【保健師】仕事内容・役割【徹底比較】産業保健師と産業看護師の違い6選?報酬や実際の現場での状況も解説!
公開日:2016年02月09日
更新日:2025年02月13日

こんにちは、保健師転職のアポプラス保健師ライターチームです。
「産業保健師と産業看護師の違いを知りたい」
「企業で働くために、どちらの資格が適しているの?」
「それぞれの役割や待遇の違いについて、詳しく把握したい」
このような悩みを持つ人のために、 保健師転職のアポプラス保健師 ライターチームが疑問を解決する記事を執筆しました。
産業保健師と産業看護師は、ともに産業看護に携わる職業であり、一般企業で働いています。しかし、産業保健師と産業看護師の違いについて詳しく知らない方も多いでしょう。
本記事では、産業保健師と産業看護師の違いについて、必要な資格や仕事内容、年収などの観点から解説します。
目次
- ・産業保健師と産業看護師の違いはあるの?
- ・産業保健師と産業看護師の主な違い6選
- ・産業保健師と産業看護師の業務に違いはあるの?
- ・まとめ|産業保健師と産業看護師の違いを知り転職に役立てよう
産業保健師と産業看護師の違いはあるの?

産業保健師と産業看護師は、役割や仕事の内容が似ている部分や重複する部分がありますが、厳密には違いがあります。
産業保健師の概要
産業保健師とは、一般の企業に勤務する保健師のことを指します。企業の診療所や医務室で、産業医や人事労務部門と連携しながら業務をおこないます。
主な役割は 従業員の健康管理をおこない、病気やメンタルヘルス不調を未然に防ぐことです 。健康管理をすることで、従業員の心身の健康が維持されるだけでなく、生産性向上にもつながります。
産業看護師の概要
産業看護師とは、一般企業に勤務する看護師を指します。産業看護師の業務内容は、企業によって異なります。企業内の診療所や医務室に勤務する場合の主な業務は、 病気や怪我の対応や、産業保健師と協力しての病気・怪我・メンタルヘルス不調の予防です 。
すべての企業に必ずしも在籍しているわけではありませんが、製造業・運輸業・サービス業・卸売業などさまざまな業界で活躍しています。
産業保健師と産業看護師の主な違い6選

ここでは、産業保健師と産業看護師の主な違い6選を解説します。
必要な資格
産業保健師として働くには、 保健師免許と看護師免許の両方が必要です 。保健師免許は、保健師養成課程がある看護大学や専門学校などでカリキュラムを修了し、看護師国家試験と同時期に、保健師国家試験に合格すると取得できます。
また、看護大学や専門学校でカリキュラムを修了し、看護師国家試験に合格した後に保健師資格を別途取得する方法もあります。看護師資格を取得後に、保健師課程がある大学院や専門学校のカリキュラムを修了し、保健師国家試験を受験する方法です。
産業看護師として働くには、看護師免許が必要です。看護師免許は、看護大学や専門学校などでカリキュラムを修了し、国家資格に合格すると取得できます。
仕事内容
保健師助産師看護師法 では、保健師は「保健指導に従事することを業とする者」とされています。一方で看護師は「傷病者若しくはじょく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者」とされ、産業保健師と産業看護師は産業保健分野のさまざまな役割を担っています。主な仕事内容は次のようなものです。
- 健康診断結果のフォロー
- 怪我や病気の対応
- 過重労働対策
- メンタルヘルス対策
- 休職者の復帰フォロー
- 衛生委員会や安全衛生委員会への参加
- 従業員への教育研修
- ストレスチェックの実施と面談
主に産業医と連携し、 産業医だけでは対応できない範囲のフォローをおこないます 。産業医だけでは手が回らない場合があるため、それを補うために産業保健師や産業看護師が重要な役割を果たすのです。
産業看護師の仕事内容は、企業によって多岐にわたります。企業の医務室や健康管理室に勤務する場合、主な仕事内容は従業員の病気や怪我の対応です。
また、職場内の感染症対策や指導にも携わることや、産業保健師が在籍している企業では連携して保健指導をおこないます。さらに、製薬会社や医療関連の企業などは、以下のような仕事もあります。
- 治験コーディネーター
- 臨床開発モニター
- 品質管理者
- クリニカルスペシャリスト(営業担当やMRと共に病院へ訪問し、製品の説明や医療従事者に向けて製品の説明会を開催し営業をサポートする)
産業保健師と産業看護師は、仕事内容が重複する部分もあり、企業のニーズに応じて幅広い内容の業務を担当しています。
勤務形態
産業保健師と産業看護師の勤務形態は、多くの場合似た形態です。雇用形態はさまざまで、正社員・パート・派遣などで募集されています。 産業看護師や産業保健師の募集の多くは、カレンダーに沿った勤務のため、基本的に夜勤や土日の出勤はありません 。
企業で働く産業保健師や産業看護師は、病院で働く場合と比べて体力的な負担が少なく、プライベートを大切にしながら働ける点が魅力的で人気があります。
年収
厚生労働省の「 令和5年賃金構造基本統計調査結果の概要 」によると、保健師の平均年収は約451万円、看護師の平均年収は約508万円です 。
一般企業に勤務する産業保健師や産業看護師の年収については、公的なデータはありません。ただ、一般的に産業保健師の平均年収は450~500万円程度、産業看護師の平均年収は400~450万円程度とされています。一般企業の場合、夜勤がないことが多いため、病院勤務の看護師と比べて年収が低い傾向です。
また、産業保健師や産業看護師の年収は勤務先の企業によって幅があり、大企業ほど年収が高い傾向があります。
ストレスチェックの実施
ストレスチェックは、2015年から義務化された労働安全衛生法に基づく制度です。常時50人以上の労働者がいる企業は実施する必要があります。年に一度、全従業員に対して質問用紙を用いて実施されます。 労働者のメンタルヘルス不調を未然に防ぐために、ストレスの状態を把握し、職場環境の改善を進めることが目的です 。
質問の内容は、ストレスの原因に関する職場環境・労働時間・仕事内容・対人関係などの質問や、心身のストレス反応に関する感情や体の症状についての質問があります。また、周囲のサポートに関する、相談できる人がいるかどうかといった質問なども含まれています。
ストレスチェックを実施できるのは、厚生労働省が定めた次の資格を有する人です。
- 医師
- 保健師
- 厚生労働大臣が定める研修を修了した歯科医師、看護師、精神保健福祉士、公認心理士
つまり、保健師免許を保有している人と、厚生労働大臣が定める研修を修了した看護師がストレスチェックを実施できます。
企業から必要とされるのは
産業保健師と産業看護師が必要とされるかは、企業が担当してほしい業務内容によって異なります。保健師助産師看護師法にて、保健師は「保健指導に従事する者」とされ、看護師は「傷病者若しくはじょく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行う者」とされているからです。
予防ケア・保健指導・メンタルヘルス対策・求職者の復職支援などの対応が多い企業は、産業保健師が求められ、怪我や病気の対応が多い企業では、産業看護師が採用される場合もあります 。
このように、企業が産業看護師又は産業保健師に求める業務内容によって異なるのです。
産業保健師と産業看護師の業務に違いはあるの?

ここまで紹介したように、産業保健師と産業看護師の基本的な役割や仕事内容は厳密にいえば異なります。しかし実際の現場では、業務内容には大きな違いがないケースも珍しくありませ。
一部の業務については保健師と看護師が同様の役割を担うことがあるからです 。とくに企業の診療所や医務室に務める場合、保健師と看護師が在籍している企業では、連携して業務をおこなうケースがあります。
また、保健師が在籍していない場合は、看護師が保健指導やメンタルヘルス対策など、保健師と同様の役割を担うことがあります。このように実際の現場では業務内容に大きな違いがない場合も多いのです。
まとめ|産業保健師と産業看護師の違いを知り転職に役立てよう
保健師助産師看護師法にて、保健師は「保健指導に従事する者」とされ、看護師は「傷病者若しくはじょく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行う者」と定義されています。
しかし、実際の業務においては、産業保健師と産業看護師が同様の役割を担う場合があります。とくに企業の診療所や医務室に勤務する場合は、実際の業務内容に大きな違いがないケースも珍しくありません。
法的な定義では役割が異なるものの、実際の現場では、企業のニーズに合わせて多岐にわたる業務を担当しています。法律的な役割だけではなく、実際の現場での役割の違いまで知ったうえで、転職活動をおこなうようにしていきましょう。
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