【保健師】給料産業保健師の平均年収はいくら?年代別・勤務先別の目安と年収アップの現実的な方法
公開日:2023年08月04日
更新日:2026年02月09日

こんにちは、保健師転職のアポプラス保健師ライターチームです。
保健師の勤務先には、民間企業や行政機関、病院、学校などさまざまな選択肢がありますが、働く場所や役割によって年収や待遇には大きな差が生まれます。
特に産業保健師は、勤務先の企業規模や業務範囲によって、収入の伸び方に違いが出やすい職種です。
本記事では、産業保健師として働く場合の給料や待遇の実態を整理するとともに、どのような条件やキャリア選択が年収に影響するのかを具体的に解説します。
読み進めていただくことで、「自分の現在の年収は相場と比べてどうなのか」「今後、年収アップを目指すならどのような選択肢があるのか」といった判断ができるようになる構成としています。
【この記事からわかること】
- 産業保健師の平均年収と勤務先・経験年数・企業規模によって差が生まれる理由
- 年収が伸びやすいキャリアの考え方と頭打ちになりやすいタイミング
- 年収アップを目指す際に重視すべきポイントと後悔しないための賢い選択肢
目次
- 産業保健師の年収を理解する前に知りたい3つのポイント
- 産業保健師の年収は何で決まる?年齢・経験・勤務先で変わるポイント
- 産業保健師の平均年収の目安|全体平均と「実感値」の違い
- 産業保健師が年収アップするには?4つの具体的な戦略
- 産業保健師以外の年収|行政・病院・学校
- 保健師の年収に関するよくある質問
- まとめ|数字に振り回されず、産業保健師として年収と働き方を選ぶ
産業保健師の年収を理解する前に知りたい3つのポイント
産業保健師の年収を調べると、同じ「保健師」でも数字に幅があり、求人の条件もまちまちです。まず前提を押さえると、年収の情報に振り回されにくくなります。
ここでは産業保健師の年収を読み解くための前提について解説します。
産業保健師とは
産業保健師は、企業で働く人の健康を日常的に支える保健師です。体調不良やメンタルの不調について相談を受け、状況に応じて医療機関や産業医につなぐなど、現場に近い立場で調整役を担います。業務内容は、健康診断後のフォローをはじめ、長時間労働者や休職者への支援、ストレスチェックの運用、衛生委員会への関与など多岐にわたります。
産業医が医学的な判断を担うのに対し、産業保健師は日々の勤務状況や職場環境を把握し、必要な支援が行き届くよう整える役割を担う点が特徴です。
保健師の全体の平均年収(給料)
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、保健師の平均は年齢38.7歳・勤続6.9年で、きまって支給する現金給与額(月収)は35万1,100円、年間賞与は99万9,200円でした。これを単純に年収換算すると約521万円となり、月例賃金だけでなく賞与の比重も大きいことが分かります。
一方、同じ調査で示されている看護師の年収換算は約520万円(月収36万3,500円、年間賞与83万5,000円)で、平均との差はほぼ同水準です。月収は看護師のほうがやや高い一方で、賞与は保健師が高く、結果として年収全体では差が出にくい形になっています。
参考:厚生労働省|賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査
保健師の年収幅が広い理由
保健師の年収に幅が出やすいのは、働く場所によって給与の決まり方が大きく異なるためです。行政保健師の場合、自治体の給与規定に沿って給料や昇給が決まるため、年収水準は比較的安定しています。一方、産業保健師や学校・病院で働く保健師は、勤務先ごとの賃金テーブルや評価制度、手当の設計によって収入が左右されます。
とくに産業保健師は、民間企業や健康保険組合に所属するケースが多く、企業規模や業種の影響を受けやすい職種です。実際、「令和6年賃金構造基本統計調査」を見ても、事業所規模によって所定内給与には差があり、「10~99人規模」と「1,000人以上規模」では平均給与に開きがあることが分かります。
こうした構造を踏まえると、年収の数字だけを単純に比較するのではなく、自分がどの制度・どの規模の職場に身を置いているのかを確認することが重要です。安定性を重視するのか、企業規模や役割次第で収入アップを狙いたいのかによって、選ぶべき勤務先の方向性は変わってきます。年収幅が広いという特徴は、見方を変えればキャリアの選択次第で収入の伸ばし方を調整できる余地があるとも言えるでしょう。
産業保健師の年収は何で決まる?年齢・経験・勤務先で変わるポイント
前章では、保健師全体の年収水準や幅について見てきました。ここからは、その中でも企業で働く「産業保健師」に焦点を当てて、年収に差が生まれる理由を整理します。
産業保健師の年収は、資格の有無だけで一律に決まるものではありません。実際には、年齢や経験年数といった個人要因に加え、勤務先の種類や企業規模、雇用形態、担っている役割によって大きく左右されます。
ここでは、公的データをもとに、産業保健師の年収を左右する主な要素を整理しながら、現在の立ち位置を客観的に把握し、次にどこを意識すべきか考える材料を提示します。
年齢・キャリア
年収の伸びをつかむには、年齢階級ごとの平均値を見るのが早道です。「令和6年賃金構造基本統計調査」では、保健師の平均年収は20~24歳で458.1万円、35~39歳で502.0万円、40代で550万円前後まで上がり、50~54歳で602.9万円がひとつの山になります。
産業保健の現場でも、若手のうちは健診後フォローや面談の同席など、既存の業務を安定して回せる力が評価されやすい傾向があります。30代以降になると、休復職支援やラインケア、衛生委員会の運営など、判断や調整を伴う役割が増え、それに応じて賃金テーブル上も上がりやすくなります。
ただし、同じ年齢でも企業規模や手当、役職によって年収には差が出るため、年齢はあくまで「年収が伸びる大まかな目安」として捉えるのが現実的です。
自分の年齢と現在の年収を、この平均値と比べてみると、年齢の割に高いのか低いのか、役割の広さと見合っているかを客観的に見直すきっかけになります。
経験年数と役職
年収により直結しやすいのが、現場経験です。「令和6年賃金構造基本統計調査」をもとにした経験年数別の平均年収を見ると、初年度は377.5万円、1~4年で429.9万円、5~9年で515.9万円と、実務経験を重ねるにつれて年収が大きく伸びていく傾向が分かります。一方で、10~14年は503.0万円、15年以上で517.0万円と、一定の経験年数を超えると伸び方は緩やかになります。
産業保健師の場合、年収の差がはっきり出やすいのが「役割が変わるタイミング」です。たとえば、以下のような形で業務の範囲や責任が広がると、等級や役職が上がり、給与が一段階引き上げられるケースが多くなります。
- 統括保健師や複数拠点の主担当になる
- メンタル不調者対応の方針作成に関わる
- 健康経営や休復職制度の運用責任を担う
初任域の目安としては、同調査の「20~24歳・経験0年」で、月額25万2,900円、賞与4万2,200円、年収換算で約307.7万円です。ここから年収を伸ばしていくには、単に年数を重ねるだけでなく、担当領域や役割をどう広げていくかが重要です。
自分の経験年数と現在の年収を照らし合わせることで、年数に対して収入が順当に伸びているか、また「年数は増えたのに役割が広がっていない」状態になっていないかを点検する材料になります。
勤務先の種類
産業保健師の年収を考えるうえでは、まず「どこに雇われているか」を押さえると全体像がつかみやすくなるでしょう。就業者の内訳を見ると市町村勤務が52.3%と最も多く、企業の事業所で働く人は7.9%です。つまり、産業保健師は保健師全体の中では少数派で、給与水準や求人条件が会社ごとにばらつきやすい立ち位置にあります。
一方、自治体で働く保健師は公務員として採用され、給与は条例や給与表に基づいて決まります。民間賃金との均衡を意識して運用されるため、急激に下がりにくく、賞与や各種手当も制度として見通しを立てやすい点が特徴です。
民間企業で働く産業保健師の場合、「令和6年賃金構造基本統計調査」では「きまって支給する現金給与額」の平均が351,100円と示されており、ここに賞与や各種手当が加わって年収が構成されます。このため、求人票を月収だけで見た際に「やや物足りない」と感じる条件でも、賞与が年2回しっかり支給される場合や、住宅手当・専門職手当などが含まれる場合には、年収ベースでは相場並み、あるいはそれ以上になるケースも少なくありません。
ただし、専門職手当や住宅手当、退職金、業績連動の有無などは企業ごとに異なるため、同じ保健師資格でも勤務先の種類や制度設計によって年収差が生じやすいと考えるのが自然です。
自分の勤務先が「自治体なのか企業なのか」によって、年収の決まり方や伸び方は変わります。今の年収が自分の努力だけでなく制度や手当の設計にも左右されていると理解できると、職場選びの判断軸が整理しやすくなります。
勤務先の規模・雇用形態
同じ職場タイプであっても、勤務先の「規模」や「雇用形態」によって、実際の手取り感や年収の伸び方には差が出ます。「令和6年賃金構造基本統計調査」を見ると、正社員・正職員の月例賃金は、大企業ほど高く、中小企業になるにつれて水準が下がる傾向が確認できます。
一方で、雇用形態の違いも無視できません。正社員・正職員以外の働き方では、月例賃金が正規雇用より低く設定される傾向があり、その差が年収にも影響します。
産業保健師は、時短勤務や契約社員、嘱託といった形で採用されるケースもありますが、こうした場合は賞与や退職金の設計、昇給の仕組みが別枠になりやすく、結果として年収が伸びにくくなります。実際、保健師全体を見ても、一定割合が非常勤として働いており、雇用形態が収入水準に与える影響は小さくないと言えるでしょう。
勤務先の規模や雇用形態を踏まえて自分の年収を見直すと、いまの働き方が「収入の伸びやすさ」と「働きやすさ」のどちらに寄っているかが見えやすくなります。将来どのくらいの年収を目指すかを考えるうえで、現実的な選択肢を整理するきっかけになります。
性別
保健師は、性別による年収差を単純に比較しにくい職種です。就業している保健師の大半が女性で、男性の割合はごく一部にとどまるため、統計上「男女差」として安定した傾向を読み取ることが難しいからです。
一般労働者全体では、男女で賃金水準に差が見られるものの、産業保健師の場合は、性別そのものよりも配置や評価のされ方が年収に影響しやすい傾向があります。たとえば、以下のような点です。
- 管理職として登用されているか
- 産休・育休後にフルタイム勤務へ戻れているか
- 責任の重い業務を任されているか
こうした要素が積み重なり、結果として生涯年収に差が生じるケースが多いでしょう。
性別そのものよりも、配置や評価、責任ある業務の任され方が年収に影響している可能性があります。自分の働き方や役割がどのように評価につながっているかを確認すると、今後どんな選択をすれば収入面の不利を減らせるかを考えやすくなります。
産業保健師の平均年収の目安|全体平均と「実感値」の違い
前章では保健師全体の年収水準を見てきました。ここからは、企業で働く「産業保健師」に焦点を当て、平均年収の目安や実感値のレンジを整理します。自分の年収が相場と比べてどの位置にあるのかを考える材料になります。
保健師全体の平均年収
保健師全体の平均年収の推移は以下のとおりです。
- 2021年:約466.0万円
- 2022年:約467.8万円
- 2023年:約451.1万円
- 2024年:約521.2万円
年によって上下があり、特に2024年は月給・賞与の両方が伸びて上振れしています。統計は調査対象の構成や勤務先の分布で数字が動きやすいため、単年で決め打ちせず、複数年の推移で見るのがポイントです。
ただし、これらはあくまで「保健師」という職種全体の平均値です。民間企業で働く産業保健師に限って見ると、実感値としては年収450万円前後が一つの目安とされることが一般的です。そのため、同じ産業保健師でも勤務先によって年収に差が出やすい点には注意が必要です。
この平均値は「目標額」ではなく、自分がどのフィールドで働いているか、どの立ち位置にいるのかを確認するための基準線として活用すると、現在の年収や今後の伸ばし方を考えやすくなります。
現役産業保健師が語るリアルな年収事情と実感
産業保健師の「体感年収」は、基本給よりも賞与の有無・回数、住宅/家族手当、雇用形態で差がつきやすいです。求人では、産業保健師・保健師ポジションで予定年収400~600万円のレンジが頻出し、同じ職種名でも会社により幅が出ます。
一方で、嘱託・契約枠中心の募集だと「ボーナスや退職金がない」という声もあり、年収が伸びにくいパターンが混ざります。
産業別では、医薬・ヘルスケア周辺や人事制度が厚い大企業はレンジが上に寄りやすく、IT・通信でも450~550万円程度の募集が見られます。地域差は「勤務地の物価」以上に「本社給与テーブル」「工場・研究所の拠点手当」で出ることが多く、同じ会社でも拠点で条件が違うケースがあります。
将来性とキャリア別年収の伸び方
年収カーブはざっくり言うと、「経験年数で土台が上がり、役割が変わるタイミングで段差がつく」形になりやすいです。上述したように、保健師における経験年数別の平均年収は以下のとおりです。
- 初年度:約377万円
- 1~4年:約430万円
- 5~9年以降:500万円
産業保健師でこれを「年代×企業規模×役職」に置き換えると、20代は担当業務の幅を増やす時期、30代以降は健康施策の企画・産業医連携・休復職支援の主担当などで評価され、主任・リーダー相当になるとレンジが一段上がります。実際、年収500万円以上の産業保健師求人も一定数あり、主任クラスで年収630万円の例も見られます。
伸ばし方の現実解は「企業規模を上げる」か「役割を上げる」のどちらかで、同じ会社にいても配置転換で健康経営・制度設計側に寄れると上振れしやすいです。
産業保健師が年収アップするには?4つの具体的な戦略
産業保健師の年収は、勤続でゆるやかに伸びる部分と、担当領域の広がりや評価のされ方で跳ねる部分があります。資格で専門性を示す、社内で役割を上げる、副業で市場価値を作るなど、選択肢は一つではありません。ここでは産業保健師が年収アップするための方法について解説します。
■長く勤続して昇給を目指す
大手企業などで産業保健師として勤務している場合、同じ職場で長く働くことによって、勤続年数に応じた昇給があったり、経験を積んで役職に就くことで役職手当がもらえたり、収入を増やすことにつながります。
派遣や契約社員などの非正規雇用で働く場合は、勤続年数に応じた昇給が見込めないこともありますが、経験・知識を高める等のメリットは考えられますので、事前によく確認しておきましょう。
【こんな人におすすめ】
- 安定した環境で、着実にキャリアと年収を積み上げたい人
- 社内調整や長期的な関係構築が得意な人
【注意したいポイント】
- 昇給ペースは緩やかなため、短期間での大幅な年収アップは期待しにくい
- 非正規雇用の場合は、昇給条件や更新ルールを事前に確認しておく必要がある
■資格やスキルを新たに身につける
年収を上げるためには、資格がひとつの強い武器になります。資格を持っていると、自分にできることや役割の範囲を明確に説明しやすくなり、企業側の評価につながりやすいからです。
たとえば、産業カウンセラーの資格はメンタルヘルス教育や職場での相談対応に役立ち、ストレスチェック後の面談や復職支援の場面で説得力を持って関わることができます。安全衛生分野に強みを持たせたい場合は、衛生管理者の資格が代表的です。
資格だけでなく、実務面で評価されるスキルも年収アップに影響します。たとえば以下のような能力は評価につながりやすくなるでしょう。
- 人事・労務担当と対話できる法令知識
- データを根拠に施策を立案・可視化する力
- 研修の設計やファシリテーションのスキル
- 経営層への説明・説得力
これらのスキルは、単に「保健指導を行う」だけでなく、施策の責任者として評価される可能性があるでしょう。
【こんな人におすすめ】
- 専門分野を持ち、評価軸を明確にしたい人
- 業務の幅を広げ、裁量ある立場を目指したい人
【注意したいポイント】
- 資格取得だけで年収が上がるとは限らず、実務でどう活かすかが重要
- 学習や自己投資に一定の時間と費用がかかる
■副業・フリーランスも視野に入れる
保健師は他の職種に比べて、副業が比較的始めやすい働き方でもあります。保健師の強みである「健康課題を整理し、行動につなげる力」が、企業や個人にも価値を提供しやすいためです。たとえば、ヘルスコーチングや中小企業向けの健康経営支援、オンライン健康相談などは、副業・独立の具体例としてよく挙げられます。
ただし、産業保健の分野で副業をするときは、守秘義務や利益相反の管理がとても重要です。副業を始める際には、勤務先の副業ルールを事前に確認し、個人情報や社内情報を扱わない形でテーマ設定や契約内容、データ管理の体制を整えるようにしましょう。
【こんな人におすすめ】
- 収入源を分散し、市場価値を高めたい人
- 自分の裁量で仕事の幅を広げたい人
【注意したいポイント】
- 本業との両立による負担増加
- 情報管理や契約面でのリスクを自己責任で管理する必要がある
■給与条件のよい職場に転職する
現在の年収に不満がある場合は、転職を視野に入れるのもおすすめです。同じ「産業保健師」という職種でも、年収は企業によって大きく変わります。
年収の目安を見極めるポイントとしては、「企業の規模」と「業界」の組み合わせが参考になります。
| 企業規模 | 月収(きまって支給する現金給与額) | 年間賞与 | 年収換算(目安) |
|---|---|---|---|
| 10~99人 | 36.8万円 | 80.3万円 | 522.0万円 |
| 100~999人 | 31.7万円 | 82.4万円 | 462.5万円 |
| 1,000人以上 | 36.2万円 | 111.8万円 | 546.2万円 |
| 企業規模計(10人以上) | 35.1万円 | 99.9万円 | 521.2万円 |
参考:厚生労働省|賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査
転職の際に年収交渉をする場合は、希望年収を伝えるタイミングで、以下のようなポイントを根拠として示すのが有効です。
- 現在の年収
- 想定する担当範囲
これをもとに、求人票の年収レンジの上限を目安に交渉すると、有利な条件で内定につながりやすくなるでしょう。
【こんな人におすすめ】
- 短期間で年収を引き上げたい人
- 自身の経験や強みを客観的に説明できる人
【注意したいポイント】
- 年収だけで判断すると、業務負荷や裁量が想定以上になる場合がある
- 賞与・手当を含めた「年収全体」で比較する視点が必要
産業保健師以外の年収|行政・病院・学校
産業保健師以外にも、保健師が活躍する場は行政・学校・病院など幅広く、年収の考え方も少しずつ異なります。公務員か民間か、手当や賞与の仕組みはどうかで、同じ資格でも差が出やすい点に注意が必要です。ここでは産業保健師以外の年収目安と特徴について解説します。
| 勤務先 | 年収レンジ(目安) |
|---|---|
| 行政(公務員) | 約540万~680万円 |
| 病院・医療機関 | 約370万~480万円 |
| 学校・教育機関 | 約500万~600万円超 |
| その他の職場 | 約300万~500万円 |
行政で働く保健師の年収
行政で働く保健師は、約540万~680万円が一つの目安といえるでしょう。地方公務員または国家公務員として採用されるケースが一般的です。給与は、自治体ごとに定められた給与表(級・号給)に基づいて決まり、年齢や勤続年数、昇任に応じて段階的に上がっていきます。
基本給に加えて、扶養手当・住居手当・通勤手当・地域手当などの各種手当が支給され、さらに期末手当・勤勉手当(いわゆるボーナス)が年2回支給されるのが一般的です。これらを合算したものが、年間の年収になります。
実際に自治体の給与条例では、こうした手当が給与の構成要素として明確に定められており、民間企業のように業績や景気によって年収が大きく変動しにくい点が特徴です。
病院・医療機関勤務の年収
病院勤務の保健師の年収は約370万~480万円が一般的で、保健師の中では比較的低めの水準に位置します
病院勤務の保健師の年収が伸びにくく見えやすい理由の一つが、夜勤や交代勤務の有無です。看護師の場合、夜勤手当が収入に占める割合が大きく、年収が高くなります。一方、保健師は夜勤が少ないことも珍しくありません。
ただ、公立病院は自治体直営や地方独立行政法人など運営形態が複数あり、給与規程や手当の決まり方が民間病院と異なる場合があります。求人を確認する際は、夜勤の有無、賞与の算定方法、どの手当が支給対象になるかを先に押さえておくと、年収の実態を把握しやすくなります。
学校・教育機関で働く場合の年収
学校領域では、保健師資格を生かして養護教諭として配置されるケースが一般的です。とくに公立学校の場合は地方公務員として採用されるため、給与は自治体の給与表に基づいて決まり、比較的安定した水準になります。
「令和5年賃金構造基本統計調査」をもとにした推計では、公立の小・中学校の養護教諭の平均年収は約650.9万円、高等学校では約691.4万円とされています。勤続年数に応じた定期昇給と年2回の賞与が見込めるため、長期的な収入設計を立てやすい点が特徴です。(※)
一方、私立学校の場合は学校法人ごとに給与体系が異なり、初任給・昇給ペース・賞与水準に差が出やすい傾向がある点に注意が必要です。
その他の職場の年収
訪問看護ステーションやNPO、研究機関など「その他」に分類される職場は、業務内容や雇用形態の幅が広く、年収レンジが一律にまとまりにくいのが特徴です。たとえばNPO法人の場合、内閣府の「令和2年度 特定非営利活動法人に関する実態調査」では、有給職員の年間給料・手当の中央値が、認証法人で210万円、認定・特例認定法人で613.4万円と大きく異なっています。
また、訪問看護ステーションでは、現場スタッフとして働くか、管理者・マネジメントを担うかによって年収水準が変わりやすい傾向があります。日本看護協会の調査でも、正規フルタイム勤務の場合、役職が上がるほど年収が伸びやすいことが示されており、「どの立場で関わるか」が収入に直結しやすい職場といえます。
一方で、非常勤や時短勤務が多い職場では、勤務日数や担当業務量がそのまま収入に反映されるため、働き方の自由度と引き換えに年収が抑えられるケースも少なくありません。そのため、これらの職場を検討する際は、「平均年収はいくらか」だけでなく、自分はどのような役割を担い、どこまで責任を持ちたいのかを整理したうえで考えることが重要です。収入を重視するのか、柔軟な働き方を優先するのかによって、同じ職場でも選ぶべきポジションや雇用形態は大きく変わってきます。
保健師の年収に関するよくある質問
保健師の年収は、資格そのものより「どこで、どんな役割で働くか」に左右されます。統計の平均値だけを見ると実感とズレやすいので、企業規模や経験年数、雇用形態まで落として読むのが大切です。ここでは保健師の年収に関するよくある質問について解説します。
保健師で高年収を目指すことはできる?
保健師でも高年収を目指すことは可能です。ただし、収入の差は「資格の有無」だけで決まるわけではなく、「どこで働くか」と「どんな役割を担うか」によって大きく左右されます。
公的統計を見ると、経験を積み重ねることで年収の土台が上がることが分かります。さらに上振れを狙う場合は、賃金水準が高い傾向にある大企業や制度が整った職場を選ぶことが一つの近道です。
産業保健師の場合、複数拠点の統括や休復職支援の主担当、健康施策の企画、人事部門との連携など、マネジメント寄りの役割を担えるようになると、年収の上限が引き上がりやすい点も特徴です。
学歴によって保健師の年収に差は出る?
学歴によって年収が大きく差が出るケースは稀です。保健師は国家資格で専門性が担保されているためです。評価の中心になりやすいのは、保健指導や面談の対応力、担当できる業務範囲の広さ、社内外との調整力といった、実務に直結する要素です。
一方、行政など給与表で運用される職場では事情が異なります。多くの自治体では、初任給が学歴や職務経験年数によって決まることが明確に定められています。
また、大企業で「総合職寄り」や「管理職候補」として採用されるケースでは、学歴があくまで参考情報として見られることもゼロではありません。ただし、それだけで年収が決まるわけではなく、入社後にどのような役割を担うかが重視されます。
保健師として長く働くと年収はどの程度伸びる?
保健師の年収の伸び方は、経験年数で見ると把握しやすい傾向があります。e-Statに掲載されている「令和6年賃金構造基本統計調査」をもとに算出すると、以下のとおりです。
- 初年度:約377万円
- 1~4年:約430万円
- 5~9年以降:500万円
このように一定期間は、経験を積むことで年収の土台が着実に引き上がっていくことが分かります。
一方で、10年を超えると年収は500万円前後で推移し、年数だけでは大きく伸びにくくなる時期に入ります。年齢別の試算でも、50~54歳で約603万円前後がひとつの山となっており、役職や担当業務に変化がない場合は、伸び方が緩やかになる傾向が見られます。
さらに年収を伸ばすには、行政であれば昇任、企業勤務であれば企画・統括など責任範囲の広い役割へシフトすることが、次の伸びを生む分かれ目になるでしょう。
まとめ|数字に振り回されず、産業保健師として年収と働き方を選ぶ
産業保健師の年収は、「資格があるかどうか」だけで決まるものではありません。年齢や経験年数といった個人要因に加え、勤務先の種類や企業規模、雇用形態、担う役割によって、大きな差が生まれます。とくに産業保健師の場合は、担当領域の広さやマネジメント要素を含む役割を担えるかどうか、また賃金水準や制度が整った企業を選べるかが、将来の年収を左右します。
大切なのは、平均年収の数字だけで判断せず、自分がどのような働き方をしたいのか、どのフェーズで収入を伸ばしたいのかを整理したうえで、キャリアを選ぶことです。
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