【保健師】求人・転職情報産業保健師のリアルな就職先・働き方ガイド|未経験からキャリアを築く方法
公開日:2015年10月08日
更新日:2025年08月08日

こんにちは、保健師転職のアポプラス保健師ライターチームです。
保健師や産業保健師として働くことを考えたとき、
「どのような就職先があるのか」
「自分にはどんな働き方が合っているのか」
「未経験でも転職はできるのか」
と悩む人は多いのではないでしょうか。行政機関や医療機関、企業など、保健師が活躍できる場はさまざま。それぞれの職場には業務内容や働き方、求められるスキルにも違いがあります。
本記事では、保健師・産業保健師の主な就職先や雇用形態、選ぶ際に知っておきたいポイントについてわかりやすく解説しています。
「長く働ける職場を見つけたい」「家庭と両立できる働き方をしたい」「自分の強みを活かせるキャリアを築きたい」といった想いを持つ方に向けて、今後のキャリア設計に役立つ情報をまとめています。
求人票の数値だけでなく「制度の運用実績」「保健師チームの規模」「自分の強みが活きるか」という視点で比較すると、長期的に"自分らしく働ける"職場が見つけやすくなります。初めて転職を考える方も、これから産業保健師を目指したい方も、きっとヒントが見つかるはずです。ぜひ本記事のポイントを参考に、理想のキャリア設計を進めてみてください。
目次
- ・産業保健師が人気の理由と求められる背景
- ・保健師の主な就職先一覧
- ・産業保健師の就職先と雇用形態
- ・保健師の就職先選びで大切なポイント
- ・保健師の就職先でよくある質問(FAQ)
- ・産業保健師の就職先に迷ったら
- ・まとめ:保健師・産業保健師の就職先は、自分らしい働き方ができる環境を選ぼう!
産業保健師が人気の理由と求められる背景

近年、企業が「健康経営」や「働き方改革」に取り組む中で、従業員の健康を専門的にサポートする産業保健師のニーズが急速に高まっています。かつては限られた企業でしか見られなかった産業保健師も、今では幅広い職場で配置が進んでいます。「夜勤がない」「土日休みが多い」といった働きやすさに加え、 メンタルヘルスやストレスチェック対応など、専門性を活かせる領域が増えていることも、産業保健師が注目を集めている理由のひとつです。
ここからは、そんな産業保健師がなぜ人気なのか、そして、社会から求められる背景について、詳しく見ていきましょう。
産業保健師と保健師の違い
「保健師」とひとくちにいっても、活躍の場によって業務内容や働き方は大きく異なります。「保健師」の中のひとつである産業保健師は、企業に勤める従業員の健康管理を担う専門職です。
産業保健師は次のような業務を行います。
- 健康診断後のフォロー
- 保健指導
- メンタルヘルス対策
- 職場復帰支援など
産業保健師は幅広い業務を通じて従業員の心身の健康をサポートします。
一方、病院保健師は、患者や病院スタッフの健康管理を担当し、病棟での看護業務を一部サポートすることもあります。
行政保健師は公務員として、地域住民への保健指導や医療相談を行い、学校保健師は生徒や教員の健康管理や応急処置を担当する役割です。
そのため、産業保健師は「働く人の健康を支える」ことに特化しており、地域や医療現場を支える他の保健師とは、活躍する場所も役割も大きく異なるのが特徴です。
健康経営の重要性と企業ニーズ
最近では、従業員の健康を経営的視点から捉える「健康経営」が注目されています。従業員の健康管理を単なる福利厚生ではなく、企業の成長や生産性のための投資と位置づける企業が増えているのです。このような背景のもと、産業保健師の役割はますます重要になっています。
健康状態の可視化や職場環境の改善支援を通じて、従業員のパフォーマンスやエンゲージメント向上に貢献する専門職として、多くの企業で配置が進んでいます。
また、従業員の健康を支える仕組みが整っている企業ほど、職場全体のパフォーマンスや人材定着率の向上にもつながるという考えが広がっています。
メンタルヘルス・予防医療への期待
産業保健師に求められる業務は多様化しており、従来の健康診断の管理や体調チェックにとどまりません。特に重視されているのが、メンタルヘルスや予防医療の分野です。
たとえば、次のような業務を担っています。
- 健康診断の管理(実施・結果フォロー)
- 日常的な健康相談の対応
- ストレスチェックの実施と分析
- メンタルヘルス対応や職場復帰支援
2024年度の統計局のデータによると、労働人口の高齢化が年々進んでいるのが分かります。これにより、企業が従業員の健康を守るためには、生活習慣病や慢性疾患の予防も重要な課題です。上記の業務を通じて、病気になる前に未然にリスクを発見し、対処する「予防的視点」が産業保健師には強く求められています。単に体調不良への対応にとどまらず、長期的な健康維持や職場全体の生産性向上に貢献する存在として期待されています。
さらに、近年ではテレワークをはじめとした働き方の多様化が進み、対面だけでなくオンラインによる健康支援や相談対応のニーズも増加しています。こうした変化に柔軟に対応し、従業員一人ひとりに寄り添ったサポートができる産業保健師は、これからの企業にとって重要な戦力として位置づけられています。
出典:労働力調査(基本集計)2024年(令和6年)平均結果の概要「第1就業状態の動向 1労働力人口」
保健師の主な就職先一覧

厚生労働省の報告によると、保健師の就職先としてもっとも多いのは、市区町村の自治体です。全体の半数以上がここに勤務しており、母子保健や高齢者支援、生活習慣病予防など、地域住民の健康を幅広く支えています。
次に多い就職先が保健所で、感染症対策や健康づくりなど、公衆衛生の専門的な業務に携わります。3番目に多い医療機関では、入院患者の退院後の生活支援や、地域との連携が保健師の主な仕事です。
そして、近年注目を集めているのが、企業に勤める産業保健師です。従業員の健康管理やメンタルヘルス対策、職場環境の改善などを通して、働きやすい職場づくりを支援しています。
このように、保健師にもさまざまな働き方があるのです。
出典:厚生労働省「令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」
産業保健師の就職先と雇用形態

企業で働く保健師として注目されている「産業保健師」は、働き方や雇用形態、就職先のバリエーションが多様です。医療機関や行政とは異なる立場で活躍できる一方で、どのような職場を選ぶべきか迷う人も少なくありません。
ここからは、産業保健師の代表的な就職先、雇用形態など、押さえておきたいポイントを解説していきます。
産業保健師の主な就職先
産業保健師の主な活躍の場は、次のとおりです。
- 大手企業の健康推進部門
- 中堅企業
- 健康保険組合
など
特に大手企業では、従業員数が多く専門的な健康管理体制が求められるため、専任の産業保健師が常駐するケースも少なくありません。
中小企業でも、派遣といった柔軟な雇用形態で産業保健師を採用する動きが広がっています。
産業保健師の雇用形態と働き方
産業保健師の雇用形態は多様で、正社員をはじめ、契約社員、派遣社員、嘱託社員として働く場合もあります。近年では、フリーランスとして企業と直接契約を結んで産業保健サービスを提供する働き方も増えてきました。
働き方の自由度が高まりつつある一方で、企業によって業務範囲や待遇に差があるため、自分に合った職場を見極めることが大切です。
産業保健師の給料・年収相場
保健師全体の平均年収は約475万円とされており、年齢があがるにつれて収入も増加する傾向にあります。
もっとも高い年代は55〜59歳で、年収が約600万円です。産業保健師の場合、病院勤務のような夜勤がないため、夜勤手当による収入アップは見込めません。その一方で、「土日祝休み」の企業が多く、残業も少なめといった働きやすさが特徴です。
収入アップを目指す保健師の方や、これから保健師を目指す方は、ぜひ参考にしてください。
産業保健師のメリット・デメリット
産業保健師として働く大きな魅力のひとつは、日勤のみで土日祝日に休みが取れる点です。勤務時間も9時〜18時前後が一般的で、病棟のように夜勤や急患対応に追われることはありません。
また、大企業であれば福利厚生が充実していることが多く、住宅手当や育児支援などの恩恵を受けやすい環境が整っています。さらに、医療処置よりも相談業務や書類作成が仕事の中心です。
ただし、デメリットもあります。産業保健師の求人数は限られており、人気も高いため、採用の競争率はかなり高めです。さらに、企業によっては保健師が一人だけという職場もあり、業務が多岐にわたる場合があります。
業務で使うデータ管理や報告書の作成などには、パソコンスキルも必須となるため、WordやExcelの基本操作は身につけておきましょう。産業保健師は、専門性と働きやすさを兼ね備えた魅力的な職種ですが、適性や希望する働き方をよく見極めることが成功のカギとなります。

保健師の就職先選びで大切なポイント

保健師としてのキャリアをスタートさせるにあたって、「どこで働くか」は将来を左右する重要な選択となります。行政、医療機関、企業など多様な就職先がある中で、自分に合った職場を見つけるためには、ただ条件を見るだけでは不十分です。
やりがいやライフスタイルとの相性、将来のキャリアプランまでを見据えて検討することが大切です。ここでは、保健師が就職先を選ぶうえで意識しておきたい4つのポイントを紹介します。
自分のやりたいこと・向いていることを知る
保健師として就職先を選ぶうえで、まず大切なのは「自分が何にやりがいを感じるのか」「どのような職場環境に向いているのか」を知ることです。
そのためには、自己分析が欠かせません。これまでの経験や価値観を振り返り、自分の得意・不得意や興味のある分野を整理してみましょう。自己分析によって、働き方の軸が見えやすくなります。
保健師に向いている人・向いていない人の特徴、保健師の種類とやりがい、保健師に向いていないと感じたときに行う対処法などを解説します。
働きやすさやライフスタイルとの相性
職場環境や働き方が、自分のライフスタイルと合っているかどうかも重要なポイントです。勤務時間、休日、育児や介護との両立がしやすいかなどを事前に確認しておくことで、働き始めてからのミスマッチを防ぎやすくなります。
企業のホームページをチェックするだけでなく、可能であればOB・OG訪問などを通じてリアルな声を聞いておくと、職場の雰囲気や働きやすさがよりイメージしやすいです。また、口コミサイトなども補足的に活用すると、職場のイメージがさらにしやすくなります。
将来的なキャリアを考える
今だけでなく「将来的に、どのような保健師でいたいか」という視点で考えることも大切です。将来像に応じて、選ぶ職場や働き方も変わってきます。
キャリアプランは「○歳までに」「○年後までに」と、具体的に設定しておくと方向性が明確にしやすくなります。
将来的なキャリアアップを目指すためにも、早いうちから情報収集を始め、スキルを活かした転職ができるよう準備しておきましょう。
未経験者が就職するためのポイント
近年、企業が従業員の心身の健康管理に力を入れてきており、産業保健師のニーズが高まっています。しかし、求人情報は限られているため、複数の転職サイトや求人媒体の定期的なチェックが大切です。
また未経験から産業保健師を目指す場合には、自分の経験やスキルを整理し、アピールできるポイントを明確にしておくと、選考でも有利に働きます。
例えば、次のようなスキルは産業保健の現場でも高く評価されます。
- 面談経験(患者対応・相談対応など):従業員との健康面談やフォローに活かせる
- 記録・報告書作成スキル:産業保健では報告書や面談記録の作成が日常的にある
- チーム医療や多職種連携の経験:産業医や人事部との連携に活かせる
- 健康教育や指導経験:職場でのセミナーや教育資料づくりに役立つ
自分の経験やスキルを整理する際は「過去に関わった業務を時系列に書き出す」「印象に残っているエピソードを掘り下げる」といった方法が有効です。
さらに、産業保健師専門の転職エージェントを活用することで、自分では気づきにくい強みを客観的に評価してもらえるほか、非公開求人や職場の内部情報なども得やすくなります。
そのため、転職サイトや求人媒体に複数登録し、自分に合った求人情報が出てないか定期的にチェックしておきましょう。

保健師の就職先でよくある質問(FAQ)

保健師としての就職や転職を考える際、多くの人が感じる疑問や不安にお答えするため、よくある質問をQ&A形式でまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
保健師の就職先で人気が高いのはどこ?
保健師の就職先として人気が高いのは、企業で働く「産業保健師」です。夜勤がなく日勤中心の勤務が多いため、生活リズムを整えやすく、ワークライフバランスを重視したい人にとって理想的な働き方といえるでしょう。
また、企業側でも「健康経営」を掲げる動きが増えているため、産業保健師の需要が高まっています。メンタルヘルスの対応や職場環境の改善を通じて、人材の定着向上や生産性アップを目指す企業も多く、今後さらに需要が広がることが期待されます。
産業保健師の求人はどこで見つかりますか?
産業保健師の求人は、ハローワークや看護師・保健師向けの転職サイト、求人検索エンジンなどで探すことができます。中でも特におすすめなのは、アポプラス保健師のような保健師専門の転職エージェントや派遣会社を活用する方法です。
転職エージェントでは、一般的には公開されていない非公開求人を含め、多数の求人を扱っており、キャリアや希望条件に合った求人をアドバイザーが紹介してくれます。
「どんな職場が自分に合っているかわからない」「一人で探すのが不安」という方でも、丁寧なサポートを受けながら、自分にぴったりの職場に出会える可能性が高まります。
未経験で転職した場合の給与は?
未経験の場合、年収はおおよそ350万~450万円が目安とされます。夜勤がない分、病棟看護師より年収はやや下がる傾向にありますが、土日休みや残業の少なさなど、働きやすさの面でのメリットが大きいです。
子育てと産業保健師の仕事は両立できますか?
多くの産業保健師は日勤・土日祝休みで働いているため、保育園や学校行事にも対応しやすい環境です。特に、大手企業や健保組合などでは、子育て中の保健師も多く、柔軟な勤務体制が整っている職場も増えています。
保健師としてキャリアアップするには?
専門分野(メンタルヘルス、特定保健指導など)を深めることや、大学院進学、資格取得が有効です。資格の中でも特に、「第一種衛生管理者」は保健師免許を持っていれば、申請手続きを行えば取得可能です。就職先によっては、採用面で有利になる場合があります。
他にも「産業カウンセラー」や「メンタルヘルス・マネジメント検定」、「健康経営アドバイザー」などの資格は産業保健師の専門性も高められます。取得しておけば、就職活動にも役立つ資格です。
産業保健師の就職先に迷ったら

産業保健師として働きたくても、どのような職場を選べばよいのかわからず、悩んでしまう人もいます。実際の業務内容や職場環境は企業によって大きく異なり、求人情報だけではわからない場合があります。
そのため、さまざまな視点から情報を集め、自分に合った職場の見極めが大切です。ここでは、就職先選びに迷ったときのヒントをいくつかご紹介します。
OBOGや現場の保健師の声を聞いてみる
産業保健師としての働き方に迷ったときは、実際にその道を選んだ人の声に耳を傾けてみましょう。
現場で働く人の体験談からは、職場の雰囲気、業務の進め方、やりがいや苦労など、求人情報では見えにくいリアルな情報が得られます。
たとえば、ある30代女性は、病棟勤務から企業の産業保健師へ転職し、「業務の一つひとつに"予防"の視点があるのが新鮮だった」「自分の提案で社員の働き方が変わったときに大きなやりがいを感じた」と語っています。
実際に勤めている人あるいは勤めていた人の声は、下記の情報がわかりやすくなります。
- 職場の雰囲気
- 業務内容
- やりがいや苦労など
求人情報だけでは伝わらない情報を得られます。
このような声はOBOG訪問や、現場保健師へのインタビュー記事などで得ることができます。リアルな体験談に触れることで、自分の将来像や向いている環境がより明確になるでしょう。
体験談一覧記事はこちらからご覧ください。
就職支援サービスを活用する
一人で情報収集していると、どうしても視野が狭くなりがちです。そのようなときは、紹介予定派遣や就職サポートがある転職サービスなどを活用してみましょう。
「アポプラス保健師」では多くの産業保健師の求人を扱っており、コンサルタントがキャリアプランに合った情報提供も行ってくれるため、就職活動も安心して勧められます。
プロのサポートを受けながら活動すれば、自分では見つけられなかった可能性にも出会えるかもしれません。
自分の強みや適性を確認する
どのような職場が自分に合っているのかわからない場合は以下の内容を整理してみましょう。
- 自分にとっての働きやすさ
- 得意なこと
- やりがいを感じる場面など
自分の適性や得意分野によって、選ぶべき就職先は変わってきます。
例えば、人とじっくり向き合うのが得意な方は、面談を中心の産業保健に向いているかもしれません。一方で、情報整理や資料作成が得意な方は、健診結果の分析や健康教育資料の作成が求められる職場が合っている可能性もあります。
実際に、35歳で産業保健師に転職した女性の体験談では、「夜勤のある病棟勤務に比べて、体力的にとても楽になりました。ただ、一人職場で誰にも相談できず、最初は孤独でした」と語られており、自分に合った環境やサポート体制の有無が職場選びの重要なポイントになることがよくわかります。
このように、自分の強みや適性を知ることで、自分に向いている働き方や職場が見つけやすくなります。焦って進路を決める前に「自分が働きやすいのはどんな環境か」考えてみましょう。
まとめ:保健師・産業保健師の就職先は、自分らしい働き方ができる環境を選ぼう!

保健師の就職先は、行政や学校、企業、病院など多岐にわたり、働き方や求められる役割もさまざまです。中でも産業保健師は、日勤中心で働きやすく、従業員の継続的な支援にやりがいを感じる人に向いています。
長く活躍するためには、自分の適性やライフプランに合わせた職場選びが重要になります。保健師としてのキャリア形成を考えるうえで大切なのは、条件面だけでなく、自分の人生設計に合った持続可能な働き方を見極めることです。
アポプラス保健師は、そのような悩みに寄り添ってくれる専門サービスです。自分にぴったりの働き方を見つける一歩として、アポプラス保健師にぜひ相談してみてください。
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