【保健師】業界情報あなたはどっち向き?保健師と看護師の違い徹底比較!
公開日:2014年12月03日
更新日:2024年11月13日
こんにちは、保健師転職のアポプラス保健師ライターチームです。
保健師と看護師は、それぞれの職務内容や求められるスキルに大きな違いがあります。本記事では、保健師と看護師の違いを比較し、それぞれの職業が持つ特徴やメリットを解説します。また看護師から保健師への転職を考えている方に向けて、転職のポイントや新たなキャリアパスについても紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
目次
- ・保健師と看護師の違いは?
- ・保健師と看護師で働くメリットの違い
- ・保健師と看護師に向いている人の特徴の違い
- ・看護師から保健師になるための方法
- ・看護師から保健師への転職経験者の声
- ・まとめ|保健師と看護師の違いを理解して自分に合った転職をしよう
保健師と看護師の違いは?
保健師と看護師は、どちらも欠かせない医療職ですが、役割や業務内容には明確な違いがあります。ここでは、必要な資格や対象者・業務内容・勤務先・給与などに焦点を当てて、違いを解説します。保健師や看護師を目指す方はもちろん、すでに従事している方にとっても、自身のキャリアを考えるうえで重要な知識となるでしょう。
必要な資格
保健師も看護師も、国家資格の看護師資格が必要です。保健師はさらに国家資格の保健師資格を取得しなければなりません。つまり、保健師は看護師資格と保健師資格の2つの国家資格を取得する必要があるのです。
一般的には、看護師資格を取得した後、1〜2年の保健師養成課程を経て保健師国家試験に合格するというルートが主流となります。また最近では看護師・保健師統合のカリキュラムを持つ大学も増えており、修了すると看護師国家試験と保健師国家試験を同時に受験が可能です。
ただし、保健師国家試験に合格したとしても看護師国家試験に不合格であれば保健師資格は取得できないため、看護師資格の取得が重要なポイントといえます。
接する対象者
まずは、基本的な保健師と看護師の違いについて解説します。保健師と看護師の大きな違いは、接する対象者が違うことです。
看護師は基本的に病人やけが人、いわゆる患者さんが対象者となるのに対し、保健師は健康な人も対象者となります。保健師の場合、働き先によって対象者は「企業で働く人」であったり「地域住民」であったりします。
仕事内容
保健師と看護師で大きく違う点の一つが、仕事内容です。看護師は、患者のお世話や診療の補助をする仕事。保健師は、集団検診・健康相談・健康を維持するためのアドバイスなど、保健指導をおこなう仕事です。
主な就業先
看護師の就業先は、一般的に医療機関や介護施設が中心です。一方保健師は、保健所や市区町村の役所・企業・学校など、さまざまな就業先で活躍しています。また、保健師が病院に所属するケースもあり、看護師と同様に医師の指示に基づいて医療行為をおこなう場合もあります。
看護師の主な役割が病気やけがの治療補助であるのに対し、保健師は病気やけがの予防を主な役割としているのが大きな違いです。予防の対象や方法が幅広いため、保健師の就業場所もさまざまです。
給与と待遇
気になる「給与」についてみていきましょう。
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均年収は508万円、平均月収35万円。保健師の平均年収は451万円、平均月収は31万円ほどです。
ただし、これはあくまでも平均値です。前述したとおり、看護師や保健師にはさまざまな就業先があります。就業先の規模や業種によっても、給与が大きく異なることは知っておきましょう。
以上のことから、給与だけを見て保健師と看護師の違いを判別するのは難しそうです。
看護師や保健師の給与について詳しく知りたい方は下記の記事も参考にしてください。
【保健師・看護師】の年収はどれくらい?年収アップの方法も解説
続いて待遇面について、解説していきます。一般的に看護師(とくに病院勤め)は、土日も仕事をしたり夜勤や残業があったりと、激務であるイメージが強いかもしれません。それに比べると保健師は、「土日休み」「夜勤なし」とうたっているところも多く実際、激務が理由で看護師から保健師に転職したいと考える人も多いです。
ただし給与のところでも解説したように、看護師も保健師も働き先は多種多様。保健師と看護師の職種による違い以外にも、勤務先や働き方によって待遇面は大きく異なると考えるようにしましょう。
保健師と看護師で働くメリットの違い
保健師と看護師は、それぞれ異なる役割を担う医療職ですが、どちらも魅力的なメリットがあります。ここでは、保健師・看護師として働くメリットを解説します。
保健師のメリット
保健師として働く大きなメリットの一つは、予防医療に携われる点です。個人だけでなく、集団を対象とした保健活動がおこなえるため、多くの人の健康に貢献できる業務に大きな魅力を感じる人もいるでしょう。
看護師の業務と比較すると、直接的に医療への貢献を実感しにくい部分もあるかもしれません。しかし、人々の健康を守る長期的な視点での環境整備は、やりがいを感じられる仕事です。
また、保健師は活躍できる職場が看護師よりも広く、希望する分野に応じた働き方の選択肢が多く存在します。そのため、自分の働きたい状況にマッチした勤務先を選びやすいのも大きなメリットです。
たとえば保健センターや保健所では、母子保健・高齢者保健・精神保健など特定の分野を担当する場合が多く、保健師としての専門性を高められます。さらに、保健師の職場であれば「夜勤なし」や「土日祝休み」などの条件を選べるため、ワークライフバランスを維持しやすいのも特徴です。
仕事とプライベートを両立しやすく、心身ともに余裕を持って働ける環境が整っているため、結婚や出産、子育てなどのライフスタイルの変化にも対応しやすい職業といえます。とくに産業保健師として勤務する場合は、福利厚生が充実しているケースも多く、安心して働ける職場環境が整っています。
看護師のメリット
看護師は、平日休みを取得しやすいメリットがあります。看護師が働く多くの職場ではシフト制が導入されており、患者さんを24時間365日看護する体制をとっています。そのため交代で平日にも休みを取る必要があり、休日の混雑を避けて食事に出かけたり、旅行に行ったりできる点がメリットの一つです。
さらに、看護師の平均収入は保健師の平均年収より高く、大きな収入が見込めます。経験年数が少なくても給与水準が高く、夜勤手当などの手当も手厚いため、年収が高い職場を求めている方にとって魅力的といえます。
また、看護師として働いていると、常に医療が進歩する現場に身を置き、治療・手術・薬など新しい知識やスキルを習得する機会が増えます。医療に関する専門的な知識や技術を高められ、自分や家族など身近な人たちが体調不良になった場合でも、初期対応を適切におこなえるようになります。
他にも、看護師は医療現場で人の健康を守るために働く職業であり、患者さんやその家族から感謝の言葉をもらう機会が多い仕事です。患者さんや家族からの感謝の言葉は、日々の業務の中でのモチベーションを高め、大変な仕事を続けるうえでの大きな支えとなるでしょう。感謝の言葉を直接受ける機会が多い看護師は、自己肯定感を高められる職業でもあります。
保健師と看護師に向いている人の特徴の違い
保健師と看護師は、求められる資質や向いている人の特徴にも違いがあります。ここでは、保健師に向いている人の特徴と、看護師に向いている人の特徴を比較し、それぞれの職業にどのような資質が求められるのかを解説します。
保健師に向いている人の特徴
保健師に向いているのは、相手の考え方を柔軟に受け入れ、適切な判断ができる人です。状況の変化に応じてアプローチを変えられる柔軟性も必要となります。また、保健師の仕事は、老若男女問わずさまざまなタイプの人とかかわる機会が多いため、高いコミュニケーション能力が求められます。
感情表現が苦手な人や、うまく人とかかわれない人の相談にのるケースもあるため、相手が安心して話せるように配慮できるスキルが必要です。言葉を話せない乳幼児と接する場面もあるため、相手の立場に立って考えられる共感力や、状況を客観的に把握できる観察力も欠かせません。
看護師に向いている人の特徴
看護師は、命を扱う職業であるため、適切な対応を常に心がける責任感を持った人に向いています。「これでいいか」といった妥協は許されず、常にミスがないか確認する姿勢が求められます。
病院や部門によっては、スピード感がとくに重要視される場面も多く、迅速かつ適切な判断が重要です。そのため、素早い対応と冷静な判断を両立して実行できる人が看護師に向いているといえます。
さらに看護師の仕事には夜勤もあり、不規則な生活になりがちなため、体力や精神力の強さが欠かせません。患者さんのケアや巡回など、多くの業務をこなす中で、困難にめげずにむしろ乗り越えるタフさが求められます。
看護師から保健師になるための方法
看護師から保健師になるためには、看護師免許を取得したのちに所定の保健師養成課程を修了し、保健師国家試験に合格する必要があります。すでに看護師資格を所有している人や看護師として働いている人は、保健師養成課程のある短大や養成所に入学し、国家試験に合格すると保健師としての資格を取得できます。
看護師としての知識があるため、保健師に必要な授業や実習に集中でき、効率的に学べるでしょう。しかし、最短1年という短い期間で授業・実習・就職活動などをすべてこなす必要があるため、忙しいスケジュールに対応できる能力が求められます。
看護師から保健師になるための方法を詳しく知りたい方は「看護師から保健師になるには」をご覧ください。
看護師から保健師になるにはどうする?転職の流れや必要な資格を解説
看護師から保健師への転職経験者の声
保健師と看護師の仕事の違いを知り、「自分にどちらが向いているのか?」を判断するために大切なのは、「どちらの仕事内容が、自分に向いているか」ではないでしょうか。そこで、看護師から保健師の仕事に転職した人の本音をのぞいてみましょう。
まずは、転職を成功させた人の意見を確認してみましょう。
- 看護師時代は夜勤が多く、体力的にも厳しかったです。患者さんの病気も軽いものから重いものまでさまざまですし、命の重みを感じながらの仕事が精神的に辛い時期もありました。
保健師が相手にするのは、病気の方もいらっしゃいますが健康な方もいらっしゃいます。「健康管理や健康維持」を目的とした活動のため命の重みというプレッシャーと戦うこともなく、私にとっては保健師への転職は成功だったと思います。
次に、転職に失敗した人の意見も紹介します。
- 行政保健師として働いていましたが、公務員独特の職場環境が私には合いませんでした。また、保健師として、大勢の方の前で「健康とは」などのテーマについてお話しする場面がありましたが、それも苦手なことのひとつでした。
今は看護師として職場復帰しています。臨床には臨床の厳しさがありますが、患者さん一人ひとりと向き合う看護師のほうが私は充実感を覚えています。両方を経験したからこそ、看護師が自分に合った職業だと思えました。
まとめ|保健師と看護師の違いを理解して自分に合った転職をしよう
保健師と看護師の違いを理解しておくと、自分に合ったキャリアを選択しやすくなります。看護師としての経験を活かしながら、新たなフィールドで活躍する道も広がっていくでしょう。
転職を考える際には、それぞれの特徴をしっかりと把握し、自身のライフスタイルや価値観に合った選択をすることが大切です。保健師としてのキャリアに興味を持った方は、自分の特性を掘り下げて理解をしたうえで、ぜひ自分に合った情報を集めてみてください。
具体的には、転職の際にかなえたいことや外せないことを整理して、自分の中での優先順位を明確にしましょう。そのうえで、優先順位に沿った転職を実現するために必要な情報を集めていくのがおすすめです。
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