【保健師】インタビュー【インタビュー】看護師から保健師としての転職で、家庭と仕事が両立しやすくなるのはホント?
公開日:2024年07月26日
こんにちは、保健師転職のアポプラス保健師ライターチームです。
保健師として転職したことで、家庭と仕事の両立で抱えていた悩みが解決できました。興味を持っていた分析や予防に携わることができ、やりがいを感じています。
24時間365日休みなく稼働し、ミスが許されない医療現場においては、夜勤をはじめとした不規則な勤務や、高い緊張感が求められます。そのため看護師としてキャリアを歩む中で、ワークライフバランスの悩みを抱える方が少なくありません。
実際に結婚や出産をきっかけとした家庭と仕事の両立を理由に転職を考える方も多く、厚生労働省の調査によれば、看護師の離職理由において結婚と子育てがそれぞれ1位と2位を占めています。
看護師の資格や経験を活かせる職業の1つとしてあげられるのが保健師ですが、保健師として転職することで本当にこのような悩みを解決することはできるのでしょうか。今回は保健師のワークライフバランスについて、現役産業保健師に話を伺いました。
目次
- ・分析や予防への興味と、家庭との両立で感じた葛藤から保健師への転職を決意
- ・夜勤や勤務時間だけではない!保健師のワークライフバランスを左右する要素とは
- ・合わない点はハッキリと伝える、アポプラス保健師のコンサルタントから感じた信頼
- ・保健師業務の解像度を高めれば、未経験でもアピールできるポイントが見えてくる
産業保健師 S様
4年制の医療系の大学で、看護師免許・保健師免許を取得。計12年看護師として勤務したのち保健師として転職。1年半ほど保健師として働いた後に再度転職し、現在所属する企業の健康保険組合で半年ほど産業保健師として勤務している。

分析や予防への興味と、家庭との両立で感じた葛藤から保健師への転職を決意
―まずは、S様が保健師になるまでのご経歴を教えてください。
高校生の頃、子ども好きが高じて小児科や保育園など子どもに携わる仕事をしたいと考える中で看護の道に進むことを決め、医療系の大学を選びました。しかし大学の実習中、入院して親御さんと離れ寂しそうにしているお子さんをみて自分もとても辛い気持ちになったことで、子どもだけでなく成人にも関わる仕事に就きたいと思い、集中治療室勤務の看護師になりました。
育休・産休取得後は循環器科と腎臓内科に勤務、その後外来勤務を担当しました。そこでスタッフが少ない中、さまざまなトラブルに対応しているうちに「なぜこのようなマニュアルなのだろう」「医療現場でミスが起こるのはなぜなのだろう」「どうしたらこの患者さんは病気にならなかったんだろう」とその原因を考えるようになり、分析や予防に携わりたいと思うようになったんです。
そして、人々の病気の予防と分析的な業務に携われる保健師に興味を持ち、転職することにしました。保健師としても一度転職をしており、現在は2社目になります。
―看護師として勤務していた際の業務はいかがでしたか。
看護師として集中治療室にいた間は、重篤な患者さんの看護を主に担当していました。仕事中は常に緊張感と隣り合わせでしたね。循環器科と腎臓内科では、症状が重くなく動けるがゆえに転んでしまうといった思わぬトラブルが多く、人手が足りない中で業務を回すのが大変でした。
―保健師への転職を決めたきっかけはなんでしょうか。
外来での勤務になってから、子どもが小さかったこともあり、保育園のお迎えで仕事を残してしまうことが多くなりました。24時間交代で働く看護師にとって引き継ぎは日常的ですが、業務が中途半端な状態で次のシフトの方に引き継がなくてはならないのが心苦しく、仕事をやりきれていない自分自身にもフラストレーションを抱えるようになりました。
また、病院勤務では夜勤があるため、子どもが二人いる状態では継続するのが難しいとも感じていました。家庭や子どもと向き合えてはいましたが、心の中では仕事と両立しきれていない葛藤があり、どこか後ろ髪を引かれている。そんな気持ちが強くなり、保健師へと転職を決めました。
―保健師に転職するうえで、とくに重視した点を教えてください。
看護師をしていた時は、保健師という仕事がどのようなものかわかっていなかったため、未経験でも採用してくれること、幅広い業務を経験させてくれることを重点に置き、転職活動を行いました。保健指導だけでなく、「なぜこのようなことが起こるのか」といった分析に携われるところがよいとも考えていましたね。また家庭のことを考え、夜勤がなく土日休みであり、17時過ぎには帰れるかどうかも重視していました。
夜勤や勤務時間だけではない!保健師のワークライフバランスを左右する要素とは
―保健師に転職したことで、このような悩みは解決しましたか?
実は保健師として転職した1社目では、新たな悩みも生じていました。
前職では企業や行政から保健事業を受託する立場にあり、いわば民間と行政の中間の立場で保健師として勤務していました。土日休みで夜勤もなく、仕事を残して次の方に引き継ぐことは無くなった一方で、日々のスケジュール調整に苦労するようになったんです。
主な業務となる保健指導は予約制で時間が決まっているため、自分自身がその日に必ず担当せねばならず、家庭の都合で急に休むのが難しい環境でした。仕事に穴を開けてはいけないという気持ちがあり、家庭の事情と調整するうえでのプレッシャーは残ったままでした。
また前職の業務では、健診センターでの保健指導から行政への営業活動まで、非常に広い領域を任せていただいていました。元々希望していたことでもあり色々と学べた一方で、何にコミットすべきなのかが見えなくなってしまったという苦労もありましたね。
そこで再度保健師として転職をしたのですが、その際は、改めて家庭の事情を最優先しました。息子が小学一年生になる直前に体調を崩してしまったこともあり、在宅もできず、自分自身が必ず出勤しなくてはいけない環境での勤務が難しくなったという事情も影響しています。
在宅勤務ができて、日々の仕事を自分の都合に合わせて調整でき、いざという時には他の方に自分の仕事を代替してもらえる。そんな環境が整っている職場を探しつつ、前職で学んだ知識をきちんと活かせるよう求人を探した結果、ある企業の健康保険組合に所属する産業保健師として勤務することになりました。
―現職での業務内容や働き方、勤務環境を教えてください。
現在は土日休みで、平日9時〜17時半で勤務をしています。朝から晩まで基本的にはデスクワークです。メールの確認、被保険者さんやご家族から電話対応や、検診の案内、健康管理に携わる方に向けた情報発信やその調整、保健事業の企画運営、集めた医療費の予算を割り振り、健診先との調整、提携先の病院との契約業務などを担当しています。
週一の在宅勤務が可能で、「明日早く帰りたいから今日は少し多めに業務を終わらせておこう」と自分の裁量で日々の業務量を調整できるのが嬉しいですね。
繁忙期は月20時間ほどの残業がありますが、それ以外の時期は月10時間程度の残業時間で済んでいます。看護師時代も残業は多くなかったため時間は大きく変わりませんが、家庭と仕事の両立で抱えていた悩みは解消できました。
もちろん苦労がないわけではありません。前職は行政保健師に近い働き方で、4月に年間の業務がスタートし、翌年の3月で終わりで一区切りがあるため業務のキャッチアップが比較的簡単でした。しかし、現職の産業保健師は、すでに走り始めているプロジェクトに途中から携わる場合が多く、そこに追いつくため日々奮闘しています。
合わない点はハッキリと伝える、アポプラス保健師のコンサルタントから感じた信頼
―アポプラス保健師経由で転職しようと決心した理由をお聞かせください。
大手企業の求人を見て連絡した時に「あなたのやりたいこととは違うので、相性がよくなさそうです」と言いにくいことをハッキリと伝えてくれて、信頼できると思ったからです。
元々は「保健師転職」とインターネット検索をした際に、最初に目に留まったため登録したのですが、私のやりたいこと、性格、家庭の事情などをしっかりと把握したうえで、的確にアドバイスくださいました。他の転職エージェントにも話を伺っていたのですが、いきなり複数の求人を紹介され、メリットばかりを伝えてくる印象を受けたため、どうしても不安や怖いといった考えを持ってしまいましたね。
電話窓口の担当の方が「新しい情報が出たらお伝えしますね」「あまり焦らずにいきましょう」と、寄り添ってくれたのも安心感がありました。そのこともあって、保健師として働き始めた前職への転職活動時から利用させてもらっています。
前職へ入社する際は保健師になるための初めての転職だったので、求人の見方もわかりませんでしたし、各企業・組織の特徴も違いがわかりませんでした。しかし、その辺りも含めて丁寧に教えてくださいました。履歴書の修正の指示も細かく、やりとりもスムーズでした。現職を探す際は、前職との違いを明らかにしたうえで候補の企業・組織をご提案くださったのもよかったです。
保健師業務の解像度を高めれば、未経験でもアピールできるポイントが見えてくる
―保健師への転職を成功させるポイントがあれば教えてください。
初めて保健師を目指す場合は、実際の保健師の仕事内容が把握しきれず、企業・組織ごとの違いもわかりづらいと思います。そのため、確認できる資料から業務内容をできるだけ把握するように努めたり、どのような組織とどのように連携しているのかを調べて関係性や担当業務を自分なりに想像しておく必要があります。具体的に何をしているところなのかイメージするのが難しければ、アポプラス保健師に聞くのもよいと思います。
また、現職を選ぶ際は、過去の仕事で嫌だったことや合わないと思ったこと、支障のあったことなどを洗い出し、同じ思いをせずに済むような職場を選ぶようにしました。その結果、現在はあまり不満もなく、ギャップも感じていません。転職先で今の悩みがきちんと解消できるように、今の自分の悩みやこうありたいという姿をありのまま捉え、求める条件を考えることが大切だと思います。
―面接時の対策や、自己PRのコツがあれば教えてください。
分析や予防に対して興味があったため、その興味の背景にある経験や理由を深掘りし、きちんと自分の言葉で説明できるように面接への準備をしました。また、面接時には、合格したいという感情のために自分自身に嘘をつかない方がよいと思います。面接は企業と自身のすり合わせの場でもあるため、希望をしっかりと伝えるようにしましょう。嘘をついてしまうと、採用された後にギャップに苦しむのは自分だからです。
看護師の時に患者さんと向き合ってきた経験は、今の保健師の仕事にも活きています。看護師から保健師へ未経験で転職する場合は特に、看護師の仕事で身につけた知識や技術に注目し、保健師としてどのように役立てることができるのか、アピールするのもよいと思います。健診結果を看護師の目線で分析したり、病歴に目を向けたり、病院ではどのような対応を受けるかをイメージするのは、まさに看護師としての経験も活きる部分ですね。
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多くの場合、保健師として働くことで不規則な勤務はなくなります。しかしながら、家庭と仕事の両立を視野に入れると、在宅勤務の有無や業務内容、職場におけるフォロー体制など、より細かい点に目を向けて、求人を選ぶ必要があることがわかりますね。
看護師から保健師としての転職では、保健師業務への理解を深めるのはもちろん、自己PRや面接対策、求人探しなど多くのことを考えなくてはなりません。何から始めればいいか、求人をどのように選べばいいか、不安な点が少しでもあれば、ぜひアポプラス保健師へご相談ください。