識だけでなくコミュニケーションスキルもあるとよいでしょう。従業員の心身の健康を守るためには適切なコミュニケーションが大切であり、信頼関係を築いたうえでサポートしていくことが欠かせません。他にも、健康診断を定期的におこないその結果を分析したり、健康セミナーを提案・企画・実施するスキルも重要です。
さらに、急な怪我や体調の変化にスムーズに対応するためには、知識だけでなく臨床での経験も求められます。将来的に産業保健師を目指すのなら、このようなさまざまなスキルも身につけておくことが大切です。
企業で働く産業保健師の主な仕事内容

次に、産業保健師として企業で働いた場合の具体的な仕事内容を見ていきましょう。産業保健師になろうかと迷っている方は、参考にしてみてください。
従業員の健康診断とフォローアップをする
産業保健師として大切な仕事の一つが、従業員の健康診断を企画・実施して、その結果をフォローアップすることです。診断結果に問題があればアドバイスをして、必要に応じて医療機関への受診を勧告します。
また、結果をきちんと管理し、データを継続的に活用できるようにすることも大事です。
メンタルヘルス対策を実施する
近年、重要度が増しているのがメンタルヘルス対策です。一人ひとりの従業員が心身ともに健康で働けるよう、定期的にストレスチェックをします。また、従業員に悩みがある場合には個別で相談に乗ることもあります。
産業保健師のメンタルヘルス活動に関しては、次の記事も参考にしてください。
本記事では、具体的な5つのメンタルヘルス活動やその活動が求められる背景、保健師の役割について解説をしていきます。
健康教育や研修を企画する
従業員が健康維持や現在の健康状態の改善をしていくために、健康に関する教育は大切です。一人ひとりの従業員が自分の生活習慣を見直して病気を予防できるように、社内全体で研修やセミナーを企画し実施することもあります。
労働環境の改善にかかわる
従業員がどのような環境で働いているか確認し、問題があれば改善を進めることも重要です。必要に応じて、職場の視察もおこないます。企業の経営者や人事担当者などとは異なる目線から労働環境を確認して、医療や看護の専門家としての意見を伝えるようにしましょう。
急な体調不良や怪我への対応をおこなう
従業員が急な体調不良を起こした場合や仕事中にけがをした場合には、その対応もします。建設業であれば熱中症を起こしやすかったり、工場であればけがをしやすかったりなど、職種によって傾向があるでしょう。問題が起きた場合はすぐに必要な処置をおこないます。
企業で働く産業保健師の1日のスケジュール

産業保健師の1日のスケジュールについて、下記の表で一例を紹介しましょう。
時間 | 主な業務内容 |
---|---|
9:00 | 始業・朝礼(他職種と合同) |
9:30 | メール確認・返信 |
10:00 | 従業員との面談(対面・Web) |
11:00 | ・健康診断結果の確認 ・面談後のフォローアップ作業 |
12:00 | 昼休憩 |
13:00 | 職場巡視 |
14:00 | 従業員の上司とのミーティング |
14:30 | 産業医との情報共有・相談 |
15:30 | 今後の対応検討・計画立案 |
17:00 | 終業 |
産業保健師は、従業員の健康面談や健康診断結果の確認の他、職場巡視を通じて作業環境の確認もおこないます。また、健康課題解決に向けた総合的なサポートを提供するため、従業員の上司や産業医とも連携していくことが不可欠です。
近年は対面面談だけでなくWeb面談も増加しており、従業員の働き方に対応した柔軟な健康支援が求められています。なお、終業時間は他職種と同じで、行政保健師と比べて残業は少ない傾向です。
企業で働く産業保健師が得られる3つのメリット

保健所などで働く行政保健師と違い、企業で働く産業保健師だからこそのメリットについて紹介します。産業保健師の場合は、次のような点がおすすめポイントです。
ワークライフバランスが取りやすい
産業保健師の大きな特徴は、基本的に残業が多くなく、夜勤や土日出勤もない点です。企業の従業員として働くからこそのメリットで、ワークライフバランスも取りやすいでしょう。
病院の看護師は、夜勤や土日出勤などが当たり前です。そのため、病院の看護師から産業保健師に転職した場合には、生活がかなり変わったと感じるでしょう。
医療現場とは異なるやりがいがある
医療現場で患者と直接接して治療する仕事もやりがいがありますが、産業保健師の仕事にはそれとは異なるやりがいがあります。具体的には、個別支援で長期的に従業員とかかわっていけるのは、産業保健師だからこそのやりがいです。実際、何度も同じ人と話をして、従業員のペースを尊重した上で健康支援ができるのがやりがいと考える保健師も少なくありません。
従業員の体と心の健康を守ることが産業保健師の重要な仕事であり、産業保健師の適切な働きによって社内に活気が生まれれば業績向上も期待できるでしょう。何より、一人ひとりの従業員が元気になれば喜びを感じられるはずです。
職場によっては高収入が期待できる
産業保健師の年収は、それぞれの企業の業績や規模によるところが大きいですが、職場によっては高収入が期待できます。たとえば、大企業に勤める保健師の場合、年収800万円を超えるケースもあります。
産業保健師の年収については450万円程度であるとされているため、職場によって大きく収入が異なる点は知っておいてください。転職先を決める際にはさまざまな企業を比較し、納得のできるところを選択するようにしましょう。
産業保健師の年収については、以下の記事も参考にしてみてください。
本記事では、年収700万円の難易度が高い理由や、年収700万円を目指す方法とポイントなどを紹介しています。
企業で働く産業保健師に向いている人
産業保健師は残業があまりなく、休日出勤もあまりない傾向です。そのため、子育て中の方や介護をしている方にとって、大変働きやすい環境なのではないでしょうか。
ただし、残業時間や休日出勤は企業によっても違うため、事前にきちんと確認したうえで転職を決めてください。
企業で働く産業保健師の仕事内容はつらい?

病院の看護師や行政保健師に比べ産業保健師の業務は範囲が広く、また社内に他の産業保健師がいないためすべてを一人でこなさなくてはいけないケースも多いでしょう。相談できる環境がなく、責任が重いため、大きなプレッシャーを感じてしまうかもしれません。
そうしたことから、産業保健師の仕事内容はつらいと感じる方もいるようです。
産業保健師が辛いと感じる理由についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
本記事では、産業保健師が業務において辛いと感じる理由や対処法を紹介します。
産業保健師の自分に合った仕事探しのポイント

産業保健師の仕事を探すには、いろいろな方法があります。ただ、人気の仕事であり応募が殺到しやすいため、気になったものがあればすぐに応募してみるとよいでしょう。
ハローワークで探したり、場合によっては自分が卒業した保健師養成学校で求人がないか聞いてみたりする方法もあります。そうした方法の中でも、特におすすめなのは保健師の求人を専門に扱っている転職エージェントの利用です。
転職エージェントの一つであるアポプラス保健師なら、転職に関するさまざまな疑問にも答えてもらえます。ぜひ利用を検討してみてください。
産業保健師の求人の具体的な探し方については、以下の記事も参考にしてください。
本記事では、産業保健師の求人を探す方法やその際に確認すべきポイントについて紹介します。
まとめ|企業で働く産業保健師の仕事内容を知って目指してみよう
企業で働く産業保健師が気になっている方は多いのではないでしょうか。行政保健師と比べてまだ産業保健師の数は少なく、そのため仕事内容がはっきりわからずに不安を感じていた方もいたかもしれません。
産業保健師には、社員の健康を支え、企業の生産性向上に寄与するやりがいがあります。アポプラスキャリア保健師では、専門性を活かせる求人をご案内しています。お気軽にご相談ください。
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