【保健師】体験談保健師専門学校とは?社会人から保健師になるための最短ルートを解説
公開日:2015年11月24日
更新日:2024年11月13日

こんにちは、保健師転職のアポプラス保健師ライターチームです。
社会人になってから保健師を目指したという方の場合、2通りのパターンが考えられます。ひとつは看護師として働いていて、病気で苦しむ多くの患者さんをみてきた経験などから保健師を目指す人。
もうひとつは一般の会社で働いたのちに、医療系に進みたいと考え保健師を目指す人。あなたは、どちらのパターンでしょうか?
「看護師から保健師を目指す」という場合は、保健師学校に通い保健師の資格を取得するだけで保健師になれます。しかし「一般の会社員から保健師を目指す」という場合は、看護師と保健師両方の資格を取得しなくてはいけないので、正直ハードルが高くなります。
それぞれのパターンで保健師を目指す人はどうすればよいのか、また保健師学校はどのように選べばよいか解説します。
目次
- ・保健師専門学校とは
- ・社会人が保健師になる最短ルート
- ・保健師になるために必要な資格試験
- ・保健師を養成する専門学校の学費
- ・保健師専門学校に活用できる支援制度
- ・保健師の仕事が向いている人の適性
- ・まとめ|社会人から保健師を目指す最短ルートは保有資格によって異なる
保健師専門学校とは

保健師専門学校とは、保健師免許の取得を目的とした教育機関です。保健師として働くためには、まず看護師免許を取得します。その後に保健師の資格試験に合格する必要がありますが、特定の専門学校では、両方の資格取得を目指して学べるカリキュラムが用意されています。
看護師免許と保健師免許の両方を取得できる4年制の学校は、看護大学・医科大学の看護学部、または看護専門学校の中に多く、効率的に学びたい人に人気です。しかし、4年間で2つの国家試験対策を並行しておこなうため、学業の負担が大きい点に注意しなければなりません。
一方、3年制の看護専門学校や短大は、まず看護師免許の取得を目指す学校です。看護師としての基礎をしっかり学びたい人や、学業を自分のペースで進めたい人にとっては、4年制より利用しやすい選択肢といえるでしょう。
3年制を卒業したのちに保健師を目指す場合は、あらためて1年制の保健師専門学校に進学する必要があります。進学先では、看護師としての実務経験や知識を基に保健師資格取得を目指せるため、合計4年間で保健師免許の取得が可能です。
社会人が保健師になる最短ルート

保健師になるための最短ルートは、社会人が効率的にキャリアチェンジを進めるための重要なポイントです。ここでは、すでに看護師として働いている方や、一般企業に勤めている方が、最短で保健師免許を取得する方法を解説します。保健師を目指す際の参考にしてみてください。
看護師から保健師を目指す場合
看護師免許を持って社会人として働いている人が、保健師を目指す場合には2つの方法があります。1つは「保健師の専門学校」へ通う方法、そしてもう1つは「保健師の資格がとれる大学」へ編入学するという方法です。
保健師の資格を取るための学校は一般的に全日制のため、常勤の看護師として働きながら夜間の保健師学校に通うという選択肢は、あまり現実的ではありません。そのため収入面が心配な場合には、アルバイトやパートの看護師として働きながら、学校の休みを活用して通うという方法があります。
ただし、保健師の専門学校などは最短1年という短期間でみっちり勉強する必要があるため、時間管理が重要になります。実際に学校に通った先輩からは「バイトする時間なんてなかった」「勉強で必死だった」という声も多く聞くため、ある程度の覚悟が必要な方法です。
体を壊しては元も子もありませんから、実際どのくらい学校に行かなくてはいけないのか、実習の状況はどうかなど、通う予定の保健師学校についてよく調べておくとよいでしょう。
一般の会社員から保健師を目指す場合
一般の会社員に限らず、看護師の資格を持たない人が保健師を目指す場合は最低4年かかります。なぜなら保健師の資格を取るには、看護師の資格も必要だからです。
保健師助産師看護師法の第7条には、「保健師になろうとする者は、保健師国家試験及び看護師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならない。」と書かれています。
※「保健師助産師看護師法」参照
看護師の国家試験に合格すれば看護師として働くことはできますが、たとえ保健師の国家試験に合格しても看護師の国家試験が不合格であった場合、保健師として働くことはできません。
ではあらためて、現在社会人の方が看護師と保健師の資格を得るための保健師学校の選び方について紹介します。
最短で保健師になるには、以下の2つのパターンが考えられます。
- (1)看護師・保健師の統合カリキュラムのある保健師専門学校に4年通う
- (2)看護師専門学校に3年通い看護師の資格を取得したのち、保健師学校に1年通う
このときに大切なのは「社会人入試」が設定されている保健師学校を選ぶことです。とくに大学の場合、現役の学生と一緒に受験するのはハードルが高くなります。学生は勉強のみに打ち込めますが、社会人の場合そういうわけにはいきません。
そこで社会人として働いてきた強みを生かせる「社会人入試」の枠を狙うのがベストになります。社会人入試の規定は大学によって違います。国公立大学にも社会人枠を設定しているところがありますから、調べてみてはいかがでしょうか。
保健師専門学校に通う
看護師資格を持っていない人がこれから保健師を目指そうとする場合、保健師専門学校に4年間通う必要があります。前述したとおり、保健師になるためには看護師資格も必要であるため、看護師と保健師両方の受験資格が得られる学校を選ぶようにしましょう。
4年制保健師専門学校に入るメリットは、看護師資格と保健師の資格を一度に取得できることです。看護師と保健師の学校へ別々に入学する必要がないため、かかる負担は少なくなります。
一方でデメリットは、就学年数が長い点です。4年間の保健師専門学校では、最終学年時に看護師・保健師両方の受験資格が得られます。そのため、早く看護師になりたいと思っても、卒業するまでは働けません。
メリットとデメリットを把握したうえで、まとめて4年間通うのか、それとも次に紹介する看護師・保健師の学校にそれぞれわけて通うのかを検討してみましょう。
看護専門学校と保健師専門学校に通う
看護師資格を持っていない方が保健師になるには、まず看護師の資格を取得する必要があります。看護専門学校(3年制)に通って看護師資格を取得し、その後、保健師専門学校(1年制)で保健師資格を目指すのが一般的なルートです。
看護専門学校を選ぶメリットとしては、看護師資格が比較的取りやすい、選択できる専門学校の数が多いなどがあげられます。また、看護師として臨床経験を積んでから保健師専門学校に進めるため、実務に即した学びができるという強みもあります。
一方デメリットとして、専門学校と保健師専門学校の学費をトータルで考えると、費用がかさむ傾向にあることがあげられます。
ただし看護師として働きながら学費をカバーするなどの選択肢も選べるようになり、臨床経験が保健師としての実務に活かせる点を考慮すれば、効率的で現実的な選択肢といえるでしょう。
保健師になるために必要な資格試験

保健師になるためには看護師と保健師の資格が必要であり、受験資格を得るためには、専門学校などの修了といった条件を満たす必要があります。
【看護師の受験資格例】
- 文部科学大臣が指定する大学(短期大学を除く)の看護学科を修了した者、または修了見込みの者。
- 文部科学大臣が指定する学校において、3年以上の看護師養成課程を修了した者、または修了見込みの者。
- 都道府県知事が指定する看護師養成所を修了した者、または修了見込みの者。
【保健師の受験資格例】
- 文部科学大臣が指定する学校において、1年以上の保健師養成課程を修了した者、または修了見込みの者。
- 都道府県知事が指定する保健師養成所を修了した者、または修了見込みの者。
受験資格を得るためには、学校や養成所などに通う必要があります。看護師資格を持っていない人が保健師になる場合には、看護師と保健師両方の資格試験の要件を満たす学校に通わなければなりません。
保健師を養成する専門学校の学費

保健師を養成する専門学校の学費は、学校の種類や所在地、カリキュラムによって大きく異なります。1年間の学費は約30万円~200万円程度と幅が広く、具体的な費用は各学校へ確認する必要があります。。
さらに学費以外にも、教材費や実習費、交通費などの追加費用がかかるケースもあるでしょう。学費以外の費用も含めた総額を考慮し、無理のない資金計画を立てることが大切です。
保健師専門学校に活用できる支援制度

保健師専門学校に通う際、経済的な負担を軽減するためのさまざまな支援制度があります。これらの制度を活用すれば、学費の一部や全額をカバーでき、安心して学業に専念することが可能です。以下では、代表的な支援制度を紹介します。
日本学生支援機構
日本学生支援機構の奨学金は、大学・短期大学・高等専門学校・専門学校などに通う学生や入学予定者を対象としています。給付額は進学先の学校区分により異なり、条件を満たすと授業料や入学金の免除・減額が受けられます。奨学金には返済不要の給付型奨学金の他、返済が必要な貸与奨学金もあるため、条件と内容を確認してから利用しましょう。
看護師等修学資金貸与事業
看護師等修学資金貸与事業は、看護師などの養成施設に在学し、卒業後に看護業務に従事する意思がある人を対象に、修学資金を無利子で貸与する制度です。たとえば東京都の場合、貸与額は月額25,000円~10万円までで、無利子で借りられますが、延滞した場合は利息が発生します。
また、貸与した自治体の管轄区域内で従事する意思が求められる場合もあり、東京都の場合には「都内において5年以上」といった要件もあるため注意をしてください。
専門実践教育訓練給付金
専門実践教育訓練給付金は、保健師を目指す社会人にとって利用しやすい支援制度です。一定の条件を満たす雇用保険の加入者が対象で、訓練中に支払った教育訓練経費の50%(年間上限40万円)がハローワークから支給されます。
さらに、訓練修了後に資格を取得し1年以内に就職した場合は、追加の給付も受けられるため、保健師資格取得を目指す方にとっては大きな支援となるでしょう。
病院や学校の奨学金
病院奨学金は、看護師、助産師、保健師を目指す学生に対して病院が学費を支援する制度です。支給された奨学金は、卒業後にその病院で一定期間働けば返済が免除される場合が多いため、学費を実質無料にできる可能性があります。奨学金制度を活用すれば、学費の負担を大幅に軽減しつつ、将来的な就職先も確保できるというメリットがあります。
保健師の仕事が向いている人の適性

保健師として活躍するためには、いくつかの適性があげられます。まず、コミュニケーション能力の高さです。保健師は地域の人々と密接にかかわり、健康指導や相談をおこなう場面が多いため、相手の話をしっかりと聞き、わかりやすく伝える力が求められます。
また、思いやりと優しさも重要です。保健師は、予防医学や健康増進を担う存在として、妊産婦や高齢者、児童などさまざまな世代の人々と接します。相手の立場に寄り添い、心から支援したいという気持ちが大切です。
さらに、柔軟性と適応力も必要です。保健師の仕事は多岐にわたり、状況やニーズに応じて迅速な対応が求められます。また、現場の状況が日々変化するため、変化に対応できる柔軟な姿勢が重要です。
最後に、向上心と学習意欲を持ち続ける姿勢も欠かせません。保健師は医療や福祉の分野で働くため、常に最新の情報や技術を学び、スキルを磨く必要があります。
今回紹介した長所を持っている方は、保健師の仕事に向いています。保健師として成功するための適性についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
保健師として求められる適性や向き・不向きとは?向いていない場合の対処法もご紹介
まとめ|社会人から保健師を目指す最短ルートは保有資格によって異なる
保健師は、地域社会や職場での健康促進に大きく貢献できる、やりがいのある仕事です。看護師からのキャリアアップを考えている方や、一般企業からの転職を検討している方は、保健師専門学校を利用して最短ルートでの取得も可能です。
今回紹介した学費の負担軽減のための支援制度や保健師に向いている人の適性などの情報を活用して、自分に合った仕事先を見つけてください。
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