【保健師】求人・転職情報保健師の就職先はどこが狙い目?近年のデータから読み解く!
公開日:2015年11月16日
更新日:2025年01月24日

こんにちは、保健師転職のアポプラス保健師ライターチームです。
「保健師の資格を取得したけど、どのような就職先があるのか知りたい」
「市区町村以外の職場でも保健師として働けるの?」
「保健師としてキャリアアップできる職場を探したい」
このような悩みを持つ人のために、保健師転職のアポプラス保健師ライターチームが疑問解決につながる記事を執筆しました。
保健師の就職先やキャリアアップ先は、市区町村や保健所だけでなく、病院・診療所・企業などさまざまな場所があります。本記事では、近年のデータをもとに、保健師の就業先や地域による差を詳しく解説します。
就職先を選択する際には、近年の保健師市場の動向を踏まえた上で、ご自身の興味がある分野や今後のキャリアプランを考慮して選ぶことが重要です。保健師の需要が広がっている背景を分析し、希望の就職先を見つけましょう。
目次
- ・保健師の数はどれくらい?変化はある?
- ・保健師の就職先の現状は?最新データから見る傾向
- ・今後はどうなる?データから見る保健師の就職先!
- ・保健師の就職先選びのポイント
- ・まとめ|データをもとにして保健師の就職先を決めよう
保健師の数はどれくらい?変化はある?

保健師の数はこの2年では増加傾向にあります。厚生労働省が発表している「令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」から、近年の就業保健師の数を2020年と2022年で比較してみましょう。
年度 | 就業保健師数 |
---|---|
2022年(最新) | 60,299人 |
2020年(前回) | 55,595人 |
2020年の就業保健師の数は約5.5万人。2022年には、4,704人(8.5%)増加し、6万人を超えています。
保健師のうち、割合としては女性の方が多く、2022年では約96.8%です。
人数としては女性の方が多いですが、増加率に着目すると男性保健師は2020年から2022年の2年間で1,598人から1,947人(21.8%増)となっており、女性保健師と比べ高くなっています。
出典:厚生労働省「令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」
保健師の就職先の現状は?最新データから見る傾向

2022年の厚生労働省の同調査によると、保健師として働く人の約7割が、市区町村や保健所に属しています。ここでは、最新のデータをもとに就業場所の割合や、地域ごとの人気の差を見ていきましょう。
就業場所別の保健師数の割合
まずは、就業場所別の保健師数の割合を見ていきましょう。
保健師の就業場所を市区町村・保健所・医療機関(病院+診療所)・事業所(企業)の4つに分類した場合の、それぞれの割合は下記の表の通りです。
就業場所 | 割合 |
---|---|
市区町村 | 51.6% |
保健所 | 17.1% |
医療機関(病院+診療所) | 11.7% |
事業所(企業) | 7.0% |
出典:厚生労働省「令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」
上記の割合からもわかる通り、保健師の半数以上は市区町村で勤務しています。市区町村の保健師は地域住民の健康を守る役割を担っており、母子保健や高齢者の支援をはじめ、生活習慣病の予防や感染対策など住民の課題に応じた健康の支援をおこないます。
市区町村についで多いのが、保健所です。保健所の保健師は、感染症対策などを担当しています。市区町村と同じく、健康増進や疾病予防の観点から住民の健康を守ることが大きな役割です。
医療機関で働く保健師は、全体の中で約12%です。具体的な業務として、患者やその家族が退院後の生活をスムーズに送れるように支援しています。病院を出た後にきちんと社会生活を送れるよう、地域や他職種と連携することが主な業務です。
全体の7%である事業所(企業)の保健師は、企業に務める従業員の健康管理をしています。メンタルヘルス対策や職場の環境改善の提案など、業務は多岐に渡ります。従業員が安心して働けるようサポートすることが、主な業務です。
近年の保健師就職先の変化
近年の保健師就職先の割合の変化は、下記の表の通りです。
就業場所 | 2018年 | 2020年 | 2022年 |
---|---|---|---|
市区町村 | 56.0% | 54.8% | 51.6% |
保健所 | 15.3% | 15.3% | 17.1% |
医療機関(病院+診療所) | 10.0% | 10.5% | 11.7% |
事業所(企業) | 6.3% | 6.8% | 7.0% |
出典:厚生労働省「平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」「令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」厚生労働省「令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」
保健師の各就業先を比較したところ、市区町村以外の就業場所の就業割合が増加傾向にありました。
医療機関については、予防医療の重要度が高まっているため、健康指導などにおいて重要な役割を担う保健師の人数が増えてきていると考えられます。
保健師が今後も必要とされる背景などについて気になる方は、下記の記事も参考にしてみてください。
将来AIによって保健師の仕事はなくなるのか、これからの時代にどのような需要があるのかについて解説します。
都道府県や地域による人気の差
都道府県や地域によっても、保健師の就業者数は異なります。厚生労働省の調査によると、都道府県別に人口10万人あたりの保健師数を見たところ、「長野県」が91.9人ともっとも多く、全国平均の48.3人を大きく上回っています。
一方、「大阪府」が30.1人ともっとも少なく、長野県と比べると約61人と大きな差がありました。
保健師の就職先は、都道府県や地域の特性・人口構成・行政の施策などに応じて、人気や需要が変化していると考えられます。
たとえば、都市部では「市区町村」「保健所」「医療機関」「事業所」などさまざまな就職先があり、保健師の役割は幅広いのが特徴です。健康管理やメンタルヘルス対策に力を入れている企業も多く、産業保健の分野での保健師の需要が増えています。都市部では保健師の就職先が多様化しているものの、競争率が高いケースもあり、就職に向けた対策が必要です。
一方で、地方の保健師は市区町村や保健所に就業しているケースが多く、おもに地域の保健活動をおこなっています。とくに高齢化が進む地域では、高齢者支援や介護予防に関する業務の需要が高く、住民が安心して生活を送れるよう介護施設と連携します。
保健師不足が課題となっている地域もあるため、地域の健康課題に向けた取り組みに携わりたい場合は、地方での就職も選択肢の一つにあげられるでしょう。
今後はどうなる?データから見る保健師の就職先!

保健師の需要は、市区町村だけではなく、医療機関や企業など広がりを見せることが予測されます。
保健師が就職先でどのような仕事をしているかや、保健師の就業先が今後どのように変化していくかについて、就業場所別に見ていきましょう。
- 事業所(企業)
- 市区町村
- 保健所
- その他
それぞれ一つずつ解説をしていきます。
なお、保健師の仕事について詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
ここでは、保健師が具体的にどのような職業で、資格取得後はどういった仕事に就けるのかについてご紹介します。
事業所(企業)
保健師の就職先として、近年増加傾向なのは一般企業などの事業所です。
事業所で働く保健師は、従業員が健康で働けるようサポートします。具体的な業務内容は次の通りです。
- 健康診断の実施
- 健康診断の結果の分析
- 個別の健康指導
- 生活習慣病予防
- メンタルヘルス対策
- ストレスチェックの実施
保健師は健康診断の結果に基づき、生活習慣病予防のための食生活や運動指導をしたり、ストレスチェックの結果に基づき、メンタルヘルスの面でサポートしたりします。必要時には、産業医や関連の医療機関と連携を取るのも重要な役割の一つです。
とくに、健康経営を掲げる企業での保健師の需要が高まっています。健康経営とは、従業員の健康を守ることで、会社全体の成長や成功につなげる取り組みです。企業は従業員が安心して働ける環境を整え、その結果として生産性があがったり、優秀な人材を確保したりすることを目標としています。
従業員の健康や働きやすい環境づくりに貢献する保健師は、今後さらに企業から求められるようになると考えられます。
市区町村
保健師の就職先としてもっとも多いのは、市区町村です。市区町村で働く保健師は、地域の住民の健康増進や疾病予防を支える役割を担います。主な業務は次のとおりです。
- 母子保健
- 高齢者支援
- 生活習慣病予防
- 感染症対策
高齢化が進む地域では、高齢者の介護予防や認知症対策に関する相談業務が増加しています。市区町村の保健師は住民と距離が近く、それぞれの抱える健康課題の解決に向けたきめ細かな支援が求められます。
近年、医療機関や事業所などで働く人の割合が増えてきているため減少傾向ではありますが、それでも半数以上の保健師が市区町村に勤務しています。そのため今後も、保健師の主な就職先となると考えられます。
保健所
保健所は、病院についで保健師の割合が多い就職先です。2022年の保健師の就職先としての割合は17.1%であり、2020年から1.8%も増加しています。割合も増加率も高いため、今後も保健師が働くメインの就職先になるでしょう。
保健所の保健師は、次のような支援を通じて、地域全体の健康管理を担う役割です。
- 母子保健
- 精神保健
- 感染症対策
- 生活習慣病予防
- 災害時の保健活動
- 地域の健康課題の把握や対応
保健所の保健師は、医療機関や行政機関と連携し、地域全体の健康を守るための活動をします。上記の活動を通して、病気の発生を未然に防ぎ、地域全体の健康レベルを向上させることを目指します。また、災害発生時の被災者の健康管理や避難所の衛生管理なども、重要な役割です。
その他
その他の保健師の主な就職先については、下記の3つです。
- 病院や診療所
- 都道府県
- 看護師等の養成所や研究機関
病院や診療所などの医療機関では、保健師は退院後の患者と地域の橋渡し役を担います。退院後に安心して生活できるよう、退院後の生活に必要な環境を整えるのも保健師の重要な役割です。
市区町村ほどの人数ではありませんが、都道府県の職員として働くケースもあります。具体的には、住民の健康増進や児童相談所での仕事がおもな役割です。看護師等の養成所や研究機関では、教育や研究を通し、保健活動の分析や次世代の保健師の育成をおこないます。
保健師の就業先は多岐にわたるため、自分のやりたい仕事につながる場所を選ぶようにしましょう。
保健師の就職先選びのポイント

保健師の就職先を選ぶときの2つのポイントを、下記の表で確認してみましょう。
ポイント | 具体例 |
---|---|
興味のある分野を見極める |
|
将来性を考える |
|
就職先を選ぶときには、自分が成長できる環境かどうかを見極めるのも大切です。研修制度やキャリアップの機会なども確認しておきましょう。
インターンシップや職場見学は、実際の業務内容や雰囲気を知るいい機会です。気になる職場があれば、いきなり就職するのではなく、インターンシップや職場見学に参加することをおすすめします。
まとめ|データをもとにして保健師の就職先を決めよう
この記事では、データを踏まえながら保健師の就職先について紹介しました。医療機関や事業所をはじめとするさまざまな場所での保健師の人数が増加しています。保健師は、健康増進や疾病予防の専門的な知識やスキルを持つ専門職で、地域住民や従業員など幅広い対象の健康管理をサポートする重要な役割を担います。
とくに、時代の変化に伴い保健師の需要が拡大している医療機関や企業などは、魅力的な就業先の一つです。ご自身の興味やキャリアプランに合った就業先を選びましょう。
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