【看護師】過去の記事一覧【新米保健師でもわかる!】保健師のポピュレーションアプローチについて解りやすく解説します!
2016年04月13日
こんにちは、保健師転職のアポプラス保健師ライターチームです。
ポピュレーションアプローチという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「ポピュレーションアプローチ」に対して「ハイリスクアプローチ」という言葉も
あります。両方の言葉を知ることで理解が深まると思いますので、まずは言葉の
説明から始めます。
「ハイリスクアプローチ」とは、健康障害を引き起こす可能性のある集団の
中から、より高いリスクをもっている人に対して働きかけ病気を予防することを
いいます。
それに対し「ポピュレーションアプローチ」は、まだ高リスクを抱えていない
集団に働きかけ、集団全体がリスクを軽減したり病気を予防したりできるように
することです。
特に生活習慣病予防には、この「ポピュレーションアプローチ」が重要だとされています。
保健師として知っておきたい「ポピュレーションアプローチ」について、詳しくみていきましょう。
保健師が知っておきたいポピュレーションアプローチ
生活習慣病対策は特に重要事項!
生活習慣病はご存じのとおり、「生活の積み重ね」の中のよくない行動や習慣が原因で発症します。
つまり生活習慣病は生活習慣と密接に結びついているので、リスクを抱えていない集団が改めて生活習慣を見直すことで、予防に
つながるのです。
そのために「ポピュレーションアプローチ」が大事になってくるというわけです。
たとえば「生活習慣病」という言葉があまり知られていなかった時代に、「生活習慣病」という言葉を浸透させ、
規則正しい生活を送らないとだれしもが「生活習慣病にかかるかもしれない」と認識させることも、ポピュレーションアプローチの
ひとつなのです。
実際、この言葉を知り、危機感を覚えることで、「食生活を見直すことの大切さ」「運動する習慣をつけることの大切さ」
「禁煙を心がけることの大切さ」などを個々が見直すようになってきたのではないでしょうか。
具体的な事例とは?
保健師によるポピュレーションアプローチ
公益社団法人 日本看護協会が保健師によるポピュレーションアプローチの事例をまとめていますので、ご紹介します。
- 福岡県福岡市
小学校校区ごとに年9回程度の健康づくり教室を開催 - 山口県岩国市
「だれもが生き生きと暮らせる社会づくり」の一環として、家庭・地域・学校・職域・行政が一体となった健康づくり運動の推進 - 島根県出雲市
「子どもから高齢者までみんなが健康で豊かな暮らしを送れる街づくり」を目指して、健康づくりを展開
それぞれの市が、食生活の乱れを是正するための「朝食メニューコンテスト」をはじめ、独自の取り組みを行いました。
公益社団法人 日本看護協会「保健師活動におけるポピュレーションアプローチの評価のあり方」参照
https://www.nurse.or.jp/home/publication/pdf/hokenshido/24-hokensido.pdf
ポピュレーションアプローチは振り返りが大事
ポピュレーションアプローチは、予防が目的のためハッキリとした結果はすぐに現れないものです。
しかし保健活動に関しては「PDCAサイクル(※1)」を回すことが大切だといわれており、ポピュレーションアプローチにおいても
同様です。
- ※1
Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)という流れを繰り返すことで、品質や成果を向上させることができるという手法のこと
生活習慣病を予防させるために必要な計画は何かを考え(P)、実行(D)した結果、どんな改善がみられたかを評価(C)すること、
つまり振り返りが大事であること。
さらにその評価をうけて、どのような改善(A)が必要なのかを考え、次のPlan('P)につなげる・・こうすることで、
PDCAサイクルがまわり、効果的なポピュレーションアプローチを続けていくことができるのです。
保健師が知っておきたいポピュレーションアプローチ
ポピュレーションアプローチについて、生活習慣病予防を例にご紹介しました。
「病気を予防する」というのは保健師にとって重要な役割ですから、ポピュレーションアプローチが保健師にとっても大切なことだ
というのはご理解いただけたでしょうか。
新米保健師の方にも、ぜひ覚えておいていただければと思います。
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