【保健師】仕事内容・役割保健師のメンタルヘルス活動5選!役割や成功させるポイントを徹底解説
公開日:2025年02月13日

こんにちは、保健師転職のアポプラス保健師ライターチームです。
「保健師としてメンタルヘルスケアをどのように実践すればいいかわからない」
「従業員のメンタルヘルス問題に効果的に対応する方法が知りたい」
「産業保健師として職場環境を改善する具体的なポイントを学びたい」
このような悩みをもつ人のために、保健師転職のアポプラス保健師ライターチームが疑問を解決する記事を執筆しました。
保健師の仕事内容は、疾病の対応だけではありません。従業員のQOLを守るために、メンタルヘルスを守る活動もしているのです。現代社会における生きづらさに焦点を当てていたり、将来発生しうる問題への懸念も念頭に置いていたりと、根本的なメンタルヘルスへの問題に着目しています。
本記事では、具体的な5つのメンタルヘルス活動やその活動が求められる背景、保健師の役割について解説をしていきます。働き始めの保健師や保健師を目指している学生、キャリアチェンジを考える保健師・看護師の方はぜひ参考にしてください。
目次
- ・職場のメンタルヘルス活動における保健師の役割【産業保健師】
- ・保健師が従業員のメンタルヘルスでおこなう具体的な5つの業務
- ・保健師による従業員のメンタルヘルス活動が求められる背景
- ・メンタルヘルス不調者との保健師の向き合い方
- ・メンタルヘルスケアを保健師がする際のポイント5選
- ・まとめ|保健師はメンタルヘルス活動をおこなう重要なポジション
職場のメンタルヘルス活動における保健師の役割【産業保健師】

企業で従業員のメンタルヘルスケアをしている保健師は、「産業保健師」と呼ばれています。一般的な保健師のイメージとしては、健康診断や保健指導をする保健師を思い浮かべる人が多いですが、従業員のメンタルヘルスの維持も仕事内容のひとつです。
従業員に少しでも長く健やかに働いてもらえるように、産業保健師は働く人の健康課題を見つけて対応をしています。また、企業全体の健康課題を発見して改善していくのも、産業保健師の重要な役割です。
保健師が従業員のメンタルヘルスでおこなう具体的な5つの業務

産業保健師は、メンタルヘルスの維持あるいは向上を図るために、5つの業務をこなしています。産業保健師を目指している方は、これらの内容も業務に入っていることを覚えておきましょう。
健康診断の結果から保健指導
基本的な産業保健師の業務は、健康診断の結果をもとにおこなう従業員への保健指導です。健康診断の結果をもとに、再検査が必要な従業員には病院の受診を促したり、産業医と連携したりすることで、事後措置も実施しています。
また健康診断の際に、メンタルヘルスに関連するような職場の問題や、生活上の課題の情報が得られる場合も少なくありません。健康診断の結果を踏まえながら、職場内外の改善に向けた指導をおこなうことで、より効果的な従業員のメンタルヘルスケアができます。
個別相談で対応
産業保健師は、従業員などに対して個別相談をおこないます。個別相談で改善が必要な場合、アドバイスや個別指導などの対応をします。
個別で対応している主な相談内容は、以下の通りです。
- 従業員の健康相談
- 健康診断結果にもとづいた健康管理に関する相談
- 生活習慣病の予防に関する相談
- 長時間労働に関する相談
- メンタルヘルスの問題に関する相談
- 日常生活における健康保持増進に関する相談
個別相談で従業員の健康状態を確認し、改善が必要な場合にはアドバイスや個別指導などの対応をします。
また、個別相談に応じることで、なかなか周囲に相談しづらい内容も相談しやすくなるメリットがあります。産業保健師は、従業員の労働環境改善にも大きく貢献しているのです。
ストレスチェックの実施
産業保健師は、従業員のストレスチェックも実施しています。ストレスチェックでは、従業員ごとにストレス状況または原因を把握し、最終的に職場環境の改善に結びつけています。
すでにストレスを感じている従業員に対してのメンタルヘルスケアも、産業保健師の重要な役割です。高いストレスに晒されている従業員に対しては、産業医と連携し、適切な支援をしていきます。現代社会は、ストレスが非常に高いといわれているため、長く心地よく務めるための労働環境の見直しが重要です。
そのため、メンタルヘルス対策の重要性が高まっています。そこで、登場するのが産業保健師です。産業保健師が定期的に従業員のストレスチェックをすることで、労働環境の課題にいち早く気づけているのです。
職場環境の改善に向けた提案
産業保健師は、職場環境の改善に向けてさまざまな提案も実施しています。健康診断の結果や従業員の個別相談の内容から、職場環境が原因で起こっている健康課題を見つけ出し、改善策を打ち出しているのです。
従業員の健康問題は、本人の健康管理の欠如だけではありません。職場環境によって、身体の健康やメンタルヘルスに悪影響を引き起こしている可能性もあります。例として、仕事現場の温度管理や湿度管理が不十分で体調不良を引き起こしていたり、照明が暗く目の疲れを引き起こしてメンタルにも影響していたりすることなどがあげられます。
このように、本人がいくらケアをしていても防ぎきれない場合、原因は職場環境にあるパターンが多いのが現状です。産業保健師による相談は、これらの原因究明にも一役買っているのです。万が一、職場環境の改善をした方がよいと判断した場合、職場環境の改善に向けた提案をしています。
職場環境の改善に向けて、産業保健師は産業医や人事部門と協力しつつ、総合的な改善策を実施します。また産業保健師は改善案を提案するだけではなく、立案から実施まで主導権を担う場合も少なくないため、非常に重要なポジションです。
メンタルヘルスセミナーの開催
個別相談しにくい方のために、メンタルヘルスセミナーを開催するのも、産業保健師の重要な業務です。産業医よりも依頼しやすいため、年々需要が高まっています。
セミナー内容は、メンタルヘルス対策・過重労働対策など、組織全体にかかわる内容が一般的です。しかしそれ以外にも、自発的な健康管理を促すために、喫煙者に対して禁煙を推奨するなどの啓発活動をおこなうこともあります。
保健師による従業員のメンタルヘルス活動が求められる背景

なぜ、産業保健師による従業員のメンタルヘルス活動が求められているのでしょうか。その理由のひとつとして、メンタルヘルスの不調によって休業や退職をしている人のいる事業所が、近年増加傾向にあることがあげられます。
厚生労働省の「令和5年 労働安全衛生調査(実態調査)の概況」によると、メンタルヘルスの不調により、連続1カ月以上休業もしくは退職した人がいる事業所の割合は13.5%でした。しかし令和4年の同調査時では13.3%、令和3年には10.1%であったため、近年大きく割合が増加してきています。従業員の休業や退職を減らすため、産業保健師の重要性は年々高まっています。
出典:厚生労働省「令和5年 労働安全衛生調査(実態調査)の概況」
厚生労働省「令和4年 労働安全衛生調査(実態調査)の概況」
メンタルヘルス不調者との保健師の向き合い方

産業保健師は、メンタルヘルス不調者との向き合い方も大切です。なぜなら、メンタル不調者に対しての対応の仕方を間違えると、余計に状況を悪化させてしまう可能性もあるからです。
メンタルヘルスに不調が起きたときの解決方法は、人によって異なる点には注意をしてください。たとえば、メンタルヘルス不調者自身のセルフケアを促した方がいい場合もあれば、精神疾患として診断された状況であるため産業医との密な連携が求められる場合もあります。
産業保健師には、一人ひとりと丁寧に向き合い、それぞれの状況にあった対策法を提示することが求められています。
メンタルヘルス不調者とどのように向き合っていくべきかをより詳しく知りたい方は、以下のコラムを参考にしてください。
本記事では、「メンタルヘルス不調者との向き合い方」と題して、産業保健師ができることを考えていこうと思います。
メンタルヘルスケアを保健師がする際のポイント5選

産業保健師がメンタルヘルスケアをする際、ポイントが5つあります。これらのポイントをしっかり踏まえて、従業員のケアに努めましょう。
従業員との信頼関係を築く
メンタルヘルスケアでは、従業員との信頼関係を築くのがポイントです。心が抱えている問題は非常にデリケートです。そのため、信頼関係が築けていないと、根本的な問題解決にいたらない可能性があります。従業員の心の声をしっかり聞いてあげられるように、事前に信頼関係を築いておきましょう。
プライバシーを守って適切な支援をする
信頼関係を築くことが重要とはいえ、本人にとって踏み込まれたくない心の領域に踏み込んでしまっては、逆効果になる可能性があります。相手の触れられたくない心の領域に不用意に踏み込まないよう注意をして、ときには適度に見守り、自主性を高めてあげましょう。プライバシーを守ることが、本人にとって適切な支援につながります。
セルフケアのやり方も伝える
産業保健師によるバックアップがなくても心のケアができるように、セルフケアの方法を提案するのも重要なポイントです。日常的に取り入れやすいやり方を提案することで、こまめなメンタルケアにつながります。最終的には保健師からのメンタルケアがなくても業務に差し支えないような状況にするために、その人に合ったセルフケア方法を提案してあげましょう。
継続的なフォローアップを心がける
メンタルケアは1回、2回で解決するものではありません。そのため、継続的なフォローアップも重要です。継続的なフォローアップは、信頼関係の構築にも役立ちます。短期的ではなく、長期的なケアを心がけましょう。
多職種と連携して包括的な対応をする
メンタルの不調に陥る原因は、人によってさまざまです。さらに、その人の生活環境と労働環境が複雑に絡み合っているケースもあります。そのため、多くの職種と連携し、包括的な対応をすることで、メンタルケアの早期回復に役立ちます。
組織内での問題解決だけではなく、企業のメンタルヘルスケアをサポートする従業員支援プログラム(EAP)なども活用し、視野を広げましょう。
まとめ|保健師はメンタルヘルス活動をおこなう重要なポジション
メンタルヘルスの不調により、長期休業や退職者が増えている今、産業保健師はメンタルヘルス活動をおこなう重要なポジションを担っています。従業員のストレスを緩和するためには、信頼関係を築き、焦らずゆっくりケアしてあげることが大切です。本記事で解説したポイントをしっかり理解し、適切なケアに努めましょう。
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