【保健師】仕事内容・役割保健師に必要な研修とは?スキルアップ・育成のポイントを解説
公開日:2024年08月28日
こんにちは、保健師転職のアポプラス保健師ライターチームです。
自治体の保健所や企業など幅広い場所で活躍する保健師は、最新知識を吸収して実務に役立てる研修を受けなければなりません。衛生に関する法律の改定や、新たな病原菌の流行など、医療や衛生を取り巻く環境は、日々変化しているからです。
また、保健師の業務内容は多岐にわたるため、実務に当たっては幅広いスキルが求められます。そのためにも、研修の受講によってスキルアップさせなければなりません。今回は保健師に必要な研修や便利なスキルについて解説します。
目次
- ・保健師に必要な研修とは
- ・保健師の研修は様々な組織がおこなっている
- ・研修に加えて保健師が取得しておくとよい資格
- ・保健師が研修を通して高めたいスキル
- ・研修と合わせて意識したい保健師のキャリア
- ・まとめ|アポプラス保健師は保健師のキャリアアップを全力サポート!
保健師に必要な研修とは
公衆衛生や予防医学に関する研究は進展し続けており、知識や技術が常に進化しているため、保健師は絶えず知識をアップデートしなければなりません。
「保健師助産師看護師法第二十八条の二」により、免許を受けた保健師は、就業後も臨床研修やそのほかの教育研修を受け、その資質の向上を図るように努めなければならないと定められています。
保健師に必要な研修としては、地域保健や学校保健、産業保健など、自身の専門分野に関する知識を深めるためのもの、健康増進に関する最近の動向や新しい技術を学ぶためのものがあります。また、保健師として働く上で重要なリーダーシップや災害時の実践的スキルを身につける研修も、必要に応じて受けるとよいでしょう。
保健師の研修は様々な組織がおこなっている
厚生労働省が公表する「保健師等の人材育成について」によると、令和4年度の時点で保健師が認識している現状の課題問題として、職場内研修が困難と答えた割合が全体の37.7%にものぼりました。さらには、研修機会の減少が19.2%という結果も出ています。
この事実から、保健師を取り巻く研修の現状は、徐々に難しくなっているとわかります。しかし、同資料による保健所の役割として期待するものの回答の中で、人材育成・研修を希望する声は全体の77.7%にものぼりました。
保健師にとって、人材育成や研修は実務において重要な役割を占めているとわかります。保健師の研修制度は、職場内だけでなく、協会や社団法人によっても実施されているものです。現状では、小規模の地方公共団体や企業で研修をおこなうことが難しいとされているため、社団法人の実施する研修に参加することが効果的といえます。
こちらでは保健師の研修をおこなっている三つの組織と、研修の概要について解説します。
全国保健師教育機関協議会
全国保健師教育機関協議会とは、昭和55年10月に設立された、全国の保健師教育機関の発展と教育に向けた活動をおこなっている一般社団法人です。全国保健師教育機関協議会では、年に2回〜4回の研修会を実施しています。
例えば、2024年には以下の研修の実施が予定されています。
- 夏季教員研修会
- 秋季教員研修会
- 東海・近畿北ブロック、北陸・近畿南ブロック合同研修会
- 公衆衛生看護学を教授する教員〈ラダーⅠ〉研修
内容はそれぞれ異なりますが、キャリア形成の支援や地域づくり・健康に関するスキルアップといったテーマがメインです。開催場所は札幌や東京などバラバラですが、研修項目によってはZoomによるオンライン配信もおこなっています。
日本看護協会
日本看護協会とは、保健師・助産師・看護師・准看護師を含めた看護職の開発と発展に取り組んでいる公益社団法人です。日本看護協会では、保健師に向けた以下の現任教育を実施しています。
- 保健師のキャリア形成推進事業
- 統括保健師人材育成プログラム
- 保健指導ミーティング
- 中堅期保健師コンサルテーションプログラム
また、本組織では「オンデマンド研修・リアルタイム研修・組合せ研修・オンデマンド研修+都道府県看護協会での演習」という4つのスタイルで研修を実施しており、スキル分野別で分類1〜4の研修項目が受講可能です。臨床実践能力や感染症予防の基本など、幅広い内容を受講でき、リアルタイムで参加できなくても一定期間までアーカイブが残ります。
日本産業保健師会
日本産業保健師会とは、産業保健師の資質向上や活動支援をおこなう職能団体の社団法人です。日本産業保健師会では、産業現場における健康障害の防止や衛生管理の支援を目的として、セミナーや研修をおこなっています。
2024年は新任保健師や産業保健師リーダーの養成研修を実施しており、オンライン研修会も実施中です。開催回数は年に数回と少なめですが、産業保健師として活躍する方にとっては希少な研修の機会といえます。
研修に加えて保健師が取得しておくとよい資格
ここからは、保健師の現場で活用できる資格について解説します。保健師として知識を蓄えスキルアップする方法は、研修だけではありません。新たな資格の取得を通じて得られるスキルもあります。また、関連資格を取得しておくと、今後のキャリア形成においても有利です。
【産業保健師】産業カウンセラー
企業や自治体勤務の労働者の健康診断、健康管理を中心におこなう産業保健師の方は、産業カウンセラーの資格がおすすめです。産業カウンセラーとは、相談者の心や体が抱える問題を解決し、快適な労働環境に寄与するスペシャリストを指します。
日本産業カウンセラー協会が実施する認定試験を受け、合格することで取得できます。なお、産業カウンセラーはエントリーレベルの資格で、上級資格として「シニア産業カウンセラー(メンタルヘルス専攻またはキャリアカウンセリング専攻)」を目指すのもおすすめです。
【学校保健師】衛生管理者第一種免許
配属先の生徒や教職員の健康管理や維持に従事する学校保健師の方は、衛生管理者第一種免許の資格がおすすめです。こちらは衛生状態や危険箇所といった衛生管理のスペシャリストで、保健師の資格を取得していれば無試験で取得できます。
学校ではなく企業に所属する場合は必須の資格なため、保健師として別のキャリアを目指すなら取得しておいたほうがよいでしょう。
【病院保健師】看護師資格
保健師になるには、看護師国家試験を突破することが前提条件です。つまり、看護師資格を取得していなければ、保健師にはなれません。そのため、看護師資格の勉強内容を活かして、病院保健師として勤務するのもおすすめです。病院勤務を通じて看護師へキャリアチェンジする道もあるため、実際の現場を見て判断してもよいでしょう。
なお、保健師から、または保健師への転職を検討している方は「持っていれば転職に有利!?保健師で持っていて得するスキルとは?」も、ぜひ参考にしてください。
保健師が研修で高めたいスキル
ここからは、保健師としてキャリア形成していくうえで、高めておきたいスキルについて解説します。
保健師として活躍するには、資格取得を通して知識を身につけるだけでなく、関連したスキルの習得が不可欠です。以下のスキルは、日々の業務の中でだけでなく研修を通しても高めることができます。
コミュニケーション能力(傾聴力)
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、保健師に求められるスキルのうち、上位を占めているのが「傾聴力」と「他者の反応の理解」でした。このことからも、保健師には相談者の悩みや問題を聞き取り把握するためのコミュニケーション能力が重要だとわかります。
コミュニケーション能力はリーダーやマネジメント関連の役職でも必須のスキルなため、早い段階から高めておくのがおすすめです。
出典:「職業情報提供サイトjob tag 保健師」(厚生労働省)
ITリテラシー
地域保健分野においては、2000年前後を境にICT活用が始まっており、とくにここ数年ではDX(デジタルトランスフォーメーション)の観点から職場環境のデジタル化が急速に進んでいます。
そのため、これからの保健師業務は、デジタルシステムありきの効率的な業務やオンラインでの相談、データの分析がごく自然に求められるかもしれません。デジタル社会の浸透に向けて、基本的なITスキルは習得しておいたほうがよいでしょう。
観察力
症状を相談してきた人のすべてが、自身の状態を正確に把握しているとは限りません。例えば学校保健師の場合は主に学生が対象なため、不調を見つけるための優れた観察力が求められます。
ある程度症状が進行してから診てもらう医師や看護師とは違い、保健師はちょっとした不調から病気やケガを早期発見することに特化した職業です。些細な変化を敏感に感じ取ることで予防や早期解決につなげられるため、観察力は磨いておいたほうがよいでしょう。
研修と合わせて意識したい保健師のキャリア
ここからは、保健師として長く勤めていくうえで意識しておきたいキャリアパスについて解説します。研修や育成を受ける中でキャリアアップすると、下記のようなキャリアパスがあります。
行政保健師としてのキャリアアップ
行政保健師は保健センター・保健所・市役所で公務員として勤務する保健師です。勤続年数と業務経験を積み重ねることで係長や課長としてキャリアアップを目指せます。公務員であるため、役職につけば手当による収入アップが見込めますし、仕事の幅も広がるため対応力もあがります。
産業保健師としてのキャリアアップ
産業保健師は民間企業に所属するため、積極的なスキルアップや資格の取得で早期から管理職や指導的なポジションを目指せます。また、専門看護師や大学院の学位を取得して方向性を固めることで、企業内の総括的立場のキャリアも見えてきます。
研究職や教員としてのキャリア
保健師が活躍できる場は広く、行政保健師や産業保健師の経験から研究機関へ転身して専門性を磨くキャリアもあります。また、社団法人に所属して保健師の教育や支援をおこなう道もありますし、WHOの職員として世界で活躍するキャリアもよいでしょう。
上記のように、自身の目指す方向性によって幅広い職種を目指せるのも保健師の魅力です。
まとめ|アポプラス保健師は研修を通したキャリアアップも全力サポート!
保健師のキャリアは幅広く、途中で別の種類の保健師としてキャリアチェンジする方も珍しくありません。また、幅広い経験を積むことでキャリアを形成するパターンもあります。そのため、将来を見越したキャリアプランを設定して就業に臨むのが賢明といえるでしょう。
アポプラス保健師は、25年以上医療専門の転職サポートを実施しており、業界トップクラスの実績を誇る転職エージェントです。保健師の専門コンサルタントだからこそ得られた深い情報を活用し、育成体制の充実した企業やおすすめの研修を紹介し、保健師としてのキャリアアップや転職をサポートいたします。
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