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【保健師】業界情報産業保健とは?目的や課題、産業保健師として働く魅力も解説

公開日:2015年09月30日
更新日:2025年06月26日

こんにちは、保健師転職のアポプラス保健師ライターチームです。

「産業保健って具体的にどういう意味なのかよくわからない......」
「産業保健の注目される理由や今後の課題って何?」
「産業保健師の働き方や魅力について知りたい!」

このような悩みを持つ人のために、アポプラス保健師のライターチームが疑問を解決する記事を執筆しました。

働く人の健康を守り、安心して働ける職場環境をつくる「産業保健」。この記事では産業保健の概要や現代の課題、産業保健師の役割・働き方まで詳しく解説します。
記事を読むことで「産業保健」が自身のキャリアにどう関わるのかがわかり、実際の就業イメージや転職活動のステップも具体的に描けるようになります。
ぜひ、次の一歩を踏み出すヒントとしてご活用ください。

目次

産業保健とは

産業保健とは

産業保健とは、働く人の健康を守り、職場環境を整えることで、心身ともに安心して働ける状態を支える分野です。「産業衛生」「労働衛生」とも呼ばれ、健康管理だけでなく、職場文化や社会全体への貢献も含まれます。

医療現場とは異なり、保健師や看護師が予防・支援に特化して活躍できる点でも注目されています。具体的には、従業員の健康問題の予防、健康増進、職場環境の改善を目的とした取り組みです。

つまり産業保健は、従業員の健やかな働き方を支えるだけでなく、企業の活力や社会全体の成長にもつながる重要な役割を担っているといえるでしょう。

産業保健分野における課題

近年、働き方の多様化や従業員のライフスタイルの変化に伴い、産業保健に求められる役割はますます広がっています。特に次のような健康課題への対応が重要視されています。

  • ストレスチェック制度などのメンタルヘルス不調の予防と早期発見・対応
  • 病気と仕事を両立するための支援体制の構築
  • 高齢者や女性など、多様な従業員に向けた健康課題への配慮
  • テレワーク環境における健康管理
  • 生産性向上を目的とした疾病予防・重症化防止

特に、メンタルヘルス不調は増加傾向にあり、精神障害による労災認定件数が目立っています。これは、職場でのストレスチェックの実施やフォローアップ体制の整備が、引き続き課題であるといえます。

加えて、女性特有の健康課題への配慮や、テレワークなどといった就業環境での健康管理も課題であるといえるでしょう。

こうした背景から、今後の産業保健では「疾病の予防・重症化防止」「治療と仕事の両立支援」といった包括的な健康支援体制の構築が求められます。

出典:精神障害の労災補償について|厚生労働省
出典:令和5年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況

産業保健に関する法律・制度

産業保健の分野では、労働安全衛生法をはじめとした法制度に基づき、従業員の健康と安全を守る取り組みが求められています。企業には「安全配慮義務」があり、従業員が心身ともに健康に働けるよう、適切な労働環境の整備や健康管理に配慮する責任があります。

たとえば企業では、産業医の選任やストレスチェックの実施、メンタルヘルス対策や過重労働の防止が、法的に強化されつつあるのです。また近年では、ハラスメント防止や多様な働き方への対応、リモートワーク下での健康管理など、新しい労働環境に合わせた制度の見直しや情報の更新も進められています。

こうした制度は単なる法令遵守にとどまらず、企業にとってリスクマネジメントの一環であり、従業員の生産性向上や離職防止にもつながる重要な基盤といえるでしょう。

産業保健師の役割と仕事内容

産業保健師の役割と仕事内容

産業保健師の主な役割は、企業で働く従業員の健康維持・改善・増進を支えることです。健康管理や保健指導を行い、従業員が健康面での悩みや不安を気軽に相談できる窓口として次のような場面で関わります。

・ストレスチェックの結果で「高ストレス」と判定され、不安を抱いたとき
従業員が産業保健師に面談を申し込み、現在の心身の状況を相談して具体的な対処法(カウンセリング窓口案内やストレス軽減ワークの提案など)を受け取ります。

・家庭の事情や介護などで仕事と両立に悩み、心身の負担を軽くしたいとき
在宅勤務や時短勤務の相談を持ちかけ、必要に応じて人事や上司と調整を行い、負担軽減プランを一緒に考えます。

・社内で人間関係のトラブルを抱え、ストレスから体調不良が続いているとき
直接話を聞き、コミュニケーションの取り方や産業医面談の手配などを行い、専門職への連携をサポートします。

また、従業員の相談内容に応じて適切なアドバイスを提供し、必要があれば産業医や産業カウンセラーなど専門職へつなぐ役割も担います。産業医と連携しながら健康診断結果の確認し、必要な面談を行ったり、職場環境の安全・衛生を保つために職場巡視も実施したりすることもあります。

健康課題の解決に向けては、従業員の上司や関係部署と連携し、総合的なサポート体制を築くことが重要です。近年は、働き方の多様化に伴い、対面だけでなくWeb面談も増えており、柔軟な健康支援が求められています。

なお、産業保健師の役割や仕事内容について、詳細に知りたい方は下記の記事も参考にしてください。

企業で働く産業保健師の役割や仕事内容とは?1日のスケジュールやメリットも徹底解説

産業保健師は、行政保健師などとはまた違ったメリットを感じられる仕事でもあります。ぜひ、転職先の一つとして検討してみてください。

産業保健師とは?役割や主な業務内容、年収の相場について解説

産業保健師の数はまだまだ少なく、具体的な仕事内容に関する周囲の理解も得られにくい職業です。そこで、産業保健師の役割や具体的な仕事内容について、詳しくご紹介します。

産業保健が注目される背景

産業保健が注目される背景

少子高齢化や人手不足、メンタルヘルス不調の増加など、労働環境の変化により企業にとって「従業員の健康管理」は重要な課題となっています。従業員の健康維持・増進に取り組むことで、生産性の向上や離職率の低下といった効果が期待されており、「産業保健」が改めて注目されています。

ここからは、産業保健が注目される背景について見ていきましょう。

従業員の健康管理

企業では、従業員の健康状態を把握・改善するために、定期的な健康診断が実施されています。健康診断の結果に問題があった場合には、産業保健師が生活習慣改善のための保健指導を行います。

産業保健師には、健診の準備・結果の管理・従業員へのフィードバックまでを一貫して担い、従業員自身が健康への意識を高められるよう支援する役割があるのです。

一方で産業医は、医師としてより専門的な視点から、健康指導や就労できるかの判断を行います。産業医と産業保健師の業務には共通点も多く、連携して情報を共有することが、効果的な健康管理に不可欠だといえるでしょう。

ただし、事業所の規模に応じて産業医の選任は義務付けられていますが、産業保健師の設置は企業の任意となっています。

従業員のメンタルヘルス

近年、メンタルヘルス不調による休職や離職が社会問題化しており、企業でも「こころの健康」への対策が急務となっています。その一つがストレスチェック制度で、労働安全衛生法に基づき、従業員のメンタルヘルスを守るために実施されています。

具体的には、50人以上の従業員がいる事業所においてストレスチェックの実施は、労働安全衛生法により義務付けられているものです。なお、今後は50人未満の事業所にも義務化が予定されており、制度の見直しが進められています。

ストレスチェックは医師・保健師など、法律で定められた有資格者が実施できるもので、産業保健師もこの対象です。また産業保健師は従業員のメンタルヘルス不調に対し、カウンセリング対応や、職場向けのセミナー・勉強会の開催なども行います。

すでに休職している従業員の復職時には、面談や観察を通じて関わっていくことになります。

職場の衛生管理

職場環境の安全性や清潔さは、従業員の健康に直結するものです。このため、一定の基準に該当する事業所では、安全衛生委員会の設置が義務付けられています。

安全衛生委員会では、職場の安全や衛生、健康の保持増進について定期的に協議します。産業保健師の出席は法律上義務ではありませんが、参加することで、保健分野の視点を加えた改善提案が可能です。

また、産業保健師は職場内の環境を把握するために、職場巡視を行うことがあります。産業保健師が巡視に参加することで、業務環境をより正確に把握できるため、実情に合った健康支援に役立てられるでしょう。

産業保健師の働き方・キャリアの魅力

産業保健師の働き方・キャリアの魅力

企業で働く人々の健康を支える「産業保健師」は、病院やクリニックとは異なるフィールドで活躍する保健師です。医療現場からの転職を考えている方や、より働きやすい環境を求める方にとって、働き方やキャリアに多くの魅力があります。

ここでは、産業保健師の働き方・キャリアの魅力について詳しく紹介します。

安定した勤務形態が魅力

産業保健師は、安定している魅力的な勤務形態です。企業に雇用されて働くため、その就業形態や福利厚生は、企業の就業規則に準じます。特に大手企業に勤務する場合は、住宅手当や家族手当、福利厚生サービスなどが充実しており、長く安心して働ける環境が整っています。

また、勤務時間も日中の時間帯が基本であり、夜勤や休日出勤がほとんどない点も大きな魅力です。完全週休2日制で、有給休暇の取得もしやすい傾向にあるため、家庭やプライベートとの両立を重視する人にとって理想的な働き方だといえるでしょう。

ただし、福利厚生や勤務条件は企業によって異なり、中小企業では、大手企業ほどの手厚い待遇が用意されていない場合もあります。そのため、自身のライフスタイルや価値観に合った職場選びが、重要になるでしょう。

医療現場とは異なる"支える"立場で活躍できる

産業保健師の役割は、目の前の患者を「治す」というよりも、働く人々の健康を「守る」「支える」ことに重きを置いています。具体的には、健康診断のフォローアップや健康相談、ストレスチェックの実施やメンタルヘルス対応など、従業員一人ひとりの心身の健康を長期的に支える仕事です。

たとえば、ある産業保健師は毎年の健康診断でBMI30以上の従業員を対象に、健康診断前のダイエットを社内の健康イベントとして実施しました。簡単な運動方法のレクチャー、食事内容や体重の報告フォロー、栄養サポートを行い、参加者とともに取り組みました。
イベント後の健康診断では、再検査や医療機関受診が必要な従業員を減少させることができ、企業全体の医療コスト削減にも貢献しています。
参加者アンケートでは、「産業保健師の進捗フォローや栄養サポートがあったから頑張れた」など参加者の高い満足度を示しました。

この支援は、単に個人の健康維持にとどまらず、企業全体の生産性や職場環境の改善にもつながるものです。健康で元気に働ける人が増えることで、チーム全体の雰囲気もよくなり、業務の効率アップや定着率の向上といった好循環が生まれます。

人の「生活」や「仕事」に寄り添い、不調を未然に防ぐという、産業保健師ならではのやりがいを感じる場面は日常の中に数多く存在するでしょう。

企業の成長に貢献できる専門職としてのやりがい

産業保健師の仕事は、産業医・人事担当者・管理職など社内外の多職種と連携しながら進めていくもので、決して一人で完結するものではありません。

たとえば、ある製造業では新入社員の定着率が80%を下回っていましたが、産業保健師が人事と協力してメンタルヘルス研修を導入し、管理者向けのフォロー体制を強化した結果、1年後には定着率が90%に向上しました。

チームのメンバーと連携していく中で、専門職としての知識と経験を発揮できる点に、産業保健師としての大きな魅力があります。

また、メンタルヘルスのようにデリケートな課題においては、産業保健師の専門的な視点と対応力こそが、組織全体の健全性を保つ鍵となり、企業の成長にも大いに貢献できるでしょう。
実際にあるIT企業でうつ傾向が合った社員を早期発見し産業医と連携して個別フォローを行ったところ、休職を未然に防ぎ、その社員は現在もプロジェクトリーダーとして活躍しています。

このように企業の中で従業員の「健康リスクを減らす」「働きやすい環境を作る」という成果は、売上や生産性の向上につながり、産業保健師としての成長と社会的な貢献を同時に感じることができます。

産業保健師のリアルな働き方や、やりがいについて気になる方は、下記の記事も参考にしてみてください。

産業保健師って実際どう?働き方から悩みまで53人に聞いてみました

本記事では、実際に産業保健師として働いている人へのアンケートを基に、実際の働き方ややりがいなどについてまとめました。

産業保健師インタビュー

本記事では産業保健師インタビューをご紹介します。

産業保健の今後と課題

産業保健の今後と課題

今後も多様化していく健康課題に対応するため、研修などを通した産業医や産業保健師のスキルアップが不可欠です。

また、リモートワークでの産業保健にも課題があります。具体的には、対面でのコミュニケーション不足により、メンタルヘルス不調に気づきにくい問題が増えている点です。そのため、産業保健師に求められる観察力や、オンラインによる支援手法の強化が求められています。

産業保健に関するよくある質問(FAQ)

産業保健や産業保健師に関してよくある質問を、それぞれ確認していきましょう。

Q.産業保健とは何ですか?
産業保健とは、働く人の健康を守り、職場環境を整えて快適に働ける職場づくりを目指す活動です。近年、メンタルヘルスによる不調が増加傾向であることなどから、産業保健に求められる重要性が高まっています。

Q.産業保健師とその他の保健師との違いは何ですか?
産業保健師は、従業員の健康管理や職場環境の改善に特化した、企業に所属する保健師です。公務員として保健所などで働く行政保健師や、医療施設で働く病院保健師などとは、活動する場所や求められる業務内容が異なる点に違いがあります。

Q.未経験でも産業保健師として転職できますか?
はい、可能です。実際に病院勤務や行政保健師から転職するケースも多く見られます。不安のある方は、サポート体制のある企業や、研修制度が整っている職場を選ぶとよいでしょう。

産業保健師になるには?転職のポイント

産業保健師になるには?転職のポイント

産業保健師への転職を考えていても、未経験で不安がある方も多いでしょう。ハローワークや転職サイトの活用など、さまざまな転職方法がありますが、特に不安が多い場合、保健師専門でサポート実績が豊富なサービスを利用すると安心です。

たとえば、アポプラス保健師の転職支援サービスでは、あなたの経験や希望に合った求人紹介から面接対策、条件交渉まで丁寧にサポートしてくれます。たとえ不安が大きかったとしても、丁寧なサポートが受けられるため、安心して転職活動を進められるでしょう。

まとめ|産業保健師とは従業員の健康を支える選択肢

まとめ|産業保健師とは従業員の健康を支える選択肢

従業員の健康を支える産業保健師は、現代の職場において非常に重要な役割を担う専門職です。産業保健師のキャリア形成においては、単なる待遇や条件の比較だけでなく、自分の人生設計に合った、持続可能な環境を見極めることが大切だといえるでしょう。

アポプラス保健師は、保健師としての働き方や課題に真正面から向き合い、一人ひとりに最適なキャリア形成をサポートする専門サービスです。自分らしい働き方を見つける第一歩として、ぜひ一度ご相談ください。

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