2016年02月29日

こんにちは、保健師転職のアポプラス保健師ライターチームです。

ソーシャルワークは、社会福祉の専門的技術のひとつとして捉えられており、社会において困りごとを抱えている人を支援する専門職や学問と考えられます。

現在、国際ソーシャルワーカー連盟によって以下のように定義されています。
"ソーシャルワーク専門職は、人間の福利(ウェルビーイング)の増進を目指して、社会の変革を進め、人間関係における問題解決を図り、人びとのエンパワーメントと解放を促していく。
ソーシャルワークは、人間の行動と社会システムに関する理論を利用して、人びとがその環境と相互に影響し合う接点に介入する。
人権と社会正義の原理は、ソーシャルワークの拠り所とする基盤である。"
▼公益社団法人　日本医療社会福祉協会「ソーシャルワーク定義」参照
https://www.jaswhs.or.jp/ifsw/definition.php

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ソーシャルワークの公的資格は「社会福祉士」

ソーシャルワークを行う人を、ソーシャルワーカーといいます。
現在の日本でソーシャルワーカーといえば社会福祉士を思い浮かべる方も多いでしょう。
社会福祉専門の国家資格であり、精神的・身体的・経済的なハンディキャップをもつ人たちを支援するのが仕事です。
こうお話しすると、ソーシャルワークの仕事は社会福祉士でなければできないのか？と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし社会福祉士は「名称独占」の仕事であり、資格としては保健師と同様の位置づけです。
社会福祉士を名乗るには、社会福祉士の資格を取得する必要があります。
しかし社会福祉士と同等の仕事を行うのに、必ずしも社会福祉士の資格が必要とはいえないのです。
つまり保健師がソーシャルワーカーとなることも可能だというわけです。
▼けあサポ「社会福祉士とは」参照
http://www.caresapo.jp/shikaku/shakai/naru/

保健師の仕事とソーシャルワークの関連性

2013年1月に行われた第1回日本公衆衛生看護学会学術集会において、保健師活動の本質は「アウトリーチ」と「社会福祉」であると発表されました。
そのうえで、保健師の仕事とソーシャルワークは、「人間関係における問題解決を図る」「人々がその環境と相互に影響しあう接点に介入する」「社会の変革を進める」など、多くの共通点があるとも伝えています。
そのため、保健師の仕事自体がソーシャルワークと密接に関係していると考えてよいのではないでしょうか。
実際、今の仕事がソーシャルワークであると感じる方もいらっしゃるでしょう。

▼保健指導リソースガイド「保健師活動の本質は」参照
http://tokuteikenshin-hokensidou.jp/news/2013/002379.php?pr=atr16

保健師のソーシャルワーク
具体的な内容とは

保健師として行うソーシャルワークには、具体的にどんな内容があるのでしょうか。
保健師はそもそも健康面のサポートを行うのが一般的な仕事内容になります。
健康診断を行ったり、健康セミナーを開いたりするのは保健師の仕事の範疇（はんちゅう）になりますが、個人的な健康相談を受けることはソーシャルワークにつながります。
たとえば、「病気が治って退院してきたが、ひとり暮らしでその後の生活が心配だ」という相談を受けたとします。
そんなとき、しっかりと話を聞き行政としてどんなフォローができるかを考え支援を行えば、それはソーシャルワークの定義と結び付くものです。
また生活保護受給者は精神的・肉体的な健康問題を抱えていることが多く、その相談にアプローチすることから支援を進めていく保健師の活動も、ソーシャルワークの一環です。
つまり、これまで行ってきた保健師としての活動自体が、ソーシャルワークであると捉えることもできるのではないでしょうか。

保健師の役割が広がり、ますます求められる存在に

高齢化社会となっている日本にとって、保健師の役割は今後さらに重要視されていきます。
また保健師の仕事が「ソーシャルワーカー」としての側面をもっていることから、ソーシャルワーカーとしての働きをしている保健師も実際にいます。
▼全国保健師教育機関協議会「コミュニティソーシャルワーカーからのメッセージ」参照
http://www.zenhokyo.jp/foryou/msg-csw.shtml

保健師として働いている人、今後保健師として働きたいと考えている人は、ソーシャルワークについても知っておかれるとよいのではないでしょうか。