【保健師】体験談【体験談あり】看護師から保健師への転職完全ガイド|年収・やりがい・働き方のリアル
公開日:2014年11月24日
更新日:2025年08月28日

こんにちは、保健師転職のアポプラス保健師ライターチームです。
「看護師から保健師になりたいけど、看護師の経験は活かせるのかな?」
「保健師に転職した後の仕事内容や生活が気になる」
「保健師になりたいけど、他の人の体験談や転職理由を知りたい」
そんな疑問や不安をもつ看護師の方や家庭の事情に合わせた働き方を模索している方に向けて、看護師から保健師への転職について詳しく解説していきます。
近年、企業の健康維持や予防医療、メンタルヘルス対策を重視する企業が増え、保健師の需要は高まっています。
この記事では、夜勤や不規則なシフトから解放され、心にゆとりを持って働きたいと願う看護師さんに向けて、保健師への転職について詳しく解説します。働き方の違いや気になる年収、やりがい、実際に転職した先輩たちのリアルな声も紹介していきます。看護師から保健師への転職に関する質問にも回答しているので、保健師に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
目次
- ・看護師と保健師は全くの別物?業務内容を徹底比較
- ・【厚労省データで比較】保健師と看護師の年収・待遇のリアルな差
- ・看護師から保健師になる方法|必要な資格・学校選び・最短ルート
- ・看護師・保健師それぞれの役割とやりがい
- ・なぜ看護師は保健師に転職するのか?よくある3つの理由
- ・【体験談】看護師から保健師に転職して良かった3つのこと
- ・保健師転職前に感じやすい不安とその解消法【経験者の声】
- ・これから保健師転職を考える看護師の方へ|失敗を防ぐ3つのアドバイス
- ・看護師から保健師への転職でよくある質問
- ・看護師から保健師への転職は「やりがい×働きやすさ」で選ぼう
看護師と保健師は全くの別物?業務内容を徹底比較

看護師の役割は、病気や怪我の「治療」のサポートを担当することです。一方、保健師は病気や事故を「予防」し、健康を維持・増進することが主な役割です。両者は役割が異なるため、業務内容も大きく異なります。
看護師の主な業務内容
看護師は、医師の指示のもとで病気や怪我を抱えている患者さまの治療をサポートします。
具体的には、以下のような業務を担当します。
- 医師が行う診療・検査の補助
- 医師の指示に基づく医療行為(採血、点滴、注射、投薬など)
- バイタルサイン測定(血圧、体温、脈拍など)
- 療養上の世話(食事、トイレ、入浴などの介助)
これらは、主に病院やクリニックで行われ、患者さまの回復を直接支える現場の仕事が中心です。病院によっては、交替制勤務や夜勤の業務も行うことがあります。
保健師の主な業務内容
保健師は、働く場所によって業務内容が多岐にわたりますが、どこの職場も共通して「予防」に携わる業務を担当しています。働く場所としては、主に行政機関、一般企業、学校、病院・クリニックなどが挙げられます。
行政機関で公務員として働く保健師は「行政保健師」と呼ばれます。保健所や保健センターなどで、地域包括支援センターなどに勤務し、地域住民の健康促進や感染症対策、健康相談などに従事します。
企業で働く「産業保健師」は、従業員の健康診断やストレスチェック、職場環境の改善などを通じて、職場全体の健康づくりに貢献します。
学校に勤務する「学校保健師」は、生徒や教職員の健康管理や応急処置、メンタルヘルスケアなどを担当し、学習環境を支えています。
また、「病院保健師」は、健康診断を受けた人や外来・入院患者への健康相談、保健指導などに加え、医療従事者など職員の健康管理やメンタルヘルスケアにも携わります。
このように、看護師が治療現場での直接ケアが中心であるのに対し、看護師から保健師に転職した場合は、予防と健康支援を主軸にした幅広いフィールドで活躍できるのが特徴です。
産業保健師の業務内容、年収、なり方などを詳しく解説します。
産業保健師は、行政保健師などとはまた違ったメリットを感じられる仕事でもあります。ぜひ、転職先の一つとして検討してみてください。
【厚労省データで比較】保健師と看護師の年収・待遇のリアルな差

看護師から保健師に転職したいけど、収入は下がらないかと不安に感じる方も多いのではないでしょうか。ここでは、看護師と保健師の年収や働き方の違いについて、厚生労働省の統計データをもとに解説します。
以下は、「令和6年賃金構造基本統計調査」に基づいた、看護師と保健師の平均給与および平均賞与です。
これをもとに、平均年収(平均給与×12 +平均賞与)も算出しています。
平均給与(月額) | 平均賞与(年額) | 平均年収 (平均給与×12+平均賞与) |
|
---|---|---|---|
看護師 | 363,500円 | 835,000円 | 5,197,000円 |
保健師 | 351,100円 | 999,200円 | 5,212,400円 |
令和6年に実施されたこの調査では、保健師の方が看護師と比べてわずかに平均年収が高いことがわかります。この「平均給与(月額)」は、基本給に加え、時間外勤務手当や深夜勤務手当なども含む金額となっています。
看護師の就職先でもっとも多いのは病院です。厚生労働省が公表している「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)概況」によると、65.7%の看護師が病院で勤務しています。病院では、シフト制勤務が基本で、夜勤を含む交替制勤務が基本です。
「2024年病院看護実態調査」によると、夜勤回数の平均でもっとも多いのは、2交替制病院で「4回超~5回未満」で33.0%、3交替制の病院で「月7〜8回未満」で26.1%でした。看護師の平均年収約519万円には、これらの夜勤手当も含まれています。
一方、保健師の就職先でもっとも多いのは市区町村です。厚生労働省が公表している「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、52.3%の保健師が市区町村で勤務しています。職場や時期によっても差はありますが、基本的には日勤のみで、土日や祝日は休み、残業も比較的少ないとされています。
産業保健師・行政保健師や保健師・看護師の年収の違いについても丁寧に解説します。医療業界へ進もうと考えている方や転職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
看護師から保健師になる方法|必要な資格・学校選び・最短ルート

保健師として働くためには、看護師免許と保健師免許の両方が必要です。
すでに2つの資格を取得している人は、保健師として働きたい行政機関や企業の求人に応募し、採用されることで保健師として勤務ができます。求人は、転職サイトや保健師に特化した転職エージェントを活用して探すのがおすすめです。
一方で、看護師免許のみを取得している方は、保健師養成過程のある学校に入学し、1〜2年の教育課程を修了する必要があります。通信講座では受験資格を取得できないため、授業や実習を含む過程を受ける必要があります。その後、保健師国家試験に合格し、保健師免許を取得して初めて保健師として働けるようになります。
多くの養成校では、授業や実習が日中に行われるため、常勤看護師として働きながら通学するにはハードルが高い傾向があります。家庭の事情やライフスタイルなどに応じて、生活環境の見直しが求められるかもしれません。
看護師・保健師それぞれの役割とやりがい

ここでは、看護師と保健師の役割や、やりがいについて紹介します。
看護師の役割とやりがい
看護師の主な役割は、病気や怪我の「治療」に関わることです。患者との関わりを通じて、以下のようなやりがいを感じることが多くあります。
- 患者さまが回復する過程に携われる
- 患者さまやご家族から感謝の言葉をかけてもらえる
- 知識や経験を活かせる
- 医療を通じて社会に貢献できる
- 安定した年収を得られる
特に、患者とのふれあいで感じるやりがいは看護師ならではの魅力です。
保健師の役割とやりがい
保健師の主な役割は、病気や事故を「予防」し、健康を維持・増進することです。保健師は、次のような点でやりがいを感じています。
- 従業員や生徒、地域住民などに寄り添い健康をサポートできること
- 幅広い知識を習得し業務に活かせること
- 感謝の言葉をかけてもらえたこと
- 知識や経験が役立つこと
- キャリアアップできること
例えば、看護師時代の臨床経験や観察力を活かして、リスクの高い人を早期に見つけ、医療につなげられることもあります。
なお、保健師は就職先(企業・学校・自治体)によって業務内容が大きく異なるため、やりがいを感じ方もさまざまです。保健師がどのようなやりがいを感じているか詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
保健師に向いている人・向いていない人の特徴、保健師の種類とやりがい、保健師に向いていないと感じたときに行う対処法などを解説します。
保健師として働く人々が、具体的にこの仕事のどのような点に魅力ややりがいを感じているのか、実際の保健師の体験談とともにご紹介します。
なぜ看護師は保健師に転職するのか?よくある3つの理由

看護師としての経験を活かしながら、保健師として健康維持や増進に貢献したいという転職者が多く見られます。
看護師から保健師への転職を決める代表的な理由は、予防医療への関心の高まり、ライフスタイルに合わせた働き方の模索、そして体力的な負担の軽減の3つです。ここでは、それぞれの理由について詳しく解説します。
予防医療への関心が高まった
看護師の仕事を通じて、病気の予防や健康管理への関心が高まり、保健師への転職を決める方が増えています。患者さまと関わる中で、生活習慣が病気の原因となるケースや、治療効果に影響を与えたりすることに気づくケースが多くあります。こうした経験から、病気になる前から支援に携わりたいと考えるようになるのです。
看護師の業務を通して「予防」の重要性を実感し、より広い範囲で病気や怪我をする前に携わりたいという気持ちが、大きな転職するきっかけになる動機となっています。また、個人だけでなく、地域全体の健康を守る仕事に興味を持つことも、保健師への転職を考える理由の1つです。
ライフスタイルの変化に合わせた働き方
看護師の多くが病院勤務であり、夜勤を含む不規則なシフト勤務が一般的です。そのため、生活リズムが乱れやすく、体調管理や家庭との両立などに苦労する方も少なくありません。
一方保健師が勤務する職場は、土日祝日が休みで残業も少ない傾向が多いです。そのため、保健師はワークライフバランスを保ちやすい職場が多いのが特徴です。こうした働きやすさを求めて転職を選ぶ方も増えています。
体力的な負担の軽減
看護師は、勤務形態や業務内容の違いから、体力的な負担を軽減するために、保健師に転職したケースも多く見られます。
保健師が務める職場は土日・祝日が休みで残業も少なく、生活リズムを整えやすい勤務形態です。また保健師は、健康相談や保健指導などのデスクワークが中心となるため、看護師時代に比べて体力的な負担が軽減される傾向にあります。
【体験談】看護師から保健師に転職して良かった3つのこと

ここでは、看護師から保健師に転職して「良かった」と感じたポイントを、実際の体験談をもとに紹介します。
看護師は、夜勤を含む不規則な勤務形態の中で、患者さんの治療や介助など責任の重い業務に日々取り組んでいます。命に関わる現場であることから、常に緊張感を持ち、ミスが許されない環境で働いている方も多いでしょう。
こうした中で、看護師としての経験を活かしつつ、ライフスタイルの変化や家庭との両立を図るために、転職を検討する人が増えています。その選択肢のひとつとして注目されているのが「保健師」です。ワークライフバランスを保ちながら、これまで培った医療知識や観察力を活かせる職種として、保健師への転職を希望する方が増加傾向にあります。
実際に、看護師の業務を通じて「予防」の大切さに気づき、より早い段階で人々の健康を支えたいと考えるようになった方が、保健師として新たなキャリアを歩んでいます。
ここからは、仕事と家庭の両立を実現しながら、やりがいをもって保健師として活躍しているSさん(産業保健師)の体験談から、転職後に感じた主なメリットを整理しました。
- 土日が休みで夜勤もなく、規則正しい生活が送れる
- 自分のペースで仕事を進められる裁量がある
- 健康管理や予防医療など、広範な領域の知識を学べてスキルアップできる
土日が休みで夜勤もなく、規則正しい生活が送れる
看護師時代は夜勤や不規則な勤務が続き、家庭との両立に悩みがあったそうですが、保健師に転職後は、土日休み・定時退社も可能な勤務スタイルになり、精神的にも身体的にも余裕が生まれたと実感されています。
自分のペースで仕事を進められる裁量がある
現在は、週1日の在宅勤務制度を利用しながら、仕事の進め方を自分のペースでコントロールできることに好意を持っているとのことです。「急な家庭の事情にも柔軟に対応できる点が助かっている」といった声もあります。
健康管理や予防医療など、広範な領域の知識を学べてスキルアップできる
病院勤務中に感じていた「なぜこのようなことが起こるのか」という疑問がきっかけで、予防・分析に関わる保健師の仕事に魅力を見いだし転職を決意したそうです。現在は企画や保健指導、データ分析などを通じて、業務領域への関与度が高まり、やりがいにつながっているといいます。
このように、保健師に転職したことで、精神的・体力的な負担が軽減され、仕事と家庭を両立しやすい環境で働けているという声が多いです。
ただし、Sさんは現職でも「急な休みは取りづらく、家庭との調整に苦労することもあった」と語ります。つまり、全ての環境が完全な理想通りではないことも事実です。勤務場所選びにおいては、"在宅可か/代替可能な体制か"などの細やかな点に注目し、自分に合った職場を見極めることが重要です。
保健師転職前に感じやすい不安とその解消法【経験者の声】

看護師から保健師に転職を考えたときに、「実際の業務内容がわからず不安」「職場に他の保健師がいないため相談できない」といった悩みを抱える方は少なくありません。特に一人職場の場合は、日々の業務の進め方や困ったときの対応などがイメージしにくく、転職に踏み切れない要因になることもあります。
こうした不安を感じた際に、アポプラス保健師が開催する研修が助けになる場合があります。研修では、講師が自身の経験を交えながら、実際の業務の流れや注意点を具体的に解説してくれるため、保健師の業務内容への理解が深まりやすくなります。
さらに、研修を通じて他の保健師と交流できることもメリットです。他の現場の話を聞くことで、自分では気づかなかった視点や知識を得られるだけでなく、「一人じゃない」と感じられる安心感にもつながります。一人職場が多い保健師にとって、こうした研修でのつながりは、貴重な情報交換の場であり、仕事への不安を軽減する大きな支えとなります。
これから保健師転職を考える看護師の方へ|失敗を防ぐ3つのアドバイス

看護師から保健師への転職に興味はあるものの、不安が大きく転職をためらっている人も少なくありません。しかし、看護師の経験は保健師への転職で大きな強みとなることが多いです。
保健師は必ずしも看護師の経験が必須ではありません。ただし、応募者が多数いる場合は、看護師の経験が選考で有利になるケースが多いです。
これは、下記のように保健師の業務でも、看護師の知識や経験が役立つ場面があるからです。
- 体調不良や怪我の応急処置
- メンタルヘルスケア
- 日常生活を意識した情報収集やかかわり方など
看護師から保健師へ転職する際は、情報収集が重要なポイントとなります。就職先によって、待遇や業務内容、職場の雰囲気や文化、人間関係などが大きく異なります。
そのため、自分のライフスタイルやキャリアプラン、価値観、性格に合った職場を選ぶことは非常に重要です。保健師への転職に不安を感じる方は、キャリアカウンセリングを活用したり、自分に合う求人の紹介を受けられる転職エージェントに相談してみることが有効です。

保健師の年齢制限について紹介するとともに、看護師のキャリアを積んでから保健師資格を取得するメリット、大変だと言われる理由、勉強方法、働き方のイメージなどを紹介します。
産業保健師になるためには臨床経験が必須なのか、未経験でも転職は可能なのかについて解説します。
看護師から保健師への転職でよくある質問

ここでは、看護師から保健師への転職に関するよくある質問に回答します。
Q.看護師と保健師、どちらが自分に向いているかをどう判断すればいいですか?
看護師と保健師のどちらが向いているかを判断するためには、それぞれの役割や業務内容の違いを理解することが重要です。
看護師と保健師では、就職先や関わる人、働き方なども異なるため、自分のキャリアパスや価値観、性格などを踏まえたうえで、どちらが向いているかを総合的に判断しましょう。
Q.保健師になるにはどんな資格や経験が必要ですか?
保健師として働くためには、看護師免許と保健師免許の両方が必要です。実務経験は必須ではありませんが、求人によっては看護師や保健師としての経験を求める場合もあります。特に、経験者を優遇する求人も多いため、看護師としての実務経験があると有利に働くこともあります。
Q.看護師から保健師への転職は難しいですか?
看護師と比べると、保健師の求人数は少ないため、競争率が高いのが現状です。求人の中には、看護師や保健師としての経験が求められるものもあります。そのため、保健師への転職は看護師と比べて、転職の難易度は高い傾向にあります。
看護師から保健師への転職は「やりがい×働きやすさ」で選ぼう
看護師と保健師は、役割や業務内容が大きく異なります。看護師から保健師に転職した人の体験談によると、土日が休みで夜勤がなく、日々の業務量を自分で調整できる点などが大きなメリットと感じています。
保健師への転職活動では条件だけに注目するのではなく、キャリアパスや価値観、性格に合った職場を選ぶことが重要です。アポプラス保健師では、一人ひとりのキャリア形成をサポートし、真正面から向き合う専門サービスを提供しています。
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